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夢なら醒めないで/テレンス・ジョン・ドヘニーが諦めかけたもの

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アイルランドには、今ボクシング界で世界一のファンベースを持つといわれるキラキラのアイドル、マイケル・コンランがいる。世界王者になることを嘱望されている。しかしアイルランドには既に同じ階級(訂正:一個上のフェザー級)に無敗の王者がいるのだ。母国のファンには全く人気がなさそうなのは気のせいか・・・

アイルランド発オーストラリア経由ボストン/TJドヘニーとマクドネルファミリーのサクセスストーリー

今年中に日本にやってくるだろうヨーロッパの刺客についての記事です。岩佐はここからが第二章といえるでしょう。井上も・・・ この記事が気に入ったらいいね ! しようシェアするツイートするTwitter で ...

アイルランド発オーストラリア経由ボストン

この差はなんなんだ、風貌か?
ボクシングを諦めるほどの辛苦の果てに、最後の最後に神は微笑んだ。
この幸せはお金では買えない。ドヘニーが祖国のアイドルにその肩書を奪われる日が来るとしても・・・

世界王者になったIBFスーパーバンタム級のTJ”ザ・パワー”ドヘニー(20勝14KO)はタイトルに挑むほんの1年前、ボクシングを諦め、引退しかけていました。

2017年末にオーストラリアのシドニーに家を建てたものの、厳格なトレーナー、ヘクター・ベルムデスの元、米国のボストンでトレーニングをしていた。元世界王者のエフゲニー・グラドビッチと世界戦のエリミネーターを行う予定があったからだが結局その試合は流れた。

32歳のアイリッシュは言います。

ドヘニー
「世界ランクに名を連ねていたのに私のキャリアは全く前進しませんでした。息子が生まれたばかりでしたが、アメリカで試合の約束があったので、わずか2か月の赤ん坊を置いてアメリカに渡って試合に備えたのです。しかし試合は流れてしまいました。日を改めて試合を組みましたが、それも中止になりました。いつも試合は流れて全く前に進みませんでした。

信念を失いかけていました。家族、小さな我が子と離れて暮らすのはもう限界だとおもいました。

バッグパックに荷物を詰めて、シドニーに帰って人生をやり直そうとしていました。そんな時にタイから試合の話が来たのです。それで全てが急転したのです。」

ドヘニーはタイで世界ランカーのマイク・タワッチャイをスプリット判定で下し、ボストンでマイク・オリバーを2回KOすると、バックパックの行き先を日本に変更することになりました。昨年8月に世界的に有名な東京の後楽園ホールでIBF王者の岩佐亮佑に挑戦することになりました。

ハイペースな12ラウンドの攻防はドヘニーのユナニマスデシジョンでの勝利に終わりました。その後の展開はまさに奇跡のようなものでした。

ドヘニー
「神に祝福されたのです。タイからエリミネーターの電話をもらい、日本で岩佐からベルトを奪うことができた。そして私はいま防衛戦をここ、マジソンスクエアガーデンで行おうとしている。マッチルームUSAとも契約しました。

信じられない、まるで夢をみているようです。

エリミネーターに勝つ前までは多くの問題や失意があって、正直いうと、ボクシングを諦めて他の仕事を探そうとしていました。それが当時私が置かれた状況でした。」

ドヘニーの初防衛戦の対戦相手は日本の高橋竜平(16勝6KO3敗1分)です。デメトリアス・アンドラーデVSアーサー・アカボフの前座で行われます。

IBF10位にランクする高橋は急遽決まった話であるにも関わらず、アップセットを起こすことを誓った。

高橋
「こんなビッグな会場で世界戦ができるなんて大変名誉な事です。偉大なファイトをして王者になってみせます。アップセットを起こします。ドヘニーは僕を手ごろな相手だとおもっているでしょう。けれど強い意志と情熱で僕を選んだことを後悔させてやりますよ。」

急に決まった試合ではあるが、高橋のプロモーター石井一太郎は12月はじめにはドヘニー陣営が高橋との試合の可能性について接触してきたことを明かし、この時期から高橋はWBOスーパーフェザー級王者の伊藤雅雪と共にトレーニングを積んできていたという。

高橋
「僕のコンディションは出来ていますし、でっかいアップセットを起こす準備は万端です。」

高橋の自信とは裏腹に、彼は的確でパワフルで圧倒的有利と支持されているハングリーな王者に直面することになります。

ドヘニーが今いる場所にたどり着くために払った忍耐、努力、犠牲をおもうと、このタイトルを容易に手放すようなことにはならなそうだ。

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岩佐が勝ったとおもうし、強い部類の王者とはおもえぬし、高橋を応援しているが、こういう話を読んでしまうとなぁ・・・ドヘニーは未だ何者ともいえない王者であり、稼ぐのはこれからであるが、まさにどん底から夢を掴んだ男、素直に祝福したい。神に祝福されたというように岩佐戦後の顔面の傷、振る舞いをみても負けを覚悟していたのではないか。

アイルランドではトップアマであったが、ロンドン銀のジョン・ジョー・ネビンが壁となり国際的な活躍はできなかった。アイルランド発オーストラリア経由ボストンは尋常なボクサー人生ではない。苦労が絶えなかったはずだ。32歳の顔ではない。苦労が顔ににじんでいる。

どこの世界にも恵まれた者もいればそうでない者もいる。10年歌や演技をやってきても、ぽっと出のアイドルに主役の座は奪われる。

ボクシングでは何度もチャンスに恵まれる者もいれば、一度も負けず、王座に挑戦すらできずに去っていく者もいる。サーシャ・バクティンに少しでも運があれば立派な王者になっていただろう。

しかし失意のドヘニーに神が祝福の手を差し伸べたように、その祝福を高橋が全て奪おうとしている。

「僕を選んだことを後悔させてやる」

この気持ちに苦労人のテレンス・ジョン・ドヘニーはどんな拳で答えるのだろう。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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