ファン・マヌエル・ロペスVSダニエル・ポンセ・デ・レオン2

昨日のメインはダニ―・ガルシア戦だろうが個人的に関心あったのはこの試合。

ファンマが初めてメジャータイトルを獲得した、スターへの階段を登りはじめた最初の試合がポンセ・デ・レオン戦①でした。
あれからもう6年の歳月が経つ。

初戦はファンマの衝撃的な初回KO勝利。高いKO率で怖いポンセを圧倒しスター誕生の瞬間を誰もが感じた試合でした。
左ストレートからの返しの右フックが美しい本格派王者の誕生。

しかし増量、階級を上げる過程で、切れ味やテクニックに陰りが見え、サリドに2度敗退。
エリートが雑草に食われる典型のような試合で、ファンマのきれいなボクシングを無効化、根を削ぐような試合でした。

ファンマは序盤の強打で決着しないとボクシングが雑になりパワー頼りの雑な打ち合いになる。
打たれ方も危なく、スタミナも心もとないので激戦の末派手に散るという欠点も。

直近のマイキー・ガルシア戦は、まるでかつてのスターと今のスターの新旧交代劇のような完敗。
自らが得意なはずの強打やカウンターを見事に食らってボッコボコ。いいとこなしでした。
この試合に負けたらもう引退の声がかかるような状況?だったかもしれません。

方やポンセは派手に負ける一方でしぶとく食いさがり、長谷川を下して波に乗るジョニゴンを制して王座を再獲得したり、同国のアイドル、アブナーマレスを威圧しかけるもポカ食らい王座を明け渡したり、トップレベルでいて不安定な地位をさまよっています。
三浦とのタイトルマッチの話もあったのにこの試合を選んだのはファンマこそが自らの栄光の唯一の挫折、悔恨残る試合だったからでしょう。かなり私怨の感じる試合でした。

と、今の立場的にはポンセの復讐マッチ、どこかダルチニアンVSドネア②に似てる。
ファンマにとってはもう後がない。この相手とのリマッチで復活の兆しをアピールするかもう終了となるのか、原点に帰るような試合。識者の見方としてはポンセの執念の復讐劇になりそうな試合でした。

自分もどこか恨み深いポンセが復讐するんだろうなと予想しておりました。

ところが、どっこい、現実は残酷でユニーク、ドラマより奇なり・・・でありました。

現状はトップレベルをキープしているポンセがやや押す展開、初戦のような勢いはファンマにありません。
しかしファンマもこの試合の意味はよく理解しており?慌てず慎重です。

ややポンセの積極性が上回る初回を終え、2回、変則気味のポンセの左ストレートがファンマをとらえダウン。
結構効いたとおもいますが、無理せず、ムキにならず、積極的に倒れたような印象のファンマ。
やはりファンマに全盛期の強さ、勢い、自信はない。衰えを感じる、そんなシーンでしたが、仕留めにかかったポンセに不覚がありました。倒れても冷静なファンマに襲いかかるポンセに強烈な右フックカウンター。
ポンセがリングに跳ね返るような強烈なダウンを食らい、これでほぼ終了。
意地で立ったがパンチをまとめられレフリーストップ。
ファンマが返り討ちに成功しました。
ポンセの執念は相当だったらしく抱きかかえるレフリーに無意識の抵抗パンチを放っていました。

両者に感情移入してしまいました。

やはり枯れかかってもファンマはファンマらしく、強打は健在、逆転の右フックは彼らしい、彼しか打てない、素晴らしい、肩の入った美しく見事な一撃でした。

そしてポンセもまたポンセらしい。彼はポカミスがとても多い。
変則強打と圧力が特徴で瞬間スピードはないのに、チャンスと見るや無防備につっこみ過ぎる。
だからまだ反撃の意志のある相手の逆転カウンターをがっつり食らってしまう。
もらい方ががっつり過ぎて悲惨すぎ。
闘志はあるが体が効いちゃって小鹿状態。
そんな試合が多すぎです。

チャンスで焦りすぎなければたぶん勝てた試合、展開・・・

これもまた、ドネアを倒したすぎて冷静さを欠いたダルチニアンそっくりな負けっぷりでした。
負けてあっぱれというか、憎めない、最初からストーリーが決まっていたかのような決着でした。
愛きょうあるな全く。

勝ったファンマですが、今までと違い結構神妙で感慨深い勝利の味わいのようでした。
昔を思い出す見事な角度の右フック、そして相変わらずの強打。
でも、ポンセ以外、世界タイトルマッチではもう通用しないのでは?となんとなく感じてしまいました。
試合後WBOのベルトを巻いたりしてましたがタイトルはかかっていたのかな?
ただ昔のベルト巻きなおしただけなのかな?
日本人も絡むこの階級で両者ともまだ暴れまわって欲しいものです。

[youtube]http://youtu.be/vLyfWj_R2bQ[/youtube] [youtube]http://youtu.be/HSZPbNfWb6E[/youtube]

その他

ダニー・ガルシアVSマウリシオ・エレラ

ガルシアというのは相手を圧倒、快勝するタイプのボクサーじゃなさそうだ。
相手のスキルをがっつり受け止めて対処するというタイプで、倒して決着しないとどの試合も大苦戦、接戦となる。
タフネスやパワー、対応力はたいしたものだが突出したものがない分、いつ誰に負けてもおかしくないところがある。
この試合もネームバリューと今後のドル箱マッチのために勝たせてもらったようなものだ。

デオンテイ・ワイルダーVSマリック・スコット

未だ、まがいものと評価されても仕方ないかもなワイルダーだが、タイソン以上にタイソン的というか宇宙人のような強打者ぶりである。相手はパンチだけでなく恐怖とも戦っているようだ。
タイソンより大きくてスケール感もあり、現代ヘビー級の象徴だ。クリチコを倒すとおもうのだが・・・

ダニエル・ジェイコブスVSミルトン・ヌネス

深刻な病気のようだがジェイコブス、再起から全勝だ。
KO率もメチャ高い。ゴールデン・チャイルドは世界再挑戦してもいい時期にきている。
それだけにジェイコブスをねじふせたディミトリー・ピログの復帰が待ち遠しい。
僕の中では最強のミドルだ。(まだギリギリロマンを込めて)

フェルナンド・モンティエルVSクリストバル・クルス

フェザー級。
長谷川も苦労したが長谷川に勝って人生絶頂期だったモンティエルはもっと苦労している。
能力の違いでクルスを序盤圧倒し2度も倒したが、乱戦にまきこまれて苦闘のマジョリティ。

歴戦の(特にドネア戦)ダメージと
年齢と体格と・・・

フェザー級戴冠は夢となるか現実となるか。
穴王者挑戦以外では厳しい現実だとおもう。

けどファンなので最後まで応援、見守りたい。

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