最も人道的な側面において先週2人のファイターが敬意を示し合い、男は2人の息子への約束を果たした。我々は、人生において、スリル、溢れる出る感情、尊厳、優しさに満ちたドネアや井上をもっと必要としている。
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ノニト・ドネアは私がなぜこのスポーツが好きなのかを思い出させてくれる。
彼はもうすぐ37歳だが、かつてないほど絶好調にみえた。もうキャリアの終わりに近いが、アゴは強く、破壊的な強打者のままだった。
勝っても負けても、いつも笑顔で手を振ったり抱擁したり、喜びを示してみせる。
彼は難しい質問に答える。妻を愛し、子供たちの手本となり、ボクシングに憧れ、賞賛され、高く評価されている。
ドネアはノックアウトオブザイヤー、アップセットオブザイヤーを獲得しているが、お金のためでなく常に偉大さを追いかけている。レジェンド、ノニト・ドネアはベストを目指し挑戦をあきらめない。
我々はWBSSの決勝でドネアが日本のセンセーション、井上尚弥の17番目のノックアウトの犠牲者になると考えていた。
しかしドネアは己の力を誇示し12ラウンドの戦争を闘いぬいた。彼らが最後に抱擁を交わした時、井上は流血し眼底、鼻の一部を骨折していた。それは世界最高のファイターとして井上の地位を固めた意識調査であり、決して教えることができない、お金では買えない貴重な経験となった。
尊厳は2人の間だけでなく試合全体で感じられた。
井上尚弥がWBSSを制しモハメドアリ・トロフィーの王冠を手にした。しかしドネアは敗北でさらなる世界的な信用を得た。
ドネアは一緒に来日した2人の息子にモハメドアリ・トロフィーを持って帰ると約束していたので、井上に一晩トロフィーを貸してくれないかと頼んだ。多くの人と違い、ドネアは自分の名前がトロフィーに刻まれると心から信じていた。
ボクシング関係者はノニト・ドネアがこのトーナメントに選出されたのは、大会に色を添える、名前を貸すためのものだと考えていた。しかしドネアだけがそのように考えてはいなかった。
ドネアは最初から自分と井上が決勝で対戦すると考えていた。2人が世界を驚かせることになることをわかっていた。それは運命であり、井上の優しさのおかげで、たとえ一晩だけであっても、ドネアは息子たちとトロフィーを共有することができた。
もちろん、全てのファンを満足させることは不可能だ。
11ラウンドの恐ろしい井上のボディでダウンしたドネアは、10カウントを聞いたという意見がある。しかしボクシングにビデオ判定はない。ドネアはレフリーに従い試合を続けた。カウント10に意義を唱える者がいても、誰も声を大にはしなかった。公式にクレームしたり調査したりはしなかった。このスポーツの最高の作品が展示されているその時にストップウォッチ片手に虫メガネで些細な事にこだわる者などいなかった。
ボクシングではポジティブではなくネガティブなアラを探そうとする人が常にいる。そして彼らはしばしば正しい。ボクシングには確かに多くのネガティブな側面があるが、偉大な試合のさなか、ネガティブな要素を積極的に探す必要はない。
WBSSには多くの利点がある。過去3階級に渡って、ファイトオブザイヤー候補の試合を続々と生み出してきた。
まさにクレイジーなロジックだ。ベストとベストをペアリングすると、どんなハイクラスなマッチアップが得られるだろうか。お決まり的な側面は否定できないが、結果が全てを物語っている。カレ・ザワーランドとコモサのチームは世界で最も優れたファイターが成長するだけでなく、ブレイクすることを可能とするプラットフォームを作り上げた。
彼らはタイトルを統一し団体を一掃し、魂の一部をリングに残し、未来を切り開いた。そしてなによりファンは熱狂した。
非常事態もあった。法廷闘争、紛争、しかしそれは戦争、血、情熱、スポーツマンシップ、勝敗と同じくらいスポーツにはよくあるつきものだ。
最も人道的な側面において先週2人のファイターが敬意を示し合い、男は2人の息子への約束を果たした。ボクシングは問題を抱え、間違った方向に舵をとることも多いが、WBSSは何としても継続しなくてはならない。
我々は、人生において、スリル、溢れる出る感情、尊厳、優しさに満ちたドネアや井上をもっと必要としている。
やはり、ノニト・ドネア、5階級制覇のレジェンドの底力は伊達ではなかった。
そして人間的にも想像以上に大きな男だった。
偉大な試合、偉大な人格は勝敗すら超えていた。
https://www.youtube.com/watch?v=OUEwu52LrrM
https://www.youtube.com/watch?v=czLcs6GBxuA