タクティクスゼロ/超人井上尚弥を見習うな

日本のボクシングは井上尚弥一人のおかげで面子、誇りが保てているがその他は実は悲惨です。今年全敗ではないだろうか。単純に実力が足りないだけと断言するが、明らかに戦術(タクティクス)も足りません。

タクティクスゼロ

相手の方が強い、上手い、キャリアも豊富、自分のボクシング?そんなの通用しない。相手は自分の得意な展開で戦ってなどくれない。ならば、なぜ戦うのか、どうやって攻略するのか。誰のファイトからも、セコンドからもタクティクスをまるで感じない。

IBF/WBAバンタム級、無敗の世界王者井上尚弥はWBSSが終了したらトップランクと契約する見通しだ。26歳の井上は決勝でノニト・ドネアと対戦する。それが終われば晴れてトップランク入りとなる。

トップランクは最近五輪2冠のロベイシ・ラミレスと契約した。トップランクは既にヘビー級のタイソン・フューリーやアマチュアスターのマイケル・コンラン、シャクール・スティーブンソンらと契約している。そこに井上のような驚異的な王者が加わればタレント揃いとなる。井上には残された時間も豊富だ。

ボブ・アラム
「井上はドネアに勝つでしょう。あんなに小さな強打者は観たことがない。井上は何か特別な存在だ。ドネア戦をクリアしたら契約しましょう。我々トップランクのバナーで彼が戦うのが待ち遠しいよ。」

井上はWBSSの準決勝で無敗のIBF王者エマニュエル・ロドリゲスを2回でノックアウトした。その他、ファン・カルロス・パヤノ、ジェイミー・マクドネルを初回で下した。バンタム級でまだ4ラウンドしか消化していないが彼らは雑魚ではない。皆一流のトップファイターなのだ。

ドネアに勝つために井上は若干戦術の変更が必要になるかもしれない。井上がはじめて迎える自身よりパンチが強い相手といえる。ロドリゲスは倒されるまで井上にパンチを当てることが出来ていた。もしドネアがロドリゲスと同じくらい井上にパンチを打ち込めるなら井上に初黒星を与えることができるかもしれない。

ボブ・アラム
「伊藤を破り王者になったジャメル・ヘリングとミゲル・ベルチェルトは是非戦わせたい。テビン・ファーマーなんか眼中ないよ。」

翻訳通りなのでお許しください。最後が突然違う話題になっています。
トップランクと契約すれば夢や可能性が広がりますが、極端なビッグマッチやお金が動かぬ限り、トップランクは身内の選手としか戦わせないという事でもあります。どちらが勝っても儲かる、損しないビジネスしかしません。

また、ドネア戦の海外の論調はみな同じです。
井上が初めて迎える自分よりパンチの強い選手

とのことです。

個人的にはそんな事はないとおもいますが、数々の名物ノックアウトを演じてきたドネアですので、真骨頂の左フックや右ストレートをまともに被弾したら危ないというくらいでしょう。

井上相手に守備を固めてバックステップをしても悲惨な事にしかならない。オマル・ナルバエスやアントニオ・ニエベスがそんな感じでした。なのでエマニュエル・ロドリゲスはプレスをかける戦術を選択してきました。初回はある程度成功に見えたが、続く2回に捕まってしまいました。結果完敗とはいえ、そこにはしっかりとした戦術(タクティクス)がありました。

果たしてドネアはどんな戦術を選択するのか、引き込んでのカウンターを狙ってくるのか、最近のスタイルのようにパワーでねじ伏せようとしてくるのか

ドネアのタクティクス
そこだけが楽しみです。

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コメント一覧
  1. 私も管理人さんの意見に賛成です。バブルじゃあるまいに安易に世界挑戦を組みすぎましたね。これではボクシング熱を冷ます事になりかねません。過去には強すぎるが故に挑戦ができなかった数多の無冠の王者が存在したことか!それを考えたら尚更なこと気を引き締めて欲しいものです。尚、またまたご無礼なお願いですが、管理人さんに無冠の王者特集をお願い致します。ある意味ではこのサイトが私には、某専門誌より楽しみです。

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  2. 井上の記事が多くなってしまったので何か刺激的なタイトルをとの事で見習うなと書きましたが、見習うべきところは一杯です。井上拓真がいい感じでレベルアップできると最高ですが・・・
    言いたいのは、井上尚弥はスペシャルな存在ですが、他の日本人は手も足も出ないのに世界だ!などと軽々しく挑戦して欲しくないことです。世界王者というのは井上みたいに強いのだからそれに勝つくらいの意気込みと準備でいて欲しいです。日本ではライト級くらいまで、いや全員、井上尚弥には勝てないような風潮ですもんね。久保の挑戦は一番弱い世界王座でいいからなんとかなんないかな・・・ですもん。ダメージが深刻でないならまた頑張って欲しいですが足元みてからにすべきです。周囲は久保の実力がどの程度かわかっていたはずです。

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  3. 別の方のブログにも書いた事ですが、林田相手の敗北を真摯に受け止め、入念な対策を施し、再戦で相手の策を完璧に封殺し、敗北を成長の糧にした井上父子と、ローマンというSバンタムトップレベルの強豪と戦うという貴重な経験を全く無駄にした久保陣営とでは、ボクシングという競技に対する真摯さ、向き合い方があまりにも違いすぎます。話にならないレベルです。

    井上は見習える存在じゃない、という意見を散見し、事実その破壊力と意味不明な軌道の左は見習いたくたって見習えるようなものでもないでしょうが、ボクシング・試合に対する向き合い方についてはむしろ大いに見習うべきなんじゃないでしょうか? 今の現役選手及びコーチで、井上父子以上に相手の研究に熱心で相手の戦術を的確に分析して勝率を高める努力を貫徹しているチームがどれだけいるというのか。

    井上の強みの一つは適応力のずば抜けた高さ、とされていますが、それも事前準備を入念にしているからこそ出来るのであって、ぶっつけ本番で出来るような代物ではないです。事実、ロドリゲスが前に出て来る事は当然の認識として井上父子で共有していた訳で、だからこそ『持っていかれる』事もなく2Rであっさり主導権取って相手を叩きのめせたのでしょう。人事を尽くしたとしても実力がなければ天命を戴く事は出来ませんが、あなたたち本当に人事を尽くしたんですか、という負けが続出するのは流石によろしくないです。

    他の方がおっしゃるのと同じく、私も黒田の負けはある程度納得がいきました。黒田なりに研究・対策をして、思い切って序盤から主導権取りに行って、その上で対応されて跳ね返された。それなら仕方ないと言えますよね。せめてこのくらいはやって欲しいです、下馬評で不利だと言われるのならば。

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  4. 伊藤、木村を初め、残念な試合が続きましたね。
    管理人さんのご指摘の通り、いずれの試合も「タクティクス」というものが見られない
    試合ばかりでした。「考えた」跡とういうものが、まるで見えなかった。

    さきほど某スポーツ紙で読んだのですが、日本を発つ前に伊藤が帝拳で4日間サウスポー相手に
    スパーをしていたようなのですが、パンチを打てずにリング上で考えてしまうというようなシーンが
    多かったとのことでした。昨日の伊藤は「どうボクシングをしていいのか分からない」ように見えた
    けど、この状態ってその4日間と全く一緒だったのだろうなと感じてしまいました。

    その伊藤と対極にあったのが、昨日のカニサレスでしたね。はじめは追い切れていない
    木村に転級の影響があったのかなと思っていたけど、違いました。木村は完全に空転
    させられていたと思います。

    カニサレスのパンチを出すタイミング、コンビネーション、ブローの多様性を含めた引き出しの
    多さと12Rに渡って足を使える余裕。任務を遂行する強い意志。「考えた」跡と「練習してきたこと」が見えるような試合運びでした。試合終盤ではカニサレスに「修練に裏打ちされた余裕」すら見え
    ました。セコンドの「木村!下だよ下!」という声が会場に響き渡っていたのが印象的でした。

    この試合を見ていて、デ・ラ・ホーヤとトリニニダードの試合を思い出しました。

    明らかに戦力的には劣っていたであろうデ・ラ・ホーヤを最後まで捕まえることが出来なかった
    トリニダード。最終的には終盤、逃げ回っているようにジャッジされてしまったデ・ラ・ホーヤが
    この試合落とすことになるのですが、終始試合を支配していたのはデ・ラ・ホーヤであっただろう
    と思います。

    そこには勝負に固執したデ・ラ・ホーヤとそのセコンドの「戦略」が明らかに見えました。
    デ・ラ・ホーヤがこれほど足を使った試合は、彼のキャリアの後にも先にも無かったと思います。
    このファイト・プランに当初デ・ラ・ホーヤは強く反発していたそうですが、最終的にこの作戦を
    受け入れることになります(この試合の時のトレーナーは誰だったか・・・)。
    ただ、その試合に勝つために。

    デ・ラ・ホーヤの「勝負への執着」は、彼のキャリアを通じて散見されますが、その一つに幾度もの
    トレーナーの招聘と解雇があったと思います。その飽くなき向上心を満たすために、ベリスタインを初め、E・スチュワートやF・ローチ、メイウェザーSr.などあらゆる指導者の薫陶を受けたであろうと思います。リカルド・ロペスなんかもこういうタイプの人だったようですが。

    彼らのような「勝負への執着」とそれをバック・アップする優秀なセコンドの下に優れた「戦略」が生まれるのではないかと思いますが、昨日の試合は残念ながら、いずれもそれが見えない残念な試合が多かったように思います。

    6月の京口紘人には期待したいですね。

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  5. >アマチュアキャリア、ヘリング90試合以上、伊藤0と出ていて、
    >伊藤のアメリカでの関心はそこのようでした。

    米国ではアマチュアを経験しないとプロになれませんから、伊藤はファンタジーなチャンピオンに映るんでしょうね。

    だからこそ、なんとしてでもへリングに勝ってこの波に乗りたかった…

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  6. 私感ですみません。井上、田中の両チャンピオンの才能の一つに自分を過小評価して対戦相手をリスペクト出来る点でしょうね。それとあらゆる不測の事態を想定して試合に対処できるような戦術を立てて試合に臨んでいるところですね。油断と慢心は、知らず知らずに心に繁殖しますから。だから井上の対戦相手は堪らないでしょうね、その上にマイティーソーのハンマーのパンチを浴びせられるような・・・?ものですから!

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  7. 昨日の伊藤VSヘリングでも、テロップで、アマチュアキャリア、ヘリング90試合以上、伊藤0と出ていて、伊藤のアメリカでの関心はそこのようでした。

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  8. 結局のところ、井上、田中、寺地くらいですか? まともに世界に通用してるのは。
    ま、そう考えると、現代ボクシングの選手層では、子供の頃からやってて生き残ったような選手しか通用していない、わかりやすい結果かなと。
    伊藤なんて、高3で始めてここまで来たのは、凄いなと思います。
    テニスで言えば、世界ランク300位くらいまで来てる。
    ただ、高3で始めてPFP10傑(世界ランク10位)に入れるほど、現代ボクシングはマイナーなスポーツではないですね。
    先日、ユーリvsチャッチャイ2を改めて観ましたが、普通に負けてる。あの頃の日本人は、世界レベルのボクシングを観てなかったからユーリに驚いただけで、ユーリ位のボクサーが本当の世界クラスで、世界にはゴロゴロいるんですよね。

    日本のボクシングレベルは、これでも、昔に比べて上がってるのかもしれません。

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  9. 井上がエライというかスゴイのは、きちんとしたタクティクスがあることですよね
    あんだけパンチ力があれば、それにたよったブンブン丸になりそうなのに
    相手を観察し、分析し、自分の強みだけを出せるように戦っている
    その井上の十分の一の才能もないのに、他の選手ときたら・・・

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  10. 相手も日本人を分析、研究してその上をいってきますね。

    ヘリングはじめ昨日の皆に感じましたが
    特にカニサレスは、田口、小西で日本人を学習し
    木村はボディファイターだから足を使って捌くという能力の高さを示しました。

    元々そういうセンスの持ち主だっただけでしょうが。

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  11. 毎度毎度スカっとする同感できる記事をありがとうございます。
    おっしゃる通り選手の能力よりも陣営の無策、研究不足が目立つなぁと
    特に今月は思いました。

    どなたかが言っていた「黒田が一番マシだった」も分かる気がします。
    「想定していたよりジャブの距離が拳一個分違った(黒田)」と言ってましたが
    ちゃんと研究して対策をしたが、実際対峙してみると想定外のことが起こるもんでしょう。
    だからプランBやC、奥の手を用意するのが勝負事の常のはず。

    久保は論外として、木村も体のキレが全然なかったので
    階級合ってなかったのは明白でしたが、フライ級のままの戦術、大振り。
    伊藤も本当にサウスポー対策してきたのかってぐらい無策で驚きました。

    指導する側がレベルアップしないと数打っても当たらないでしょう。
    長谷川や井上のような天才的なセンスの持ち主なんてそうそう現れません。

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