
混沌としていますが、一番険しいといえるライト級、Sライト級戦線でビッグマッチが実現するようです。これはサウジアラビアとは関係がないのかな。
テオフィモ・ロペス
現WBO世界スーパーライト級スーパー王者。元WBAスーパー・WBCフランチャイズ・IBF・WBO世界ライト級統一王者。世界2階級制覇王者
アマチュアボクシング:170戦 150勝 20敗
プロボクシング:23戦 22勝 (13KO) 1敗
28歳
ワシル・ロマチェンコに勝ってボクシングの頂点に君臨したのもつかの間、まさかの伏兵、ジョージ・カンボソスJrに負けてすべてを失い、また復調してきましたが、絶対的な強さはもう感じさせません。
出てきたころは少し井上尚弥に似ているとさえおもいました。
躍動感、反射神経、爆発的なパワー・・・こういうものを備えていると王者の中でも特別だなと。
しかし慢心からか、あるいは経験不足か、日本の中谷正義との試合あたりから綻びがみえはじめてきました。スーパースター志向があるのか、ビッグマウスのわりにコンディションに波があり、圧勝することもあれば精細を欠くことも多く、最近は2階級目の王者に返り咲きはしたものの精細を欠いているとおもわれます。この人の特徴は反射神経とパワーなのでノックアウト出来ない試合は冴えないです。
シャクール・スティーブンソン
現WBC世界ライト級王者。元WBO世界フェザー級王者。元WBC・WBO世界スーパーフェザー級統一王者。世界3階級制覇王者。リオデジャネイロオリンピックバンタム級銀メダリスト
24勝 (11KO)
28歳
階級が違うので妄想でしかないが、井上尚弥ですら負ける可能性があるとしたらこの人だなぁとおもわせるディフェンスの達人です。プロでクリーンヒットを打たれたり効いた姿が記憶にありません。遠距離はもちろん、接近戦、ロープ、コーナーに追い込まれても、それは追い込まれているのではなく引き寄せているだけで全てを遮断し自分だけ当てていきます。メイウェザーよりも難解な気がします。打たせず打つに特化し、効率を重視しているので試合はやや眠たい、判定が多いですが、実力差があるとノックアウトします。
個人的に本当に観たいのは、シャクール・スティーブンソンはライト級のままで
VSアンディ・クルス(まだ王者ではなく知名度が足りない)
VSジャーボンティ・デービス(刑務所か罰金)
VSアブドゥラ・メイソン(新王者になったばかり)
など、ライト級の面々ですが、様々な事情で折り合いません。
Sライト級もレベルが高く
リチャードソン・ヒッチンズ(ビッグマッチやる気があるのか、人気不足)
ゲイリー・アントワン・ラッセル(アンディーとやるのか、人気不足)
サブリエル・マティアス(ドーピング、スタイル的にシャクールには勝てなそう)
それぞれ事情があります。
それらを考慮すると
シャクール・スティーブンソンVSテオフィモ・ロペス
の試合は考えうる最高の激熱カードと言えます。
パンチを当てることが出来なければテオフィモ・ロペスの勝利は絶望的ですが、ロペスがロマチェンコに勝てたのはフィジカルパワーでの威圧なので、再現出来れば一縷の可能性があります。勝利するにはリチャード・コミ―と戦った時のようなキレキレのコンディションを作ることです。
やっぱり自分はシャクール・スティーブンソンが一発も食わずシャットアウト勝ちを予想しますが、相手は階級が上でパワーがあるので、一発でも食えば終わりでしょう。そんなシャクールの反射神経の極限もエドウィン・デ・ロス・サントス戦で知りました。同じくらいの能力の相手で全く触れ合うことがありませんでした。
当たればロペスに勝機があるが、一発も食わずにシャクールがシャットアウト、完全に見切ればノックアウトもある、そんなイメージです。
互いにまだ28歳と若いですが、引退宣言もしたことがある同士、巨額を稼いだら辞めてしまいそう、敗者に現役続行はないかもしれないメガマッチです。



