スコットランド、グラスゴーでの統一戦。
統一戦とはいえ、他団体王者の方が強そうだとおもっていますが、(つまりはクロフォード)別の意味で注目していました。なんといってもアウェー2連戦、小原を強烈に沈めたトロヤノフスキーを秒殺したインドンゴのベールが知りたかったからです。
前試合でも、リッキー・ハットン率いるキリル・レリクが勝っていたとおもっているので、バーンズよりグラズゴーという場所こそが本当の敵だとおもっていましたが、結果は
(3対0/120-108、119-110、116-112)
のユナニマスでインドンゴが王座を統一。
その実力が本物であることを証明してくれました。
https://youtu.be/rY9CzFvbjOI
試合内容を見ると、点差は開いているものの、ダメージは両者さしてなく、バーンズがブロック以外何もできなかった、彼にポイントつけようがない試合でフルマークが現実的といえるものでした。点差だけならクロフォード戦より一方的かな。
インドンゴは、大柄で手足が長く、長いパンチをビュンビュン出してくるので、非常にやりにくいのが特徴で、精度や接近戦は大味、トロヤノフスキー戦ははまっただけで、やや出来すぎでしたが、あの試合の初回の印象のままに12ラウンドとばしきった感じです。これで運動量が豊富だから厄介です。バネや威力もありそうで、直撃したらたまらないから相手は何もできないのでしょう。
バーンズがかみ合わない相手に無策な攻防分離ボクサーというのもありますが、インドンゴは強いというよりとてもやりにくいボクサーだな。日本にはまずこんなに距離の遠い、よく動き踏み込んでくるタイプは身体能力的にもいないです。普段ガード出来てるような状況でもそれをブチ抜いてくるような伸びがあるので、トロヤノフスキーもモロ食いしたのでしょう。
まずは、ホームでの試合など不可能なインドンゴの勝利を祝福したいです。世界で最も差別的な判定の出るグラスゴーでの勝利、もう34歳と高齢ですが、運動量豊富で見事でした。
けれどやはり、アフリカン的で身体能力に頼った大味なボクシングです。ライト級になると小柄でスピーディーでハイテクなタイプと180センチクラスでリーチも長い大柄な選手と対極に分かれます。
リナレス、マイキー、ロマチェンコあたりが人気も実力も先行している気がしますが、彼らとは非なる体格の持ち主達、
インドンゴ、イースター、ベルデホ、バルテレミ、先日紹介したホープのライアン・マーティンなんかもデカかった。こういう勢力との組み合わせも非常に興味が沸きます。
マイキーやロマチェンコなら、遠く、深すぎるインドンゴでさえ懐に入って容易に追い詰めていくんだろうか?
よく考えるとインドンゴは一階級上、クロフォードの階級でしたか、近い将来、ロシアのケンカ屋、セルゲイ・リピネッツ戦でしょうか?対極でとても興味深い組み合わせです。
とにかく、まずはインドンゴ、難関のグラズゴー攻略、おめでとうございます。