クロフォードに勝った男/ヨルデニス・ウガスVSショーン・ポーター

いわゆる王道の日陰の実力者。誰も好んでこの男とは対戦したくはないだろう。本来スペンスの指名挑戦者であったが、今さらウガスとやっても何も残らないとスペンスに嫌われた。しかしウガスは五輪メダリスト、アマ世界王者にして、テレンス・クロフォードに勝っている男なのだ。この賞味期限の切れかけた勲章に輝きを取り戻すべく奮闘を期待している。

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ウガス
「100%俺のキャリアの集大成の試合だ。これが世界初挑戦だ。9歳の頃からはじめたボクシングでいつも夢見てきたものだ。オリンピックも大きなものだが、それはアマチュアです。過去のことです。プロの世界王者、それ以上のものは何もない。俺はアマチュアなのかプロなのか、それは明日わかります。肉体的にも精神的にも準備は万端だ。ウェルター級でベストの一人である事を、ショーン・ポーターより優れた選手であることを世界中に示します。」

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ヨルデニス・ウガスは2017年初頭に、次に対戦するショーン・ポーターとラスベガスでやったスパーリングを思い出す。共にラスベガスに住む男同士のそれは”ショータイム”と呼ばれた。

ウガス
「それは4ラウンドの軽いスパーリングでした。レバン・ガバミチャバ戦前の調整でした。本番のように激しいものではなかったけどね。」

32歳のウガス(23勝11KO3敗)は最近9連勝5KOで31歳で2回目の王者のショーン・ポーターに対して世界初挑戦をする。ウガスは元北京五輪銅メダリストです。

ウガス
「プロでのキャリア構築は大変でした。プロ9年目でやっと夢がかなった。やっと掴んだこのチャンスに勝利以外は考えていません。」

ウガスはアマチュア時代にプロの世界王者である、テレンス・クロフォード、ダーレイ・ペレス、フランシスコ・バルガス、カビブ・アラクベルディエフ、ホセ・ペドラサ、ジュリアス・インドンゴ、サダム・アリらに勝っている。

プロではスーパーライト級からウェルター級超で戦ってきたが、2014年に当時無敗のエマニュエル・ロブレスとアミール・イマムに負けた。

ウガス
「私は五輪のメダリストでありアマチュア世界王者でした。その実力を示すつもりだし、この試合で私が只者ではない事を証明する。」

ウガスは直近の試合でトーマス・ドゥローメにスプリットで勝ち、挑戦者決定戦でセサール・ミゲル・バリオヌエボにユナニマス判定で勝って挑戦権を獲得した。当時無敗のジャマル・ジェームスやブライアント・ペレーラやホープのレイ・ロビンソンらにも勝利している。

ウガスにはエロール・スペンスへの挑戦権もあったが、スペンスがマイキーと戦うためにポーターとの試合が指令された。

ウガス
「WBCがポーターとの試合を組んでくれてうれしくおもいます。自分のスタイル的にはとてもいいマッチアップだ。最高のチャンスです。ポーターは退屈な試合をしない偉大な王者であり、私のスタイルもまた純粋に攻撃的なものです。ポーターはとてもアグレッシブなファイターだけど私も同様にウォリアーですから戦争になるでしょう。200%の準備と200%の余力を持って臨まねばならない。

ジャッジは気にしていない。互いにラスベガスの選手だからフェアだと信じている。ポーターが攻めてくることはわかっている。自分の仕事に集中し、勝利の夜に酔いしれたい。皆をあっと驚かせてみせます。」

プロ9年目で32歳ならまだ間に合う、アマチュアの最高峰レベルが苦節を経てついに世界タイトルまでこぎつけました。キューバのトップアマが世界戦までに3敗しちゃうと普通ならもう終わりですが、夢を諦めずよかったです。しかしキューバ人の本当の年齢は実はよくわからん。ウガスももっと高齢にみえる時がある。

アマではテレンス・クロフォードや今でもバリバリのロニー・イグレシアスに勝っている格上選手ですが、そのスタイルは極めてオーソドックスで怖いほどの爆発力はありません。スピードやパワーも普通で淡々とクロスゲームを勝ち抜くような地味強なスタイルなので、プロではいくつかの際どい試合を落としてきたのだろうか。やはり、キューバのトップ選手にもプロ向きとそうでないタイプはいます。

勝ち味がやや遅い。だから、駒は進めてきたものの、SDとかモヤモヤしないファイトも含まれてしまう。立場上どうしても判定で有利な選手ではない。

課題は、ポーターの野生的で力強くエネルギッシュなアタック、言い方を変えればラフでダーティーなファイトにどう対抗するかだろう。判定はフェアだろうから気にしないと言いますが、やはり判定だと派手さや人気で不利になる。

スペンスに挑むよりもラッキーなタイトルマッチを掴んだ以上、ここはポーターを上手く捌くだけではなく、打ち勝って圧倒する、倒すくらいの意気込みで究極のファイトをしないと突破できないだろう。

接戦で悔しい涙を流すくらいなら、初回からポーターのお株を奪うくらいのエンジンで悔いなきファイト、白黒はっきりつける大勝負をして欲しい。

クロフォードに勝った男という勲章があるのだから、王者になればその価値、株はグッと上がるはずだ。

ちなみにショーン・ポーターは大昔、アマでオレクサンドル・ウシクに勝っている。
ウシクに勝った男っていうのもまた面白い。

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