野獣死すべし/エロール・スペンスJrVSマイキー・ガルシア

両者の声追記、さらに追記
3月16日、日本時間17日だから、田口VS田中戦に続く豪華な日々となる。ボクシング界的には上半期のひとつのハイライトか。選手のコメントや近況あれこれは今後も継続、追記していこうとおもうが、事前に準備しておこう。マニアの本心は階級の壁を越えないで、スペンスVSクロフォード、マイキーVSロマチェンコが究極決戦なのだが、マイキーは無敗の5階級制覇、伝説を求め、40連勝の節目に巨大な敵にたち向かった。

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大は小を兼ねる(大きい者が小さき者を制す)ということわざにあるように、スポーツの世界では特に身長や体重が大きな利点となる。週末のエロール・スペンスJrVSマイキー・ガルシアもこの経験則に伴って、オッズではマイキーに100ドル賭けると251ドルの換金が期待されている。

NFLのダラス・カウボーイズの本拠地、テキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアムで行われる無敗同士のこの決戦は実際よりも掛け率は拮抗している。ここはスペンスの地元に近いと言えるが、メキシコやメキシコ系アメリカ人の多くがマイキーを応援しているからだ。

それでもマイキーのファンは民族的な誇りだけに左右されているわけではない。大きいからといって素晴らしい選手に勝てるわけではないと信じているからだ。マイキーは現役の世界ライト級王者であり、無敗の4階級王者である。

2階級を超えて彼が世界最高峰のウェルター級に挑戦する勇気が称えられている。スペンスはウェルター級統一の野望が叶わないため、名のあるマイキーの挑戦を受ける。

スペンス
「キース・サーマンやテレンス・クロフォードが名乗りを上げてくれればいいのにね。(彼らは逃げる。)マイキーのような偉大なファイターが俺を指名してくれて本当に感謝しているよ。試合の実現は本当に容易だったんだ。互いがサインすれば簡単に実現する。いいマッチメイクだ。」

スペンスのトレーナー、デリック・ジェームズはスペンスが身体的な優位性以外で勝つと言う。マイキーがスペンスのスキルを引き出してくれるであろうと。

デリック・ジェームズ
「この試合でスペンスはスーパースターとしての地位を確立するだろう。SNSでは騒がれてきたけど推測の域を出ないものだった。今はアンソニー・ジョシュア、カネロ・アルバレスが最も金を稼ぐファイターだろうが、スペンスがそこに加わるよ。」

現役の王者、元王者などがリップサービスでスペンスの名をよく出すが、実際の取引で役に立つものではないとスペンスは言う。実際にスペンスが王者に挑戦するためには、アウェーの英国に出向く必要があった。米国の誰もがスペンスの挑戦を受けたがらなかったからだ。

デリック・ジェームズ
「トレーナーは皆完璧なファイターを手に入れたい。エロールには長所ばかりで欠点がない。最初はエロールの欠点を探して修正するところからはじめたくらい彼は盤石だ。今となっては爆発的な攻撃をするためのディフェンステクニックも身に着けた。彼は完全パッケージだ。」

マイキー
「スペンスはウェルター級で最強だ。そんな男に自分は声明をだす。ベストに対してやらなければならないことがある。俺は全体的にスペンスより優れていると信じている。スピード、ディフェンス、タイミング、負けているのはサイズだけだ。彼に勝つ十分な要素がある。リングに上がるまでは誰もが小さな俺を見くびっているが、試合がはじまると目の色が変わる。」

スペンス
「AT&TスタジアムでNFLの観戦をしたり、パッキャオやカネロの試合を観ていた。この舞台で試合できる事にエキサイトしている。100%集中し準備もOKだ。ファンを感動させる大きなイベントにしたい。

マイキーとの戦いはクロスオーバーファイトだ。(異なる要素同士がジャンルやストーリーなどを越えて交じり合う事)彼は俺にとっては今までで最大のビッグネームだ。俺のキャリアにとっても重要なんだ。マイキーを過小評価していない。シェイプしてスリムな姿で試合に臨もうとおもう。

俺を知っている人なら退屈なファイトをしない事はわかっているだろう。相手を殴り続け、怪我をしたとしても攻撃の手を緩めない。エキサイティングな試合を意識している。無敗で評価が高いと言われているけど、それに恥じぬよう自分自身にプレッシャーをかけている。いつも相手を残酷に倒すからなかなか対戦相手が決まらないんだ。」

マイキー
「多くの人が体格差のある無謀な挑戦だという。俺の小さな体をみて甘く見るんだろう。でもリングで対するとみんな目の色が変わる。スペンスとずっと戦いたかった。彼はウェルター級最強だ。ベストに対して証明すべきものがあるんだ。自分の方が優れたファイターであると信じている。フットワーク、スピード、ディフェンス、タイミング・・・これら全てが勝利のカギとなる。劣っているのはサイズだけ、身長と体重だけだ。

ずっとスペンスに勝てると言ってきた。色々な戦術、シミュレーションがある。スペンスも自分も得意な距離があり、俺と戦い方は似ているが、全てにおいて俺の方が優れていると信じている。それこそが俺が賭けているものだ。」

デリック・ジェームズ(スペンスのトレーナー)
「スペンスはハングリーなんだ。すごい能力を持っている。調整も順調だ。彼の試合は強すぎて一方的なものばかりだ。誰が相手でもそうだ。今回もそうなるんじゃないかな。素晴らしいトレーニングキャンプをしてきた。エロールも私も準備が出来ている、自信がある。マイキーが何をしてきても勝利の答えを導き出すよ。」

ロベルト・ガルシア
「4階級を制したマイキーには多くの世界戦の経験があるが、この試合が最大の課題だろう。素晴らしい準備をしてきた。スペンスは恐らくリングでは大きく、重い男になるだろう。しかしそれでマイキーよりクレバーになれるわけじゃない。

特に序盤でスペンスの狙い、特徴を確かめるためにスキルを駆使して慎重に戦うつもりだ。でも打ち合いになったら臨むところだ。」

今までずっと、いや今も、スペンス有利だと考えてきた。マイキーが無敗のままSライト級を制しても、スペンスより背の高いロバート・イースターに勝ってもその想いは変わらなかった。KOはおろか、相手を効かすこともできていない。判定勝利がやっと。スペンスはウェルター級の中でもトップ評価で、五輪代表のスキルに加えて相手を飲み込む、潰すようなパワーファイトがある。ウェルターでナンバーワン評価、P4Pにも名前が出るのは対立王者と比較して体格、パワーが抜けているからだ。リアルウェルター級の凄みがあるのだ。そんなスケールの大きなウェルター級に元々フェザー級上がりの小さなマイキーが挑む。無謀だ。

しかし、アンダードッグマニア、不利な方を応援したくなる自分は、スペンスの死角探しにボンヤリ散歩していたところ、あるヒントを見つけてしまった。

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ロンドン五輪3回戦、スペンスの相手は金メダルをとるセリク・サピエフ。アマでは格上の絶対的名選手。スペンス自身、アマの世界の舞台ではメダルまではいってないので敗北、取りこぼしもあるが、このサピエフだけには歯が立たなかった。2戦2敗である。

この試合を観るとまずスピードでサピエフに翻弄されている。
体力、パワーのあるスペンスは相手の懐に飛び込んで重いフックやボディを当てていきたいが、その前にジャブや前手で捌かれてしまっている。踏み込んでも軽いパンチを合わされてしまって手数、回転力、スピードで翻弄されている。インでもアウトでもサピエフの身のこなしに遅れをとってしまっている。

サピエフ自身がアマスタイルの極みであるし、体格も互角、サウスポーという違いはあるが、ヒントにはなる。
マイキーの正確無比なジャブだ。このジャブが体格差を克服しスペンス相手に機能するようだと、アウトでマイキーのジャブが邪魔なスペンスは、独特のリズムとプレッシャーで距離を潰してマイキーに圧力をかけてくるだろう。そこにこれまたマイキー得意のブレないショートカウンター、あるいはここでもジャブ、ジャブ、ジャブ。

とにかくマイキーのジャブは無駄なく正確なのでこれがスペンス攻略の鍵になりそうだ。さらには手数、回転力、打ち合う必要はない。うるさくコンパクトに手を出してスペンスを忙しくさせたい。スペンスの一発に3発はチョコチョコ当てたい。潰しに来るスペンスにカウンターを合わせるだけでタイミングのダウンがとれるかもしれない。

無駄な動きの一切ないマイキーならサイズの違いはあってもこのサピエフのようなファイトは出来る気がする。スペンスより速く、最短距離のジャブを突き、圧力を逃がす、利用する、こうしたファイトができればマイキーの勝利の絵も浮かんでくる

というのが今の見解だ。

スペンスが勝つのであればやはりパワー差、体格差、プレッシャーが機能しての潰し勝ち、ノックアウトだろう。
パワーもプレッシャーも違うが、マイキーとしてはロバート・イースターを下したファイトスタイルの発展形でいいのだろう。

得体の知れない強さ、怪物性を感じるスペンスの評価が高く、予想有利なのはわかるが、査定試合が少なくてこの男の全貌はイマイチわからないところもある。スペンスより明らかにマイキーのリズムが速い、ジャブが冴えわたる、となれば、マイキーの完勝もあるかもしれない

という予想というか、期待に変わってしまいました。

まぁ、どうすればこの体格差、パワー差を克服して勝てるかなという見方をしているのでこうなっちゃっただけですが・・・

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https://www.youtube.com/watch?v=PO5fPhnQPQ0

https://www.youtube.com/watch?v=ntxk5mjzJV0

今後も試合当日まで妄想を繰り返すことになるだろう。

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