タクティクス/エマニュエル・ロドリゲスの戦術

井上尚弥に対するエマニュエル・ロドリゲスの戦術、なるほど信じていい気がします。それが出来るか修正を余儀なくされるのか、ロドリゲスは万能だがアウトボクサーではない。ショートレンジでの攻防、カウンターが巧みな技巧派だ。

極めて才能豊かで無敗の世界王者であるにも関わらず、エマニュエル・ロドリゲスは井上尚弥に対しては大きなアンダードッグとみなされている。

5月18日に行われるWBSS準決勝は、昨年5月にポール・バトラーからタイトルを奪ったロドリゲスの2度目の防衛戦だ。

世界王者になるという目標を達成したロドリゲスはWBSSに参戦した。70秒で初戦をクリアした井上尚弥に対し、ロドリゲスは指名挑戦者であるジェイソン・モロニーにスプリット判定勝利とかなり苦労した。

ロドリゲス
「モロニー戦のパフォーマンスには満足している。でも今回は今までとは違うトレーニングキャンプをしてきた。ウィリアム・クルスという新しいトレーナーの元、全く別のトレーニング、準備を重ねてきた。モロニーは私に王者としての貴重な経験をもたらしてくれた。でも井上尚弥はモロニーよりも優れたファイターだと確信している。全く別のタイプの相手だと考えて準備してきた。」

火曜日のメディアワークアウトにギリギリ間に合い、水曜の最終記者会見に臨んだロドリゲスはとても穏やかで謙虚な姿勢をみせ、キャリア最大のテストを前に自信に満ち溢れていた。

ロドリゲス
「体重も整えてきた。トレーニングキャンプも素晴らしかった。キャリア最高のコンディションだと感じている。井上はとてもハードパンチャーだからタフな試合になるだろう。今まで誰もできなかったが、俺は井上を押し込んで後退させるつもりだ。」

その戦術は自殺行為だという者もいるだろう。しかしロドリゲス(19勝12KO)は輝くリングの中で何をすべきかわかっている。それはごまかし、ハッタリだろうか?試合で明らかになるだろう。ロドリゲスは真剣にみえた。確かに井上に対してバックステップを踏むのは勢いを与えるだけだと過去の試合が示している。

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身長はロドリゲスが高いがリーチは井上尚弥の方が長い。(大事な要素ではないが)井上尚弥のジャブはストレートのごとく強く、踏み込みも速い。ロシアンフックのような大砲も持っている。元々距離が同じテクニシャン同士の技術戦になると大橋会長も言っていた。

井上に対しプレスをかけ、今までと違う、やりにくい、考えさせない状況を作り、ショートレンジの攻防の中でイニシアチブを握るというのが常識的に考えても納得だ。ロドリゲスはかなりのテクニシャンだが距離の長いアウトボクサーではないしパンチが伸びるタイプでもない。

井上の土俵には立たない、好きにさせない展開を作ることが戦術なのかもしれない。ロドリゲスは過去にスーパーバンタムを経験しているし、モロニーに至ってはフェザー級も経験していた。

タイソンに対してホリフィールドが選択した戦い方で来るのではないか?

ウィリアム・クルスという新しいトレーナーと書いてあるし、フレディ・ローチはバランチェクとばかり映っているし、実際はどうなっているのかわからない。ローチは関係ないかもね。

さすがに自信、肝が据わっている。
ハッタリ?じゃないよね。
問題はそれを実行できるかどうかだ。

今のところ個人的妄想はショートレンジで疲弊したロドリゲスが下がったところにボワイヨ戦の最初のダウンのような左フック炸裂か、ボディで決着か・・・だな。

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コメント一覧
  1. ロドリゲスの2010年辺りのアマの試合も見てみました。ロドリゲスはかなり上半身が柔らかいように思います。井上のジャブを左右に避けてカウンターを狙ってくるでしょう。もちろん井上陣営も把握してるでしょうが、ロドリゲスはその道のスペシャリストです。井上が今まで戦ってきた誰よりも鋭いカウンターをうってくるでしょう。あのサイドの動き、上半身の柔らかさは一級品ですね。かなり前のアマ時代の映像でも動きが一目でわかるぐらい違いました。井上は河野戦でもコーナーで足が止まってガードするだけなど、追い詰められた時の守備に問題があるように思いました。ロドリゲスほどの精密なパンチ相手に足を止めてはいけませんね。過去のスパーでもセルバニアのアッパーを貰っていたので、コンビネーションの中で組み込んでくるロドリゲスのアッパーには要注意しないといけませんね。

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  2. 井上有利で間違いないとおもいますが、日本のメディアで紹介される賞賛等は一部切り取りの捏造だから惑わされないで観戦したい。

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  3. 何回か試合を振り返りましたが、
    パンチ力以外のフィジカルはロドリゲスが上に見えます。井上の体幹を活かしたパンチを出せない距離で戦うことを、12ラウンド遂行出来る力があると考えます。

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  4. 尚弥さんは倒すことにこだわりを持っているのでスキができる。
    ロドリゲスさんは勝てばいいので前に出て距離を潰してコンパクトに当てる。
    軽いカウンターをもらってロープに詰まったところを英国のレフリーが早く止めちゃう。
    って事しか負けるところが想像できない。
    試合で価値を上げることを考えている人と勝つことだけを考える人の対戦だと
    内藤大輔さんと亀田興毅さんの試合を思い出す。
    こういう試合は勝ちに徹したほうが勝っている印象があるがさてどうなる?

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  5. シントロンまで考慮してくださって、貴殿はマニアすぎますね。
    ロドリゲスの今までの相手、モロニーと比較しても井上のオーラ、パワーは耐えきれないとおもっています。けれど井上自身の耐久力も対応力も全く未知数です。

    よもやの被弾からのラッシュや事故的な不可抗力以外に負ける要素は皆無だとおもいますが、英国で日本人が結果を出したことはないし、帝拳でさえ浮足だつ海外なので、不安要素といえばそこだけです。

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    • いえいえ、私など。プクーさんにご紹介いただいたものを参考にさせて頂いて興味が湧いたら少し掘り下げてる程度です。バンタムに移行してからというもの井上が進みたい方向に道が開けていく流れの様なものを感じています。不安要素も彼なら、、そう思いたいですね。

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  6. パワーが違うので井上は河野戦の戦い方でいいと思ってます。
    硬く重いジャブで近づけさせない。相手のパンチを外して左ボディ。
    ロドリゲスにまっすぐのパンチは感の良さとスリップで外されてしまうので
    やっぱり今回の試合の鍵は左なのかな。
    自分もダウンを取るなら左ボディかフックだと思います。

    ロドリゲス側から見れば外しさえすればなんとかなるという
    算段だとは思うのですが、マクドネルの巨体を吹っ飛ばした井上のパワーに
    正面から向かっていくには技術よりもむしろハート、心の強さが問われるかと。

    それにしてもこのフェイスオフの写真、いいなぁ。この絵をずっと見たかった。

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  7. シントロンとロドリゲスのアマ時代の試合は見れてないのですが、シントロンの動画を見るにロープの端から端までバックステップで素早く逃げれるくらい移動が長くしかも俊敏でフットワークがいい(格下相手なので正確かは?)印象なんです。そして近寄るとかなり連打が出ます。想像するにロドリゲスはあまり追い足がある方ではないし、カウンターの間合い以上に接近されるとブロッキングに移行しますので、そこをシントロンにまとめられ、凄い勢いでバックステップして逃げるを繰り返したのではないかと想像してるのですが、何方か見られた方おられますかね?これなら井上にも出来そうな動きだなと。まぁ井上にはそんな必要ないのかもしれませんが。

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  8. 井上は相手に打たせたりブロックで凌いだり横着するところもありますからね。

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