栄光の架橋/井上尚弥の夢の旅

戦争のあとの静寂、昨日の世界戦などなかったかのような井上尚弥フィーバーで沸いている日本です。ここも私の記事よりコメントの方が盛り上がりました。

デザイナークールだな、流石や・・・

WBSS優勝と共に、噂通りトップランクと契約した井上は今後は海外2試合、日本1試合を予定しているそうです。しかしまずは骨折等重症であったといわれる怪我の治癒に専念して欲しいものです。右眉のカットが慢性化しませんように。その他、単なる怪我だけで深刻なものがありませんように・・・

ツイッターか何かの海外記事で、今後井上との対戦が見たい選手として出されていた選手が私の気持ちと同じだったので軽く触れておきたいとおもいます。魅力的な選手がいるのに対戦がなかなか実現しないスーパーバンタムもいいですが、バンタム級も十分魅力的です。

ルイス・ネリー 30勝24KO

まず海外(アメリカ)ではこの男が真っ先に出てくるのは仕方のないことです。
日本では薬物疑惑が一生拭えないいわくつきファイターですが、本場ではボクシング界トップに君臨するカネロでさえ同様ですから、巨大ビジネスになるのであれば灰色のまま事は進むだけ。

日本開催はないですが、アメリカでビジネスとして成立するなら避けては通れないのかもしれません。しかしネリーにはロドリゲス戦や、順当ならウバーリとのタイトルマッチがありますので、その動向次第です。

本音ではロドリゲスが勝つだろう、いや勝って欲しいと願っています。

ネリーで不気味なのは、井上の方が速い、短時間でパヤノを粉砕した、問題ないという確信がある一方、最近のネリーは時間はかかろうが、効いたところが全くない、どんなパンチでも当てれば相手は問答無用で倒れるというのがあります。決して打ち合いにはならず一方的に倒して終わりです。

マックジョー・アローヨはまだ余力がありましたが、これはヤバい、壊されると感じて棄権しました。ああいうのはなんか異常に感じます。究極の本音は、「ドーピング野郎とはやらん方がいい」です。

残念ながらメキシコは「牛肉」を免罪符にそういう文化があるようです。最近も2人が引っ掛かりました。(レイ・バルガス、フリオ・セサール・マルチネス・・・マルチネスの強打者ぶりはいわゆるそういう事なのだな)

ゾラニ・テテ 28勝21KO3敗 31歳

https://www.youtube.com/watch?v=KBuQLdXy52M

「俺とやらないと本当のキングじゃない」「井上はドネア戦で我々に弱点を晒した」など強気な発言で日本のメディアに登場するテテさんですが、本当はもうちょっと謙虚です。「私もWBO王者という存在だからバンタム級のベストというなら私と戦って欲しい、でも自分はまずカシメロという義務を果たさねばなりません。」「ドネア戦で井上も無敵の怪物ではないことがわかってほっとした」そんなニュアンス、WBSSでは井上にポテトチップスをくれたいい人です。

11月30日のジョンリエル・カシメロ戦が重要です。順当ならテテでしょうがブランク明けですし、カシメロにはテテを倒すスタイルがあります。というかカシメロはフィリピンの元祖怪物君、野蛮なノックアウトパンチャーです。KOすることだけがテテに勝つ道です。

これを鋭いスナイパースタイルで圧倒するならテテは脅威でしょう。しかしドネアがあんなに強かった現実を見届けるにつけ、準決勝は対戦してもドネアがテテに勝っていたかもしれません。辞退はラッキーだったのかもしれません。

テテの場合、遠距離のスナイパー、スタイルマッチになることがわかりきっているので見どころは食うか食われるかだけでしょう。テテに勝てばカシメロも候補になるのかな。

ギジェルモ・リゴンドー 19勝13KO1敗 39歳

12/7に行われるリボリオ・ソリス戦はスーパーバンタムではなくWBAのバンタム級であることが明らかになりました。フリオ・セハに勝ち、レイ・バルガスへの指名挑戦権を獲得したのは何だったのでしょうか。井上もドネアに勝ってWBAの正規王座が正式に空きました。(何が正規じゃスーパーじゃ)

リゴンドーにとっては、恐らく日本で天笠とやった試合が最高のおもてなしだったのだろう。もう一度日本で、今度はミリオンマッチを最後のキャリアにしたい、という気持ちはわかります。ドネアに勝ってもブレイク出来ず、ロマチェンコには散々な目にあった。アマチュアの頃から自分の階級であったバンタム級が一番居心地がいいというのは本音とも強がりともおもえます。

しかし、ドネアがもうすぐ37歳で、リゴンドーに至っては40歳なので、これとやっても井上の相手はピークを過ぎた年寄りばかりと言われかねない。リゴンドーは井上とのビッグマッチに真剣でこの少ないチャンスに賭けているだろう。40歳でダメージなく、バンタム作れるのは異常な節制です。ピークのドネアに勝ったリゴンドーはやはり無視されたレジェンドです。

エマニュエル・ナバレッテ 29勝25KO1敗 24歳

こちらはスーパーバンタム級で今年ブレイクした新しいメキシコのスター。12月にまた試合をするそうです。個人的にこの男が一番不気味です。大柄な変則で、ライト級並の底なしの体力がありそうです。

フィジカルが尋常ではありません。技術的にはスローだし大振りだし、変則規格外ですが、メキシコにはこういうファイターが出てきます。よく言えばサルバドール・サンチェス、悪くいえばビクトル・ラバナレス・・・

しばらくはこの男がどれだけのものか見届ける必要がありそうです。2020年の対戦はないだろう。サンタクルスやバルデスよりガチ強いのでは?

その他、現在2冠の井上には、指名挑戦義務もあるわけで、WBAはリゴンドーVSソリスの勝者ですが、IBFにはマイケル・ダスマリナスなんかもいます。WBAは大人の事情、金でルールなんてあってないようなものですがIBFはわりと厳格なので義務を果たさねばはく奪もあります。

https://www.youtube.com/watch?v=AypnYrxAuHM

IBF2位にはトップランク一押しのジョシュア・グリーです。井上のアメリカデビュー、お披露目にはもってこいかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=4TFsQ2P6eqw

色々な選択肢がありますが、遂に井上尚弥は対戦相手が逃げる、見つからない状態から、誰からも対戦を志願される存在になりました。100%完全に怪我を直し、ボクシング人生の新たなステージで羽ばたいていただきたい。

井上尚弥が歩む道はかつての日本人がだれも到達しなかった前人未到の領域です。
これが本当の世界ボクシングです。

ドネア戦で井上やボクシングを初めて知った方には、ココを強調したいです。

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コメント一覧
  1. 「これが本当の世界ボクシングです」と書かれている件について。
    先日のプロフェッショナルで語っていましたが、井上尚弥選手は、自分がプロになったばかりの頃のボクシング界が嫌いだったそうです。それはチャンピオンが、勝てる相手を選ぶマッチメイクしかしていないから。そんなものはボクシングとは言えないと。(ある兄弟ボクサーの顔が思い浮かんだ)
    だからこそ、所属ジムの条件として「強い相手とのマッチメイクすること」を課したそうです。

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  2. ネリというかメキシコ勢とやるにはWADAの検査が必須。
    というかWBCのベルトが薬物汚染でパンデミック状態なので廃棄すべきかと。

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  3. 目の怪我もあるし初戦はグリーでいい気がする、井上に勝てるとは思えないけど産まれてすぐ父親が殺されたり仲間のボクサーも射殺されたり刑務所に入ったり日本ではまずいないハードな人生を送ってるから地元でやるなら本人もやる気満々だろうから意地を見せてくれそう。

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  4. 「ドネア戦で井上も無敵の怪物ではないことがわかってほっとした」
    やっぱビビってたんですね。つか2Rから目が折れたまま戦ってたってほっとした時はまだ知らないんだろうな(笑)

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  5. 井上尚弥の視覚は戻ってるのかなぁ?? あやしいなあ。それも1か月の自然治癒待ちかもなぁ。

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  6. よく言えばサルバドール・サンチェス、悪くいえばビクトル・ラバナレスかぁ!

    ナルホドぉ、、、言い得てますね!!

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  7. 井上は超接近戦ファイターに転向して欲しいな。
    前進して相手に頭を付けてボディー打ち。
    相手が下がればひたすら追いかけてロープに詰めてボディー打ち。
    相手としてはたまったもんじゃない。
    KO勝ちか棄権しかない。

    外国人はボディーが弱点

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  8. 関係ない話だけど、なんで日本人で唯一ドネアと戦ったことのある西岡が、今回の試合前にテレビやネット記事のインタビューとかで一度も見なかったんだけど何でだろうなあ。もう解説にもあまり呼ばれなくなったね

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  9. 井上は戦い方変えてほしいけどねえ。ドネアの顔のボコボコは左ジャブのダメージだと思うんだけど、内山パターンで、ジャブで前半はなぶり殺してダメージ蓄積させてから後半フィニッシュすればいい。内山と違って、強引に入ってきてもカウンターも打てるんで、もう無敵状態になると思うけどねえ

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  10. 井上は確かに強いが鉄人クラスだと妄想してるのでは?上の記事に上げただけでもバンタムにいい選手はたくさんいるし対戦して結果をだしたらいいと思う。

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  11. 検査に引っかかったから異常扱いされてるけど、パンチ力も打たれ強さも普通にドネアや井上の方がおかしいよなってのが個人的な感想です。

    あの打たれ強いパヤノを倒したっつっても井上に70秒で負けてますからね。杉川さんが昔言ってましたが、井上戦の時点でパヤノは既に衰えていて全盛期の動きからは程遠い状態でした。
    そのパヤノを攻撃を捌いて9Rかけて倒したネリが取り立てて強くないって言う評価をされるのは仕方ない気がします。

    ただ、現役バンタム級の中ではパンチある方っていうのは間違いないので、他の選手よりは井上を倒すチャンスがありそうってのはあるし、何よりアメリカで人気を得ていますからね。
    ラスベガスで試合してこそ本物だって言うなら避けて通れないのでは?
    デラホーヤやパッキャオも石膏バンテージのトリニダードやマルガリートといった灰色連中と凌ぎを削ったわけですし。

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    • 早いラウンドとかはマジ関係ないしパヤノは王者になったのも遅く、そんなに劣化してないから。

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    • スーパースターになるのであれば、避けて通れないという点は同意
      ネリだけでなくメキシカンは、平たく言えば多少ドーピングしててもオッケーという暗黙の了解が作られつつある
      そんなネリと、井上に負けたパヤノやロドリゲスはやり合うのだから、井上が逃げるわけにはいかないだろう

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  12. >取り立てて強くもないネリがもてはやされるくらいのレベル

    その根拠は?
    12度防衛の山中が破壊され、その後もノーダメージで圧勝続き。
    シロとはおもってないけど試合内容だけは強いんでは?

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  13. いつも言ってますが今のバンタムは取り立てて強くもないネリがもてはやされるくらいのレベルですよ。
    バルガスやサンタクルスでさえネリやテテとはレベルが違うと思っています。
    お金のためにならバンタムで稼ぐのも仕方ありませんがやはりここは強いものを求めていく本来の挑戦で先ずはSバンタムでローマン辺りを片付けて、最終的にはシャクールみたいなスタイルのボクサーに日本人が勝つところを見てみたい。
    統一だなんだより剥奪も辞さず誰とやったかですよね、評価の低い相手とやってる時間は無い。
    夢を見れる!それほどの逸材です。

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    • バルガスやサンタクルスはスーパーフェザーですからね。名前を出さない方がいいでしょう。

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    • サンタクルスはともかくとして、バルガスがネリやテテとレベルが違うってのはどうだろう。
      それならバルガスを手こずらせた亀3がネリやテテといい勝負するどころかあわよくば勝てるレベルだと言うことになってしまう。
      亀3は実力者だと思うけど、そこまでとは思えないな。

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    • ネリを過小評価してバルガスを過大評価し過ぎかと、バルガスは亀田だけじゃなくネグレテにもてこずってるしネグレテがネリ以上とはとても思えない...。

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    • ライトフライ、スーパーフライの時も同じようなこと言われてたし、言い出したらキリないな…
      フェザー級に行ったら行ったで、今度はロマやデービスとやらないと本物じゃないと言われるわけだ
      誰とやったかも大事だが、どんな状態でやるかも大事
      無茶をするとドネアやリゴンドーみたいになるわけで
      本人そのつもりないだろうが…

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  14. テテは井上よりもドネアと戦うべき。テテが勝ち上がってきたら幻の決勝戦、ドネアなら再戦はさらに盛り上がるし。

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