
井上尚哉VSノニト・ドネアばかりがコメントもアクセスも熱いですが、日本にとってはそれだけ注目の試合。(恐らく過去一?)であるとともに、たぶん閲覧者が若いのだろう。だからせっせとレジェンド記事を書いてもほとんど読まれない・・・レジェンドも偉大ですぞ・・・
と書いておいてもちろん私も11月7日はドキドキワクワクです。日本のゴールデンタイム、家族と一緒じゃ集中できないからホテルをとろうかというほどです。予想は多数と同じですがドネアのダウンはフェザー級のニコラス・ウォータース戦以外見たことありません。ウォータースはデカかった。そしてウォータースどこ行った?
そしてこのメインよりも遥かに厳しいとおもわれるのが、前座を務める井上拓真ではないでしょうか。彼はどんな強豪にも対応できる実力派だとおもいますが、自分のスタイルが確立されておらず、悪くいえばどんな格下でも接戦になる。まだスカッと爽快とはいかないファイトが多いです。
https://www.youtube.com/watch?v=qbV9AvytBh0
ノルディーヌ・ウバーリとポスターに書いてあったのでそう書きますが、彼の話題は皆無です。静かに闘志を燃やし、誰にも注目されずやって来て帰っていくのであろうが、彼の実力も侮れません。
ルイス・ネリーの異様なパワー
エマニュエル・ロドリゲスの華麗なカウンター
みたいな突出したものはありませんが、攻守に隙のない完成度の高いサウスポーです。どこに欠点があるのか指摘できません。アメリカではロイ・ジョーンズJrにサポートされていました。
https://www.youtube.com/watch?v=qVIVXebm5ms
https://www.youtube.com/watch?v=8qFeBLTyuo8
パ=ド=カレー県ランス出身の33歳とあるので、モロッコ系でも生まれも育ちもフランスっぽい。身長163センチの33歳という数字だけが唯一の弱みというか、限界というか・・・非常に小さいです。
アマチュア
2007年、シカゴで開催された世界ボクシング選手権大会にライトフライ級(48kg)で出場し、準決勝で鄒市明に敗れるも銅メダルを獲得。
2008年、北京オリンピックにライトフライ級(49kg)で出場するが、世界選手権に続いて再び鄒市明に敗れ2回戦敗退。
2012年、ロンドンオリンピックにフライ級(52kg)で出場し、2回戦でラウシー・ウォーレンを破ったが続く準々決勝でマイケル・コンランに敗れてベスト8に終わった。
自分より大きくて素早い選手が苦手なのだろうか。
本来ライトフライ~フライ級の体格だが、彼がゾウ・シミンやウォーレン、コンランと違うのは、なかなかにパワフルでプロ向きであることです。出入りのスピード、圧力、コンビネーションにパワーがあります。パワフルなオマル・ナルバエスのようです。
ハイレベルなアマチュアで培った技術を軸に、素早く相手の懐に入ってコンビネーション、特に相手をロープ、コーナーに詰めてのラッシュで仕留める。小柄な選手の必勝スタイル、倒すパターンは大体これです。
単なるブルファイターではなくフットワークもテクニックも反応も速く、ラウシー・ウォーレン戦では似たようなファイトを展開しました。ウォーレンよりも少しだけ積極的、攻撃的に攻めて攻略。
井上拓真としてはまずウバーリのプレッシャーにバックステップは踏みたくない。ウバーリとしても距離を支配し詰めていかないと自身のパンチも当たらぬので、前に攻めてくるだろう。拓真としてはジャブ、ボディ、カウンター、いずれもウバーリよりも速いタイミングで捕らえていきたいだろうが、技術戦で渡り合えるだろうか。
接戦になる気がするが、要所に理詰めで積極的なウバーリをポイントで上回るのは難しい。はっきり効かすか倒して勝つ必要があるだろう。
いずれにしても井上拓真は試合が少なく、リングに上がってみないと今の状態、完成度がわからない。タイミングとしては若き拓真が乗り越えるべきベテランだが、このベテランに劣化が皆無だとしたら厳しい戦いを強いられることになるだろう。
ルイス・ネリーばかりが強敵視されているが、このウバーリはじめ、テテやカシメロ、その他、まだ底がみえないバンタム級は数人いる。井上拓真自身もその一人であり、現時点での評価は一番低いとおもうから、リングで証明してみせる必要がある。
それにしても久しぶりの試合だ。
久しぶり過ぎが仇になるのではないか。
化ける可能性、そうじゃない可能性、両方だ。