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帰ってきた父の背中/アンドリュー・カンシオVSアルベルト・マチャド

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マチャドとしては、アクティブに試合をしておきたいという理由だけの通過点としかおもっていませんでしたが、対戦相手にも、静かなる野心と、王者に負けない人生がありました。400ドルのために戦い、働き、挫き、休み、復活した父は子供たちにどんな生き様をみせるのだろう。

南カリフォルニアガスカンパニーの建設技師であるアンドリュー・カンシオは、特に昨年世界中の土砂崩れや山火事など危険な現場の最前線にいました。消防士として、家族同然の仲間と災害を目のあたりにしたカンシオは、その身をリングに移す。

王者アルベルト・マチャド(21勝17KO)に対する人生最大の世界挑戦を前にしても、カンシオ(19勝14KO4敗2分)が穏やかで冷静なのは、そんな過酷な経験を積んできているからなのかもしれません。

カンシオ
「私は以前にもこの場所にいたのだと言い聞かせている。ハードワークは既に終わっている、今さら何かをする必要はない。試合前の控室で、少しだけ興奮するのかもしれません。」

サウスポーの若き無敗王者、マチャドは81%のKO率を誇ります。しかしカンシオは怯えることもなく、アンダードッグと言われることを何ともおもっていない。実際、その称号は彼に適してさえいる。

カンシオ
「これまで経験してきた全ての事が今日の私の役に立ちました。いつもは400ドルのファイトマネーのために戦ってきました。子供にはなんでこの試合をリングサイドで観戦して欲しいか説明しました。」

現在30歳のカンシオは9歳の娘アドリアーナと7歳の息子イーサンの親権を分けている。マチャドへの世界挑戦が彼らにとってより良い人生を築くチャンスだと捉えている。それが、破壊的なパンチャーのマチャドに対して自分の人生を賭けていく理由だ。

カンシオ
「実際にマチャドとは噛み合うだろう。彼は背が高く長い手足で立ち向かってくる。打ち合いが好きなのでそれは自分に有利に働くだろう。実際私のキャリアの方が彼よりタフで強敵揃いだ。」

2016年にジョセフ・ディアスに敗れて以来、2年弱もブランクを作ったカンシオがこのレベルに戻ってくるとは誰しも想像すらしていなかった。

カンシオ
「ボクシングとそれに関わるあらゆる事にうんざりしていた。トレーニングしたり走ったり、ボクシングに関することはやりませんでした。再び戻ってこれたことを感謝します。私が今いるところをみてください。本当にレベルアップするためには一度、最初からやり直す必要がありました。」

カンシオはブランクの期間、ボクシングのトレーニングはしてこなかったが、ガス会社での肉体労働でコンディションを維持してきた。仕事を通じ、ボクシングに欠けているものを発見し、もう一度やってみることにした。そして昨年の4月にリングに復帰した。キャリアを進めるために、カザフスタンの無敗ホープ、エイダール・シャリバエフ相手にアンダードッグとして臨んだその試合で、10回TKOで見事にアップセットを起こした。

カンシオ
「シャリバエフは昔の私のように大事にされていました。彼は全勝のうちほとんどがノックアウトでしたが、昔の自分も似たようなものでした。自分を信じ、テクニックとコンビネーションを駆使し、彼を攻略しました。」

次戦でもよいパフォーマンスをみせ、シャリバエフ戦が偶然ではなかったことを証明した。

カンシオ
「(ブランクで)いくらかの信頼を失ったかもしれない。でも俺は今ここに帰ってきた。新しいトレーナーは俺のボクシングを変え、新しい武器をもたらした。ディフェンスではヘッドムーブに取り組んだ。ジャブもコンビネーションもとてもいい感じだ。俺はより速くいいボクサーに進化した。だから勝ってこれたしマチャドにも勝てると信じている。」

土曜日の夜の舞台、ファンタジースプリングはカンシオのホームといえ、ここで10度戦ったことがある。子供たちに加えて、12人の同僚がカンシオの応援にかけつける。

カンシオ
「家族や友人が身近にいるのはうれしい。苦しい時に彼らの歓声がエネルギーに変わる。」

もしカンシオが勝てば、会社は彼の復職を火曜日まで待たなければならないだろう。仲間と祝勝会をするために、既に会社には月曜日の休暇届けを出しているから。

カンシオ
「私の試合をみればわかるけど、結果に関係なく打ち合ってボコボコに傷つくスタイルなんだ。だから月曜日は休むけど、火曜日は絶対に出勤するよ。」

もしカンシオが蝶のように舞うことができたなら、昨年12月のトーマスの山火事を思い出すだろう。カンシオは霧の立ちこめる、かつては美しい家々が林立していたその場所をじっと見つめていた。そこは彼がガスメーターをチェックしていた時のルートでもあった。

最後のクールな一文の意味がわからないというへぼい訳になりましたことをご容赦ください。
たぶん、カンシオの言葉通り、最初からその場所(世界王者)にいたという意味かな。

マチャドの前戦はユアンデール・エバンスという20勝14KO1敗の選手でしたが、初回から圧倒し何度も倒してレフリーストップ。

悔しくて、情けなくて、エバンスはリングで泣いていました。

今回のカンシオも戦績だけみればそれと同じかエバンスよりもアンダードッグです。しかし、約2年のブランクを経て無敗ホープを下して下剋上、何かを掴んで帰ってきました。食えないボクサーは普段は仕事をしているのが常で、カンシオも火曜には職場に戻るという。

2人の子供の親権を分けているというのは、離婚しているという意味かな。人生いろいろ、男もいろいろ、ですが、こういう辛苦を舐めた男の背中は逞しい。

相手はスケールの大きな強い強い王者だが、アンダードッグのカンシオを応援しよう。

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原始的で単純明快なスポーツです。生涯一度の敗北、無敗で引退したボクサーもいます。負けても次頑張りますというスポーツとは違う残酷さ、無常さが好きです。

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