本命本筋/エマニュエル・ナバレッテVSルーベン・ヴィラ

エマニュエル・ナバレッテのフェザー級初陣としては、無敗のフェザー級プロスペクト、ルーベン・ヴィラの方が純粋に楽しみだ。プロモーションが地味な存在だが、ここで勝てばスターになる可能性は秘めている。

ジェシー・マグダレノのフェザー級タイトル戦に向けての努力が無駄になっていることが証明された。

マグダレノとメキシコのエマニュエル・ナバレッテの間で予定されていたWBOフェザー級タイトル戦は、もはや効力を失った。トップランクがこの戦いを進めるために必要だったマグダレノの意思確認書類の提出がなかったため、無効になった。

ルイス・バチスタ=サラス(WBO)
「ジェシー・マグダレノは、エマニュエル・ナバレッテとWBOフェザー級王座空位戦を行うかどうかを書面で確認するために24時間の期間が与えられましたが、時間内に返事がなかったので、全ての権利が放棄されることになります。

結果としてマグダレノに変わる候補を選んで試合を進めることになります。マグダレノは、トップランクが彼に提供した金銭保証、試合契約内容を辞退する意向を示しています。」

コロナウイルスのパンデミックが始まる前は、WBO王座への挑戦者として最高評価を得ていたのはカリフォルニア州サリナス出身の23歳フェザー級ルーベン・ヴィラ(18勝0敗5KO)だった。最近の動きで、ナバレッテ(32勝1敗28KO)とマグダレノ(28勝1敗18KO)との間で王座決定戦が決まり、ヴィラはなぜか順位を落とす形になった。

ヴィラのチーム、バナープロモーションとトンプソンボクシング-は、元Sバンタム級王者のナバレッテが最優先されることは理解していたが、マグダレノがその相手になることは想定外だった。

マグダレノは6月にドミニカ共和国のヤニフィル・ビセンテを下したことでこの権利を正当化してきたが、それがヴィラの権利よりも優先されるということに強い反発もあった。

しかし、それは事実ではないことが判明した。

ルイス・バチスタ=サラス(WBO)
「2020年8月19日(水)現在、WBOは、マグダレノにしろ、彼のマネージャーであるフランク・エスピノサにしろ、試合への参加を確認する連絡がない。さらに、与えられた24時間が経過しており、本委員会はこの問題を解決し、WBO規則に基づいて進めなければならない。以上を踏まえ、WBO規則に与えられた権限、権利、裁量により、当委員会は、当面の問題を裁定し、以下のように決定するものとする。

1.WBOは、WBOフェザー級王座候補のルーベン・ヴィラを部門の第一候補として選出、決定し、空位のWBOフェザー級王座のためにチーム・ナバレッテとの交渉開始を命じる。

2.WBOは、その裁量で、ルールの目的・方針・趣旨を達成するために必要、有用であると判断した場合には、その他の裁定を決定し、発表する権利を留保する。

これはWBOの最終決定である。影響を受けたWBO参加者は、WBO不服審査規則の規則3(e)、規則34に従い、苦情・苦情処理委員会にこの決定に不服を申し立てることができます。」

WBOの招待状を受け入れたヴィラは、その後ナバレッテとの交渉に入るよう指示される。規定期間内に両者が合意に至らなかった場合、ヒアリングにかけられることになる。

ヴィラは、直近ではアレクセイ・コラードに10ラウンド判定勝ち、アメリカ各地を巡り2019年に3連勝を記録している。

ナバレッテは6月にフェザー級デビューを果たし、メキシコシティの無観客試合でウリエル・ロペスを6ラウンドにストップした。わずか9ヶ月間で5度のWBOスーパーバンタム級王座防衛を果たしている。

ナバレッテのタイトルは2018年12月に無敗のアイザック・ドッグボゥに12ラウンドで勝利したことから始まり、5月の再戦でガーナ人をノックアウト含む5度の防衛に成功、今年の夏の初めにタイトルを返上した。

WBOスーパーバンタム級王座の変遷は

ジェシー・マグダレノ
アイザック・ドッグボゥ
エマニュエル・ナバレッテ

であり、ドッグボゥに叩きのめされたマグダレノが、そのドッグボゥを2度下したナバレッテと戦うのは不利とみられていた。体格もパワーも勢いも若きナバレッテにある。

それでも、かつてはノニト・ドネアに勝って無敗の王者となり、トップランクのアイドル、オスカー・バルデスと並んでもてはやされてきたマグダレノは優遇されるのだとおもっていたが、ナバレッテ、あるいは条件に同意ではなかったらしい。リスク高い試合だから大きな保険(報酬)を確保したかったのだろうか。この試合の裏では、ナバレッテが来ると同時に1位のマイケル・コンランが出ていくというドタバタもあった。それだけナバレッテは怖いのだ。

マニアとしては、最初からフェザー級でコツコツランクを上げてきたルーベン・ヴィラの方がみたい。NEXTゴールデンボーイと言われ、アマチュアではシャクール・スティーブンソンやデビン・ヘイニー、ステフォン・フルトンらに勝って2度の全米ゴールデングローブチャンピオンに輝いた実績もある。

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体格、フィジカル、パワーは平凡なテクニシャン型で判定が多いので、プロでどうかなという懸念はあるが、エマニュエル・ナバレッテのフェザー級初陣としては、無敗のフェザー級プロスペクト、ルーベン・ヴィラの方が純粋に楽しみだ。プロモーションが地味な存在だが、ここで勝てばスターになる可能性は秘めている。

ナバレッテにとり鬼門といえる、速さとテクニック。
決定を心待ちにしたい。

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