世界ボクシング不完全ガイド フェザー級

日本人が絡んで欲しい、あるいは絡めそうな階級をやった後はミドル級くらいまでは頑張る予定。
むしろそういう階級の方が怪物ランカーがいそうで楽しみです。
フェザー級は今は有望な日本人はいないとおもう。

今度細野の試合にリー・セルビーが視察に来るそうだ。
相手候補として十分警戒しているという意味だろう。
勝ってそのチャンスを掴みとって欲しい。

WBC
ゲイリー・ラッセルJr
27勝16KO1敗

パワー:★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★★
ディフェンス:★★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★

年一ペースと忘れそうに不活発な王者。
でもこの階級ではナンバーワンの実力者ではないだろうか?
唯一負けたロマチェンコ戦でこの人の全貌がみれた気がする。すごい高性能だ。
ドネアにとってのリコンドーのようにラッセルにとってのロマチェンコがいる限り2番手評価なのが気の毒。
ジョニゴンやハイランドを圧倒的に倒したりしたかとおもえば判定も多くパワーがあるのかないのかわかりにくい。
体重苦なのもわかりにくいほど小さい。

WBAスーパー
カール・フランプトン
23勝14KO

パワー:★★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★

個人的にはクイッグ戦、サンタクルス戦、どっちに転がってもいいギリギリの試合に見えた。
小さく、タフなファイターボクサーかとおもいきや相手にパワーがあったり打ち合いが強いとみるやアウトボクシングのセンスがよく、それで何とか勝ってきたようなところがある。
そつない完成度と頑丈さがあるのでスピード差で逃げ切るか打ち合って倒し切るしかないだろう。
誰とも噛み合うスタイルなので日本人にもチャンスはある。でも既にビッグマネースターか。

WBA
ヘスス・クエジャール
28勝21KO1敗

パワー:★★★★
テクニック:★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

この王者もいまいち不人気で不活発。年一ペース。
アマ仕込みの技術はあるが、どちらかというとファイター寄りのパワー系サウスポー。
距離をとっても戦えるが精度が悪く、結局は圧力かけてロープ際でラッシュするフィジカル頼りのスタイル。
パンチも圧力も強いけど精度は低く打ち合う選手なので誰がやっても勝てるチャンスはある。
この王者もややマッチョで小柄。パワーがあるから王者になれた。

IBF
リー・セルビー
23勝8KO1敗

パワー:★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

やっとフェザー級らしい体格の王者。それでも175センチくらいだから巨人ではない。
アウトボクサーで距離をとってジャブをつくオーソドックスなテクニシャン。
パワーレスで判定が多いスタイルで怖さがないので日本人のターゲットにしやすそうだが英国選手なので難しい面も。
弟のアンドリューの方が天才だ。

結構、戦績のいい強豪ばかりと戦ってきたキャリアなので攻略は簡単ではないとおもうが、このくらいの王者はなんとかして欲しいものだ。

WBO
オスカー・バルデス
20勝18KO

パワー:★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★

メキシコの誇るエリート。スター候補。北京、ロンドン出場。
今度大沢と戦うから強さの指標がわかるだろう。

エリートらしくテキパキ、キビキビした動きで素早い。井上尚弥のようだ。
回転力があるしメキシカンらしくボディも上手く迫力満点だが、連打の多くがフックで典型的なフッカーだ。
申し分のない動きをみせるがこの人も小さい。
井上が適正階級だといわれるバンタムやSバンタムに行ったらバルデスみたいに階級相応の選手に落ち着くのかもしれない。
見た目がいいだけでそんなにパワフルではないはずだ。耐久力も。

私的ランキング

①ゲイリー・ラッセルJr★27
②オスカー・バルデス★25
③カール・フランプトン★25
④リー・セルビー★22
⑤ヘスス・クエジャール★22

注目の選手

ジョセフ・ディアス
22勝13KO

ロンドン五輪米国代表。世界選手権ではバルデスを破ったこともあるサウスポーのホープ。
アマエリートらしく抜け目がないが、秀でたものも感じない。バルデスと同様フック傾向。
④⑤の王者にはには十分食い込めるとおもう。

シンピウェ・ベチェカ
29勝17KO3敗

もうよく知られた選手で敗戦もあるので取り上げる気はなかったのだが、ドネア戦が消化不良であり
もう一度くらいチャンスを与えてあげてもいいのではないか?
どこまで強いのかまだよくわからないところがある。
ちゃんと戦いきってその実力を全て発揮して欲しい。
クリス・ジョンを倒したのが実力なのか、ジョンの衰えなのか、長谷川やドネアとも拳を交えた男の本領をみてみたい。
ただ35歳ともう厳しいか。

クラウディオ・マレーロ
21勝15KO1敗

ドミニカの元アマエリート、サウスポー。
クエジャールに負けて今の地位だが王者になれる素質はある。
一番好きなかっこいいボクシングかもしれない。

どっちかというとテクニシャンで、激しい打ち合いや根性勝負で根負けしそうなメンタルを感じる。
南米黒人にありがちな才能はピカイチだけど諦めが早い、もったいないところがありそうだ。

ホルヘ・ララ
28勝20KO2分

モンティエルの再起を初回KOで粉砕したサウスポー。
すごく大振りで荒っぽいが踏み込み、パンチはとても伸びる。やりにくい。
序盤速攻やKOしないと勝てない、技術の底は浅いとおもうが誰とやっても倒す可能性を秘めている。
特にバルデスやフランプトンのような選手には長いストレートが突き刺さるかもしれない。

ハリソン・ソカラス
14勝2分

米国黒人オーソドックス
何もかも平均的なので世界は無理だろう。まだ若くアマっぽさも感じないので伸びるかも。
リコンドーと練習してるのはうらやましい。
この選手と日本人がやったらどっちが上だろうか?

ブライアン・デ・ガルシア
19勝15KO1分

パナマのイケメン風。フィジカルは強そうだがボクシングは普通。固い。

マニュエル・アビラ
21勝8KO

デラモラとかサリナスとか知った名前を攻略しており、キャリアはなかなか。
しかし教科書的で秀でたものはないもない。

カルロス・ザンプラーノ
26勝11KO

メイウェザーが契約した選手だとおもう。
長身のアウトボクサーで上体をよく振りディフェンスが上手い。
ただパワーレスだし33歳だしスピードがないので世界は厳しいとおもう。
試合巧者だろうな。

アブラハム・ロペス
21勝15KO1分

そこそこの選手ではあるが見るべきものはないなぁ。
こういう選手が多いのはなぜだ。

ワイラン・シスシソブ
20勝12KO

戦績いいがタイである。ブロックで耐えて反撃というよくみるタイのスタイル。
日本人といい勝負だろう。攻防分離で遅いので世界は無理だ。

ルーク・ジャクソン
12勝5KO

無敗のオリンピアンだが31歳、オーストラリアだからそんなに期待できないかな。
べた足でガードを固めてプレッシャーをかけ強いボディをガンガン放つ。
迫力はあって好きだがやや省エネだな。

カルミネ・トマゾーネ
15勝4KO

プロなのにリオ五輪に出たイタリア人
結果は銅メダルのラザロ・アルバレスに2回戦で負け。
ラザロ・アルバレスって銅だけどアマのトップ中のトップだしね。

とてもアマっぽいスタイルで自分からほとんど仕掛けない。
精度を悪くした悪い昔のユーリみたいな構えだが、攻撃に鋭さはない。

カミル・ラスツェク
22勝8KO

アマ110勝7敗 ポーランドでは6度の国内王者だそうだ。
なるほど、技術は高く、ディフェンス勘がいい。ヨーロッパっぽい。
でもパワーレスでスピードもない。イマイチだな。

ミゲル・マリアガ
24勝20KO1敗

ウォータースに負けちゃったがランカーではやはり目立つな。
パワーがあるというのが魅力だ。今まで、アマエリートでも非力さが目立つ選手ばかりだった。
誰にとっても脅威だとおもう。④⑤の王者よりはすでに上。

カルロス・ディアス・ラミレス
21勝10KO

戦績はいいがまだ強者とやっていないメキシコの若手。
まだ全然青い普通のボクサーという感じだが体格はいいのでモンティエルがフェザーとかいうよりはしっくりくる。

クリストファー・ディアス
18勝11KO

プエルトリコの無敗ホープ
オーソドックスで筋はいいがやっぱりパワーも手数も足りず迫力がない。
華麗なコンビとかもない。

マーク・マグサヨ
15勝11KO

無敗ホープがたくさんいて困ったがどれもたいした選手ではなかった。
そんな時こそフィリピン人。やっぱり才能、輝き、とっておきの選手である。
将来は①の王者にも勝ってスーパースターになって欲しい。

今までは豊富なアマ歴があるゆえに大人しい、どこか足りないランカーばかりだったが
マグサヨは粗削りだけど突き抜ける才能を感じます。

彼自身もアマ経験あるだろうしフィリピンはアマの試合数はすごいけど世界の舞台での活躍は聞かない。
正式にエントリーできる資格を持たないのか、やっぱりプロの下積み文化だからボクシングが荒いのかな。

大人なボクシングを才能で打ち破っていかないと未来はない。

サカリナ・ルーカス
17勝12KO

マグサヨで終わりにしたかったがまだいるなぁ、得体のしれない無敗選手は。
全キャリアナビビア。ナミビア地味にアフリカではボクシングが盛んなのかな。
試合映像がないのでわからん。インタビューだけはあるが。

オレグ・マリノフスキー
18勝5KO

オレグ・イェフモビッチ
28勝15KO2敗

実はオレグさんが2人いてどちらもウクライナなのでまとめさせていただく。
どちらもアマ上がりだろうが、驚くべき技巧もパワーもないので無理だろう。
特にビッチさんは小柄で高齢なので厳しそうだ。

アイザック・ドグボエ
15勝9KO

157センチでフェザー級。
なんとロンドン五輪代表、初戦で清水に敗れた選手のよう。でも9-10だそうだ。
ユースシルバータイトル戦をみた。相手もいい選手だがドグボエ、さぞかしマッチョでパワフルかとおもいきや
そうでもなく小さくまとまっているみたいなので無理だろう。でも頑張って欲しい。

長くなった。
こんなにホープがいるとは参った。
でもほとんどが王者未満の実力にみえました。

細野は試合数でもランクでも今の地位にふさわしいのでは?
大沢も40戦近くやってるので挑戦者に選ばれるのも不自然ではない。

①②の王者以外は強いとあまりおもってないので誰にでもチャンスがありそうです。
その中でも

マーク・マグサヨ
ジョセフ・ディアス
クラウディオ・マレーロ
カルロス・ザンプラーノ
ミゲル・マリアガ

が候補だとおもいます。

好きなのは

マーク・マグサヨ
クラウディオ・マレーロ
ホルヘ・ララ
ルーク・ジャクソン

でした。

マグサヨはピカイチです。でもWBOだけの8位。まだ才能だけで戦っていますよね。
マレーロはかっこいいです。クラシカルです。
ララは一番粗削りです。下手でしょう。でも狂暴でパンチが伸びます。
ルーク・ジャクソンは高齢でべた足ボディと単調ですが自分を貫いています。

下田、細野が日本のトップなのかな、最近は知りません。

どちらもパワーは通じるとおもうけど

下田は組み立てとディフェンス
細野はもっと徹底したブルファイト

にしないと厳しいとおもいます。

両者程度のテクニックでは、技術合戦で上は無理だとおもいます。

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