波乱含みの2日間にあって、内容、話題性ともに明るいのが比嘉の王座奪取でした。有望な選手だけど所詮ドファイターだからなぁという不安がありましたが、仕上がった肉体や丁寧な試合運びをみるにつけ、相当な練習とコンディションを作ってました。過去のどの比嘉よりも緻密で洗練されているようにみえました。
あのエルナンデス戦は圧勝なのか激闘だったのか、未だによくわかりませんが、耐えて攻撃にシフトしたら効率よくパンチを当て、自身の被弾は少なく何度もダウンさせての戴冠だからやはり圧勝だろうとおもいます。
けれど、勝利の瞬間まで、ポイントリードされていた事実を忘れてはいけません。一度ダウンをとっていてもポイントはエルナンデスだったようです。
スピードと足のある相手をブロッキングを固めて追いかける、プレスをかけていく展開だけだと、ステップ刻んで手を出すエルナンデスにポイントがつく。見栄えもセンスもよさそうにみえるのだから仕方ないところ。ここまでは村田VSヌジカムに似た解釈だとおもいます。
エルナンデスのメンタルやコンディション?あるいは比嘉のパワーがすさまじいのか、パンチが交錯すれば比嘉の圧倒でした。少々の被弾などかまわずイケイケドンドンなゴロフキンのようだとさえおもいました。
内容が理想的だった事
単なるファイターではなくなかなか緻密なところ
ドスンパンチにしてはパンチの軌道が長くフォローが効いているところ
メンタルもフィジカルも強そうなところ
全KOの魅力
このレベルの試合でKO防衛していく大物王者に化ける
やはり未熟な部分が多く、技術に翻弄されて短命に終わってしまう
この両方が想定できる存在といえそうです。
比嘉を狙う刺客や今後には様々なオプションがありそうです。
ランクであれば
ムハマド・ワシーム
フランシスコ・ロドリゲスJr
ファン・カルロス・レベコ
五十嵐
粉川
などがいますが、挑戦者決定戦を控えて最優先席に決まりそうなのが、アマエリのアンドリュー・セルビー。ゾウ・シミンの若い版、ちょっとだけKO率が高いようなスピードスターのテクニシャンで王者候補の本命です。
比嘉側に選択権があるのであれば、専守防衛な軽めの試合を挟みそうですが、遅かれ早かれ試練の時は訪れそうです。それらをクリアした時、世界に誇るハードパンチのエキサイティングな王者として認知されるでしょう。
彼の場合、井上のようなスタイリッシュや器用さを追求するのではなく、プレスして潰す戦術に磨きをかければいいので方向性が明確です。現時点では、比嘉も村田も、そのスタイルで勝ち続けていくのであれば、判定など捨てて、全試合KOで勝ち抜いていく決意が必要だと感じました。
本当はWBA王者とやって欲しいけど、難しいでしょうね。
全然関係ないけど、エルナンデスってメキシコじゃ結構モテ男のようですが、風貌がイタリアっぽいというかメキシコっぽくないですね。よく見るとかなりハンサムなんですが、あの髪型と160センチもない身長がやけに不釣り合いで。やたら気になりましたよ。