狼男に毒針を/レジス・プログレイスVSキリル・レリ

狼男、プログレイスとマッド・ビー(狂気の蜂)キリル・レリの準決勝、予想は大きくプログレイスだとおもいますが、バルテレミ、トロヤノフスキーという曲者王者を連破するレリの底は得体がしれません。その多軸多機能ボクシングも見たことない個性を放っています。プログレイスの怪物性は認めつつ、この試合はアンダードッグ、レリを応援している。

「このトーナメントをよく見てください。アンソニー・イーギットはノーマークだったけど、バランチェクに対してすごいタフな試合をみせた。みんな本気で勝ちにきているんだ。キリル・レリは間違いなく強い。爪のような男だ。彼は正々堂々と向かってくるだろう。何が起きるか見てみようじゃないか。」

レジス・プログレイスの無限の力を信じるベテランコーチのボビー・ベンソンは語った。

29歳のプログレイスは10月27日、WBSS初戦、テリー・フラナガンを明確なユナニマス判定で下した。

ベンソン
「レジスのファイトは完璧でした。正直言うと初回はフラナガンにポイントを与えた。最初の6ラウンドは診察のようなものだったが、フラナガンが手詰まりになってからは完全にこっちのペースだ。プラン通りにレジスは試合をクリアした。」

8ラウンドにプログレイスは勝負を終わらせるつもりで、左ストレートでフラナガンにキャリア初のダウンを与えた。”ターボ”フラナガンはダウンを克服して立ち向かってきたが、プログレイスは無難に12ラウンドを支配した。プログレイスにとって初めて経験する12ラウンドだった。

プログレイス
「はじめての12ラウンドを楽しんだよ。俺が本当は何ができるか、ジムのわずかな仲間を除いては、世界中の誰も知らない。俺は自分に何ができるかわかっている。」

WBC暫定王者、第一シードのプログレイスは益々進化した姿を披露するとファンに約束する。

プログレイス
「フラナガン戦は楽しんでやったんだ。俺にとってボクシングは楽しくなくちゃならない。必ずしも強烈なノックアウトはいらない。遊びながら、笑いながら戦った。フラナガンや観客みんなと会話しながら戦っていたんだ。

観客はもっと強い俺に期待してるだろう。フラナガン戦とは違ったファイトを観たいだろう。基本的に俺は何でもできるんだ。単なるパワーパンチャーでもなければアウトボクサーでもない。色々違うファイトができる。必要に応じてスタイルを変えることができるんだ。」

セミファイナルの日時と会場はまもなく公式発表されます。

”狼男”プログレイス、小さいですが、底知れず強いとおもいますし、好きなファイトスタイルですが、ちょっと自信過剰というか、コメントに青臭さも感じます。

初戦、そこそこの楽勝でしたが、戦績いい元王者のフラナガンを警戒し慎重でした。そんな相手からダウンを奪い、完封してしまう能力は確かにすごいし今まで見せていたパワーファイトと違う底なしセンスをまた見せつけました。フラナガンはこれが初のダウンであり、プログレイスが12回戦うのも初めてだったようです。

セミファイナルの相手はWBA王者のキリル・レリ。2敗してますが、勝ちともいえるファイトで実質無敗でいいでしょう。身体能力に秀でた黒人ともまた違う能力を備えたユーリ・アルバチャコフを思い出すような精密機械、右のロマチェンコのようなハイテクな動きをする”マッド・ビー=狂気の蜂”。これまた大好きな選手ですが、スーパーライト級ではややパワーレスか、KO率は高いですが、手数と機動力で圧倒するタイプです。格下には次元の違う強さをみせますが、世界トップレベルになると相手も強くて圧倒できず、機動力と積極性で上回る感じで毎回苦労しています。

パワーや期待値ではプログレイスが予想優位でしょう。

けれど、ロボットのような機動力と攻防一体化ハイテクボクシングをみせる東欧の孤高のボクサーを、どこかで見たことがあるような天才肌のプログレイスより応援してしまう自分がいます。

こんなタイプのボクサーと誰も戦ったことがないはずです。
ちょっと修正すればロマチェンコになれるんじゃないでしょうか。

それでも優勝候補といわれるプログレイスとジョシュ・テイラーが予想通りに勝ち残るとしたら、大きくて穴のない優等生なテイラーに、何でもできるというプログレイスがどう切り込んで崩していくのか妄想してしまう自分もいます。

狼と蜂のセミファイナルを楽しみましょう。

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