
He can be a potential banana skin=彼はバナナの皮だね、じゃなくて、難しい相手になるかもしれないよ。これを学んだので書いたまで・・・
IBF、WBAスーパーライト級王者、ジョシュ・テイラーは指名挑戦者、無敗のタイ人アピヌン・コンソンを甘くみてはいない。
試合は5月2日、スコットランドのグラスゴーで行われる。
この試合はテイラーがWBSSでレジス・プログレイスを破って優勝して以来のものだ。
23歳のコンソンはタイ以外で一度だけ戦ったことがあるだけで、テイラーレベルはもちろん、テイラーが今まで戦ってきた対戦相手のレベルでさえ戦ったことがない。
しかしテイラーは相手が未知数なほど危険だと警戒している。この試合は新トレーナーのベン・ディヴィソンと組み、トップランクと契約後初めての試合でもある。
テイラー
「コンソンについてほとんど知りません。YouTubeで数試合観ただけです。彼は無名だけど厳しい相手になるかもしれない。オッズでは私にとってイージーな夜になるはずだ。しかしこれは世界タイトルマッチであり、彼の人生を賭けた勝負です。この試合のために全てをかけて獣のようにトレーニングしてくるはずです。彼の映像は少ししかないけど、パワーがあってとてもワイルドにみえる。背も高く私と変わらないようだから、十分注意しなければならない。
自分にはまだ多くの野望、成すべきことがある。彼をしっかり片づけて自分のすべき事に邁進したい。」
井上尚弥はマイケル・ダスマリナスを回避できたが、ジョシュ・テイラーは指名挑戦者を迎える。今やIBFだけが指名試合に厳格といえる。(例外もあるが)
ビッグマッチをしたい王者には鬼門だが、無名のランカーにとってはこれしか頼りになるものがない。
なかなか珍しい組み合わせなので、改めてアピヌン・コンソンをみてみたが、面白い。これでジョシュ・テイラーに勝ったら大番狂わせだ。総合力ではテイラーはもちろん、プログレイス、バランチェク、ライアン・マーティン、ビクトル・ポストルにも及ばないだろう。
それでもアピヌン・コンソンは面白い。
若く、タイを出ず、技術は稚拙だが、おもいきりがいい。そして誰でも倒せるパンチを振ってくる。国外唯一の近藤明広戦が過去最難関の出世試合だが、アッパー一閃で倒すまで決して負けていない。キャリアや総合力では劣っていても、若さと才能、おもいきりの良さだけで十分互角に戦えている。
そして、予測を超えたアッパー一発で衝撃のノックアウト勝ち。初めてのアウェーで出来る芸当ではない。
それでも、さすがにプログレイスまで攻略した緻密なテクニシャン、ジョシュ・テイラーには遥かに及ばないだろうが、一発で全てをひっくり返す武器は持っている。短時間でどれだけ成長するかわからない不気味さ、失うものなき勢いも持っている。
和氣や久我が負けたジョンリエル・ラモナルのような危険さ、ホルヘ・リナレスがサルガドやカノに初回でKOされたような危うさだけは秘めた試合だ。
なお、コンソン陣営がトップランクを抑えて落札したと報じられたが、実際には落札するだけの金がなく空落札だったともいわれている。
アピヌン・コンソンは若くパンチがあり才能豊かだが、たとえ番狂わせを起こしても、スーパーライト級で長続きするタイプではない。一発屋の気概で思いきり暴れてくれればそれでいい。
手足長く、センサク・ムアンスリンのような男かもしれない。
面白い試合になりますように。