こんな情報が飛び込んできました。やっときたか。
キコ・マルチネス(スペイン)
30勝22KO4敗
キコ・マルチネスはやや番狂わせで無敗王者ジョナサン・ロメロを攻略し王座戴冠、防衛戦は難関とおもわれたジェフリー・マセブラをKOと強豪とのマッチメイクを糧に今充実期を迎えているスラッガー、ドファイターです。
WIKIから転載すると
マルチネスはアマチュア時代から強打で鳴らしており、国内大会では常に上位に入るほどの人気選手だった。スペインのプロ・アマチュアボクサーでは屈指の強打者として注目されセルヒオ・マルチネス率いるマラヴィージャ・ボックスの一員。試合前にはマルチネスからアドバイスとスパーリングを行い、マルチネスが試合前の場合はスパーリングパートナーとしてマルチネスを支えている。現在ではマドリードを主要拠点にしている。サッカー人気が高くレアル・マドリードのホーム都市であるが、ボクシングの試合だとサッカーほどではないが、大勢の観客が観戦に来るほどの人気選手で、練習や合宿を行うバレンシアでも人気が高い。積極的に打ちに行くスタイルなので、ヨーロッパでの試合での注目度が世界タイトル戦並みに高い。アマチュアからずっとスーパーバンタム級一筋で試合を行っており、今の所マルチネス自身は他の階級に上げる様子はないという。
セルヒオ・マルチネスからアドバイスとスパーリングって・・・すごいな。
ボクサーが多いといえないスペインの選手なので各地転戦は慣れたもの、敵地に出向いて多くの試合をこなしています。
僕らが知らないだけで欧州圏ではかなりの人気者らしいです。
キャリアを振り返るとホープ対決、後の王者、当時無敗のバーナード・ダンを初回で倒した試合がキコ・マルチネスにとって最初のハイライトでした。小柄でパンチの強いファイター、どこかオーソドックスなダルチニアンみたいな怖さを秘めた選手でした。
しかしその後、西岡と戦ったレンドール・ムンローに連敗。マジョリティとユナニマスの判定なので差はわずかだったでしょうがそこから世界戦に一歩後退。元王者タカラニ・ヌドルブにも判定負け。(これは地元判定らしい)
日本と遠い、ヨーロッパ、アフリカ圏のトップランカーと凌ぎを削る、惜しい敗戦もあれどそのキャリアは太くたくましいものです。
その後はほぼKOで連勝を重ねていきますが、英国ホープ、無敗のカール・フランプトンにはじめてKO負けをしてしまいます。
この試合も互角かマルチネスペースだったようですが9回に右カウンターでキャリア初ダウンだそうです。
この数試合後に世界戦ですから、キコ・マルチネスでジョナサン・ロメロの実力を査定し本命カール・フランプトンが世界を掴む意図も見え隠れします。しかしキコ・マルチネスが豪快に勝ってしまいました。
ほとんどノックアウト、負けはほぼ判定、ハードパンチのタフネススラッガーで100%間違いないでしょう。
対する長谷川、
33勝15KO4敗
満を持しての世界戦、マニアなら誰もが待っていた世界戦です。
IBFは当日計量だからリバウンドする長谷川にはきついとありましたがコンディションやいかに。
ショッキングなジョニゴン戦から3年が経過、で4試合ですから少ないですが実績を考えると再挑戦までの調整と確認の試合ばかりだったのだとおもわれます。この4戦でスタイルの変化はちょっと見えにくい。特に前戦は速攻決着で100点の内容。一度の被弾も課題もなく終わってしまいました。
相手は担架だったか、こういう痛快な試合ができるので長谷川はパンチャーなのかと見間違う。
長谷川の復帰戦で注目の試合だったのが
アルトゥロ・サントス・レイジェス戦です。
メキシコの元オリンピアン。長谷川戦後も4戦4勝、アブナー・マレスに似たなかなかハイレベルでいい選手でした。
この試合は技術比べ、スピード比べ、打ち合い合戦と両者の持ち味が発揮された試合で長谷川のスピード、回転力が上回っていましたが相変わらずリスキーで危ないタイミングでの打ち合い、本来強打者ではないはずの長谷川らしさも見えた試合でした。
キコ・マルチネスは相手をロープ、コーナーに詰めて強打を見舞うドファイターです。それが生命線の選手なので誰とやっても熱いファイト、かみ合う展開になることは間違いありません。
距離を詰めないと何もできない選手です。
たぶん、ロメロ、マセブラはかなり大柄でややのっそりしているので分厚いプレスと回転力、タフネスのマルチネスにタジタジとなってしまったのだろう。
打ち合いを好み、危険なカウンターを見舞う長谷川ですが、彼らより優れたスピードや足を使って決してロープ、コーナーに下がってはいけないとおもいます。
願わくば豪快なノックアウトを望んでいるでしょうが、ロメロやマセブラあたりの方がパンチ、体力は上。
それらを打ち負かしたマルチネスを倒すのはかなり至難の業だとおもいます。
豪快ノックアウト多い長谷川ですがブルゴス、レイジェスは平気で耐える。
長谷川の最大の勝機はスピードです。
目の覚めるような高速連打と瞬間的に美しいディフェンス、一瞬の必殺パンチで豪快にノックアウトする姿を度々見せる長谷川ですが、ボカッと強打を合わせられる危うさ、一発で逆転される脆さもありますので、この試合では激しい気性をおさえて冷静に己の特徴を駆使して戦った八重樫のような慎重さ、ある意味において臆病さも必要だとおもいます。
似て非なる存在ですがリコンドー的な煌めきが長谷川にはあります。
彼のような退屈さ、慎重さも大事な試合には必要です。
対戦者クオリティでは長谷川以上といえるマルチネスは決して穴王者ではないですが、長谷川にはリコンドーやサンタクルスのいる舞台に来てもらわねば困るのだ。
王者が多数生まれたが、まだ現役日本ボクシング界では長谷川こそがラスボスなのだから。
戦術次第では大いに勝てる、3階級目の偉業達成となると信じてこの日を待ちます。