スーパーバンタム級最強は誰だ?

今週末のエマニュエル・ナバレッテの真価を皮切りに、一個上のフェザー級とは違って統一戦の機運が髙そうなこの階級でアンケートがやってみたかっただけ・・・であります。

写真には大いなる敬意を込めてこの階級のレジェンドであるウィルフレド・ゴメスを。井上尚弥を入れると人気が集中しちゃうのでとりあえず除外するけれど、体重超過の常習犯、ルイス・ネリーは入れてみました。

スーパーバンタム級は全てを備えた階級だ。長期王者、統一王者、才能豊かなベルトホルダー。1970年代以来、最も豊かな歴史を持つ階級の一つといえる。

スーパーバンタム級を牽引してきたのは紛れもなく、レジェンド、ウィルフレド・ゴメスである。ジェフ・フェネク、ダニエル・サラゴサの時を経てエリック・モラレス、マルコ・アントニオ・バレラ、マニー・パッキャオらのスターが時代を彩った。イスラエル・バスケスとラファエル・マルケスのトリロジーも印象的だ。

我々は過去40年間に起きたスーパーバンタム級のスリルに酔いしれているが、今スーパーバンタム級が過去に匹敵するパズルのピースをどれだけ埋めていけるかによって状況は変わる。

今週土曜日、メキシコの24歳、WBO王者のエマニュエル・ナバレッテ(27勝23KO1敗)は同い年のフランシスコ・デ・ヴァカ(20勝6KO)相手に2度目の防衛戦を迎える。ナバレッテにとってはアイザック・ドックボゥ以外の対戦相手となると1年以上ぶりとなる。

ナバレッテはこのクラスのスター候補とおもわれたドッグボゥの輝きを奪い去った。今週末の試合は目玉カードが少ない8月にファンの話題を独占するチャンスといえる。

ナバレッテは階級の統一に意欲的で、その言葉もスタイルも興味をそそるものとして一貫している。

今年4月、WBA王者のダニエル・ローマンは有言実行を果たしIBF王者のTJドヘニーを破り、2冠を統一した。ローマンは9月に必須の挑戦者でリオデジャネイロオリンピック銅メダリストのムロジョン・アフマダリエフを相手に防衛戦を予定している。

WBCでは先月王者レイ・バルガスが必須の挑戦者、亀田和毅を破り5度目の防衛を果たしたが、彼も統一を指向している。しかし多くのランカーが控えている現状ではすぐには実現不可能かもしれない。

ベルトを剥奪されようが、キューバのギジェルモ・リゴンドーは、誰かがリングで彼を打ち負かすまではこの階級のキングのままだ。2013年のノニト・ドネアとの対戦以来、リゴンドーは7勝1敗。1敗は不運なスーパーフェザー級への旅で被った孤独な損失だ。リゴンドーはロマチェンコに敗れた。現在38歳のリコンドーは8勝ともいえるが、初回で決着したモイセス・フローレス戦はゴング後の加撃でNCにされた。

リゴンドーはフリオ・セハとの試合で新境地をみせた。8回に一撃でセハを倒したがそれまでの採点では負けていた。ロマチェンコ戦の敗北を払しょくする新スタイルで臨んだのかもしれないが、未だ大いなる脅威であることを願うばかりだ。

果てに、たった一人の統一王者が誕生する時が来るのだろうか。それぞれの王者のプロモーション、ネットワークが違う事を考慮すると実現は簡単な話ではない。

しかし、先日、ホセ・ラミレスがモーリス・フッカーと統一戦を行ったようにネットワークの垣根を超えた戦いも非現実的ではない。ナバレッテが勝ち、ローマンが勝った場合、これと同じ試みで試合が実現する可能性は大いにありえる。

レイ・バルガスにはリゴンドーとの指名戦の義務があるが、統一戦の名目で指名戦を遅らせることは起こりえる。今のバルガスがWBCの「フランチャイズ」王者に該当する可能性は低いため、最終的には誰かがリゴンドーを引き受けなければならない。

誰もが避けるリゴンドーがバルガスに勝って王者になると、統一戦線から除外される恐れがあるが、PBCにはルイス・ネリーなどの潜在的な候補者が控えている。

これら全てを考慮すれば、今スーパーバンタム級は注目に値する階級といえる。

1,2年後には日本のモンスター、井上尚弥の主戦場になる可能性もある。少なくとも今は、現状の王者が統一戦の機運を盛り上げて実行していくかどうかにかかっている。

ナバレッテの主張は一貫している。ローマンは有言実行している。遅かれ早かれ、それがスーパーバンタム級の何かの大きなはじまりであったのか、単なる例外だったのかが明らかになる。

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