まだ正式決定ではない模様だが、ほぼ決まりといえそうだ。既にご存知の方も多いとおもうがボクシングマニアであればあるほど、日本のファンはみなファン・カルロス・パヤノを応援している(はずだ)。
[st-card id=60357 ]7月20日、パッキャオVSサーマンの前座は最高のカードをより強化する。
無敗の元WBCバンタム級王者、ルイス・ネリーが元WBAバンタム級スーパー王者のファン・カルロス・パヤノと対戦することに合意したとの情報を掴んだ。試合が完全締結されたわけではないが決まればかなり魅力的なカードとなる。
ネリーはPBCから米国デビューを果たした。かつて長期王者の山中慎介との2試合を制し無敗のままWBCバンタム級王者になったが、2試合共に論争を巻き起こした。
初戦では禁止物質ジルパテロールで陽性反応を示し、再戦では5ポンド以上の計量オーバー。試合に勝ったもののネリーはWBCからタイトルを剥奪され、日本を永久追放された。しかし地元で復帰して以来3連勝を続けている。直近の試合では2008年の北京オリンピックプエルトリコ代表で元IBFスーパーフライ級王者のマクジョー・アローヨを4回KOで下している。
パヤノは2004年、2008年にドミニカ共和国を代表してオリンピックに出場した経歴を持つ34歳(21勝9KO2敗)現在フロリダ州マイアミに住むパヤノは2014年長期王者だったアンセルモ・モレノを下しスーパー王者になるも1度の防衛で3度の五輪代表、ラウシー・ウォーレンに敗れた。WBSSに参戦するも井上尚弥の一撃にわずか70秒でノックアウト負けを喫した。
井上はその後決勝に進出しノニト・ドネアとアリ・トロフィーを賭けた対決を予定している。対するパヤノは米国無敗プロスペクトのダミアン・バスケスを下し3月に再起した。
その他カードは
セルゲイ・リピネッツVSジョン・ジョン・モリナJr
オマル・フィゲロアVSヨルデニス・ウガスらが予定されている。
永遠に使われるであろう映像、井上尚弥に衝撃の70秒、ワンパンチノックアウト負けを喫したものの、引退も囁かれたベテランは井上より早く帰ってきた。年齢と後を引きずる敗北を狙われ、若手無敗ホープの踏み台として選ばれたものの、見事に踏み返して再起を遂げた。
ダミアン・バスケス戦では初回から積極的に仕掛け、踏み込みの速さとパワーでバスケスの勢いを封印しそのまま押し切った。明らかに地力が違う、世界を知る男とそうでないものの違いを感じる実力差をみせたが、やや脇が甘く被弾するところ、ワイルドで頭が当たり流血するシーンが見られた。
対するルイス・ネリーが厄介な存在だ。米国では既に井上尚弥の対抗馬の切り札として注目されており、過去の愚行は米国では不問とされたようだ。BOXRECのランキングでも未だに井上を抑えて1位となっている。
なぜ山中戦だけ2度も違反を繰り返し、その他の試合では何も出て来ないのか。
(検査をしていないのかもしれない。もう肉体改造が終わったのかもしれない。検出されない新たな方法を編み出したのかもしれない。)
「疑わしきは罰せず」の鉄則、ボクシング界の通例に従えば全ての選手がドーピングが発覚しても復帰してくる現状だ。
カネロといいネリーといいいわゆる「メキシコ牛肉の偶然の摂取」を言い訳にする選手は肉体の変化が著しい。数々の選手をその鉄腕で沈めてきたGGGのパンチ、フィジカルをものともせず24ラウンド戦い抜き
この映像の6分56秒あたり、ジェイコブスの渾身のパンチを受けてもビクともしない。
(上手くスリッピングしてるのだという反論もあるだろう)
そしてネリーの米国デビュー戦
マクジョー・アローヨも立派な元王者であり、ネリーも元は同じスーパーフライ級、しかし蓋を開けるとパワーの差が歴然で試合にならない圧倒的な差である。
これが、薬物の力に一切頼らぬ日々のトレーニングの賜物、進化、成長の結果と証明されるなら何も言えないが、抱いた疑念が晴れることは生涯ない。山中戦の根性が悪質でありその本性、性質は変わらない。
なので
ルイス・ネリーVSファン・カルロス・パヤノ
勝者がどちらになろうとも体力、耐久力などの面で渡り合えるのであれば一応きちんとした試合としてみれるのかもしれないが、パヤノほどの実力者を一方的にボコボコにしてしまうのであれば個人的には黒判定だ。
それでも本場の井上VSネリーの待望論は増していくだけ。
パヤノの勇気と決意に敬礼。
参考
ジルパテロール
品目名:ジルパテロール[ Zilpaterol ] 用途:牛の増体量、飼料効率及び枝肉成績の改善
ジルパテロールは、β2-アドレナリン作動薬であり、脂肪蓄積の抑制、脂質代謝回転
の亢進、グリコーゲン分解及びタンパク質合成を介した筋肉増大作用により、 牛の飼育
成績の改善及び枝肉組成に影響を及ぼす栄養再分配剤である。ジルパテロール塩酸塩を有効成分とする動物用医薬品としては、牛の飼料添加剤が海
外で承認を受けている。1995 年にメキシコ及び南アフリカ共和国で初めて承認を受け、
次いでラテンアメリカ諸国(コスタリカ、ドミニカ共和国、コロンビア、エクアドル、
グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア及びパナマ)で承認されている。その後、2006 年
に米国、2009年にカナダで承認された。国内では、ジルパテロールを含有する動物用医
薬品は承認されていない。また、ヒト用医薬品としても使用されていない。