もうひとりの「怪物」/中谷潤人と日本人バンタム級

昨晩のバンタム級祭りを終えて抱いた感想です。

中谷潤人

やはり異次元のヤバい強さです。初回から奇襲を仕掛けてきましたがパンチが多彩で変則です。右アッパー3連打とか打ってきます。アゴの強さはわかりませんが、ちゃんと引いているしフィジカルが強く打たれ強さも相当です。ストレートもひっぱたきのようなフックも狂暴でいて的確で、彼の本領が出た試合だったとおもいます。

大橋会長、井上尚弥は会場で観戦し、Sバンタムに来たらもっとよくなる、すごく強いが減量苦かスピードがないと言ってましたが、挑発なのか本音なのか、私は昔から中谷は変則、異能の恐ろしい才能だがスピードはそんなに速くないと感じています。

これでバンタム級卒業でしょうか?

個人的な望みは

フェザー級で中谷潤人VSラファエル・エスピノサ

ですが、ルディさんのリップサービスで実現はしないだろう。Sバンタムで無冠戦を数戦するのだろう。

西田凌佑

IBF王者たる理由を示したが、中谷があそこまで狂暴に飛ばしてくることは想定外だったようにおもう。西田に距離を把握されたり、慣らせてしまうのを恐れての奇襲、作戦だったのだ。

よく守り、よく反撃したが、あれだけ打ち込まれると序盤でボコボコ、アクシデント的に色々と傷ついてしまった。冷静に試合を組み立てる時間すらなかった。

素晴らしい決意と確かなる技術も魅せてくれたので、これで終わりでは悲しいが、西田もまたバンタム級は最後だろう。減量が大変そうだ。

増田陸

増田陸に必要なのは強打がなかなか当たらないテクニシャンとの試合、長期戦、スキル勝負となった時にどうなのかだが正反対の相手になってしまった。落ち目のベテラン選手ではなくこれからのプロスペクトと戦ってどうなるかだ。

そういう意味では無名のランカーを招聘するよりも、那須川天心や坪井智也が最高の好敵手なのだが、同門だけにスパーリングもしない関係なのだろうか?

実は現段階で格付けは出来ているようにおもわれる。

中谷潤人が恐らく返上するであろうIBFとWBCの王座、天心が華のWBCで増田がIBFだろうか?

Jose Salas Reyes
Andrew Cain
Kenneth Llover

あたりも要チェックだ。

坪井智也

やはり初戦のタイ人は嫌倒れしたのだろう。バリバリのアマチュアスタイル、一撃の破壊力はなさそうだ。しかしその気になればKOすることもポイントアウトすることも出来そうな柔軟性も感じる。最短記録は嫌いだが、坪井に関しては最短で世界を狙ってもいいかもしれない。

那須川天心

ジェイソン・モロニー戦と似たような内容。ボクシングデビュー戦で私は天心はシャクール・スティーブンソンみたいなボクサーを目指した方がいいと書いたような気がするが、見切りと格闘センスが抜群なのでポイントメイク出来るが、相手は大して効いておらず徐々に挽回しようとやっきになっていき、終盤は被弾上等の殴り合いとなる。

柳明佑(古くて申し訳ない)や長谷川穂積は世界王者になってからKOが増えていったように、勝ちに徹するファイトでキャリアを積み上げて、いつか倒すコツを掴めばそれでよく、KOにこだわらなくてもいいのかもしれない。

同門の増田陸みたなパンチャーを空回りさせてシャットアウトするような方向性が一番いい。

ゲストには堤や武居が出ていて忌憚なきコメントをしていたが、個人的には日本人同士の戦いばかりではなく、アントニオ・バルガスやクリスチャン・メディナなど、やるべき相手とは戦って欲しい。

バンタム級は日本人だけが強いとはおもっていない。

けれどやっぱりこの日は中谷潤人VS西田凌佑

特に中谷のインパクトはすさまじく、彼の違う一面というか、本性を観た気がした。実力もさることながら、戦術や遂行能力も高い、やはりもうひとりの「怪物」でした。

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