初回の花火/ブライアン・ノーマンVS佐々木尽

蓋を開けてみたらどんな試合になるのやら

初回1分も満たない時間に食ったダウン、側頭部を掠めただけにみえるパンチでしたがあれだけで両者の差が明らかに。パワーでもノーマンが遥かに上回っていました。
最後は狙いすました左フックがまともに入り、失神

漫画のような幕切れとなりました。

本人や陣営の自信過剰がどこから出てくるのか不思議でしたが、せめて左フック対策だけでもして欲しかった。オーソドックスで強いボクサーはほぼ左フックが強い。ノーマンも然り。

世界ランカーと戦うこともなく挑戦したからこうなったのだろう。

以下過去記事------------------

三代大訓VSアンディ・クルスが厳しいのはわかっていたが、三代陣営に策を感じられなかったのが残念だ。超スーパーエリートに対し、自慢のジャブが通用しなかった場合にどうするか、左ガードが低く、サンドバッグのごとく右を顔面に貰っていました。

このような無策な内容にならないでくれというのが、佐々木陣営に願う事です。

佐々木にはパワーもスピードも爆発力もあり、ディフェンス勘も悪くない。辰吉丈一郎のような自然なセンス、才能があるが、ノーガードには限界がある。

そして、自分の武器が通用しない時、相手が数段上の時、どのように対処するのか。

ブライアン・ノーマンは無名から突如急浮上してきた王者で、暫定王座戦となったジョバンニ・サンティリャン戦ではアンダードッグだったと記憶している。サンティリャンはあの時32勝18KO無敗で、前戦でアレクシス・ロチャをノックアウトして勢いがあった。

その勢いのままにサンティリャンが迫力満点で飛ばす、前に出て圧力をかけるが、ノーマンは上手く捌いて有効打を食わず、逆に鋭いパンチをコツコツと当てていく。リングジェネラルシップはサンティリャンだが、クオリティは明らかにノーマンで、実際一人のジャッジは決着まで85-86と競っているが、わかっていない。

接戦のようでいて一方的に相手を痛めつけているのはノーマン

という内容で、この試合だけでブライアン・ノーマンという男は本物だなと感じました。

恐らく佐々木が派手に飛ばして、見栄え良く立ち回るだろうが、ノーマンにパンチをヒットさせることが出来るかどうか、ノーマンは落ち着いて対処しつつ確実に佐々木を削っていくだろう。

長期戦になると佐々木の勝機はかなり絶望的で、序盤にドカンと一発かませることが出来るかどうかが全てだ。

つまり

浜田や平仲のような初回の花火がないと、

渡辺雄二VSヘナロ・エルナンデス
尾崎富士夫VSマーク・ブリーランド

のようになってしまうだろう。

佐々木の根拠なき自信、ポジティブシンキングが、番狂わせを起こす可能性を否定はしないが。

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コメント一覧
  1. 「まずはランカーとテストマッチを」という意見をあちこちで見かけますね。
    自分も完全に同意ではあるんだけど、現実的ではないと思います。
    世界中量級の上位ランカーが日本に来るメリットなんてないし、日本人の方が海を渡って向こうの市場に割って入るのも難しいし。
    ランカークラスとの試合をやらないんじゃなく、出来ないのではないでしょうか。
    今回のノーマンのように、「有名になる前にそこそこの報酬で呼んじゃおう」みたいなマッチメイクが奇跡的に成立することはあっても、「順当にランカーと戦っていく」という都合の良いキャリアの積み方は、日本中量級ではそうそう出来るものではないのでしょう。

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  2. ノーマンはサンティリャン戦の時の様な悪童パフォーマンスはせず、大の字の佐々木選手に正座一礼。
    ウォールター級、昔は実力者揃い。日本はその下か上狙い。それでも難しい階級です。
    ハーンズと三原正選手が交える噂・情報がありましたが、「やったら殺される」と友人と同意見でした。

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  3. ノーマンのパンチは重いパンチ、佐々木のパンチはシャープなパンチで、佐々木がこのレベルのパンチを受けた経験が無かったはずなので相当、対戦中はメンタル破壊を起こしていたと思う。強気に攻めているようには見えましたがね

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  4. オフェンスに課題がある選手が後々改善することは度々ありますが
    ディフェンスに課題がある選手が後々改善できることは滅多にありません
    残念ながら佐々木が今後世界で戦っていくのは厳しいでしょうね

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  5. 世界ウェルター級のなんたるかを佐々木はもちろん、陣営もまるでわかっていなかった。あるいはわかっていたからこそ、強い世界ランカーとやるのを避けてきたのだな。

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  6. 「欧米が多い階級だから」や「フィジカルが」という反応が多いですが佐々木の負けを見るにどちらも直接関係ない気がします
    完全に技術でやられてしまっています。左フックを喰らい続けていればどんな体があろうと倒れます
    恐らく日頃の練習から差がついているのでしょう。そして試合の頃には絶望的な差になる。そこに試合経験でも差がつくわけで
    日本、アジア全体のレベルアップが出来ないと勝てません
    東洋タイトルでも日本人がボコボコにされてしまうような厳しさになるのが理想です
    田中空も昨日の試合を世界ランカー相手にやれば負けます

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  7. 最強に挑むのが筋だから仕方ないですが、管理人さんみたいに両者の分析、特にノーマンを無名の小さな新米王者と甘くみて、冷静に分析出来てなかったですね。

    エニスが強いですが、ノーマンもかなりレベルが高い王者だろう。

    ボブ・アラムがトップランク最後の稼ぎ頭と期待して90歳超えてわざわざ来日してた。

    佐々木が弱かったというより、王者が強すぎた。

    けれど、サンティリャンやクエバスやボカチカなども佐々木よりは手強かった。

    再起するにしても、己を知るべしですね。

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  8. エニスはSウェルターに行くらしいですが、ノーマンがかなりいい王者であることが確認できました。寺地がP4Pトップテンに入るならノーマンもいずれ入るでしょう。

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  9. 村田の下来たから次上来ますよの解説からのドンピシャの左フック、今年のノックアウトオブ・ザ・イヤーかもしれませんね。
    写真も多数出てますがインパクトの瞬間の広背筋の美しさもまさにアスリート。
    タトゥーも入ってないし、インタビューの受け答えにも人間性があらわれていたと思います。
    (サンディリャン戦ではダウン獲った後にヤンキー座りでのぞきこんでましたが。笑)

    バリオス、ロメロのほうがまだ可能性はあったと思うのですが、ファイトマネー等だったのでしょうか。

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  10. 最後のシーンを観て、何も憶えていない、記憶がないと言うだろうなとおもった。身体が無事でよかった。

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  11. 八王子ジムは渡辺雄二をヘナロ・エルナンデスに挑戦させた人と同じ人だったみたいで、芸術家らしいけど、ノーマンの芸術は見破れなかったのか?

    ロリー・ロメロと一か八かの殴り合いして倒すか倒されるかくらいの水準で、その他王者の名前を口に出してはいけなかった。

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  12. 嘲笑ではなく、佐々木が善戦できるかもとの自分の甘い予想が外れため、1ラウンドのダウンで笑ってしまった。なんとか5ラウンドまで生き延びたけど、あの見事なノックアウト。一瞬、佐々木が死んだと思った

    田中空も佐々木もディフェンスとフットワークが欠けてる。小畑にあれだけ撃ち込まれたのなら、世界戦ではさらに厳しいと思う。佐々木と同じ運命の予感がする

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  13. ブレーキングダウンとか別のところにいけば佐々木は活躍できそう。ボクシングはダメでも金持ちになれるだろう。

    今日はすごく勉強になりました。

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  14. 世界ランカーと一度も戦ってないのに、なんであんなに自信満々だったんだろう?八王子ジムも罪深い。ボクサーの実力を冷静に分析できないのか?事故レベルの試合でした。

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  15. 本人はともかく、陣営が本気で勝てるとおもっていたのだとしたら、観る目なしですね。指導者が悪い。
    那須川もこうならないようにディフェンシブな道をひた走るでしょう。

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  16. 佐々木は仕方ないけど、ジム関係者の見る目がないよ。
    ノーマンやエニスは絶対相手にしちゃ駄目だよ。

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  17. 花火を打ち上げたのはノーマンの方でしたね。

    ジョバンニ・サンティリャンの方がずっと手ごわかったですね。

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  18. 豊嶋や小原をKOした試合は良かったが、相手がビビってた。最近の試合は良くない。とくに坂井との試合でだめだこりゃとおもいました。KO負けあるとおもいます。

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  19. 平岡もそうだけどまともなランカーと戦って確実に実力を付けていくようにしないと日本中量級の未来は暗いですね。
    一発勝負の挑戦ばかりだと全体の底上げにならない。
    それぐらい軽量級とは訳が違う。

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  20. 三代については全く以て同感です。
    何もできなかったし、次を何も用意してなかった。
    そしてそのクルスよりもメイソンの方が上だと思います。

    佐々木は今までもポコポコ倒れてるので、サンティリャンの二の舞いでしょう。

    セミのアラネタ×タノンサックが楽しみです。

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  21. 浜田や平仲の時は、相手が怖がっていたようにみえた。
    佐々木をノーマンが怖がっていたらワンチャンあるかもしれないが、余裕で対応されそうな気がする。ノーマンのパワーもまた、佐々木が過去に経験したことがないものだろう。

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  22. 記事に出ている、アレクシス・ロチャにも佐々木は勝てないだろう。というか、そういうレベルと戦ったことすらない。

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