ズルい男/曰く付き(いわくつき)デメトリアス・アンドラーデ

最近マンネリ、低調なのは9月14日のカネロの対戦相手は誰なのかという話題以外に目立った動きがないからなのだが、ムンギアからコバレフまで、亀海とヤーデの体格差の振り幅で話題を振りまくGBPのオファー、特にVSコバレフ戦についてはブラフであり、意外と本命はアンドラーデなのかなぁなんて考えてみたり・・・アンドラーデの戦い方は完全に曰く付き(いわくつき)なのでございました。

キャシー・デュバ(コバレフのマネージャー)
「オファーは受けたけど報酬が少なすぎる。歴史的な試合だからセルゲイの人生を変える報酬が欲しい。ジェイコブスの半分以下じゃないの、もっとお金をよこしなさい。ヤーデ戦の方が報酬がいいのよ。」

エド・ファリス(アンドラーデのマネージャー)
「カネロ戦は一生に一度の機会であり、デメトリアスは準備ができている。9月14日の対戦を望んでいる。カネロはミドル級を統一したいんだろ。みんなが観たい試合、カネロが欲しいベルトがここにあるよ。」

そしてアンドラーデの直近試合

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地元、ロードアイランドでの試合、ファンの声援に応えてアンドラーデが初回から飛ばす。ワイルドでスピーディーにスレッキに襲い掛かり、その迫力でダウンを奪ってみせるが、よくみると勢いにまかせて頭頂部をかすめたパンチで倒れただけ。クリーンヒットではない。しかしスレッキはアンドラーデの勢いに完全に呑まれてしまう最悪の出だしとなった。

その後も大勢は変わらず、少しづつ試合は落ち着くが、アンドラーデは「追い詰められた犯人」のような戦い方なのだ。

警察に包囲され、逃げ場を失った犯人がナイフを手にとり威嚇する。「俺に近づくんじゃねぇ、近よるやつはみんなぶっ殺してやる」一歩でも近づくと犯人はナイフを四方八方に振り回して大暴れ、危なかしくて安易に近づけやしない。

アンドラーデのファイトはこんな感じだ。
ノーガードでヒラヒラと舞い、少しでも相手が近づいてきたらワイルドに振り回す、時にガーっと攻める時があっても野蛮な威嚇に過ぎず、当たればラッキーの乱れ打ち。

速くて狂暴なので近づけない、ファイトにならない。
暴れまわり挑発し威嚇する鬼を捕まえるゲームのような展開なのだ。

こういうスタイルは、懐深く距離が遠く、体格頼みの強烈な槍を持つゾラニ・テテや昨日書いたアルテム・ダラキアンにも似ているが、彼らがきちんとファイトし競り合いをするのに対し、アンドラーデのそれには組み立てがない。足を使って逃げ回り、時々暴れれば誰も俺に近寄れない。暴れた時に当たればラッキー。

あぁ、こんな厄介でズルいスタイルに特化しちゃったよ、卑怯な戦法だなぁ。

では、このスタイルをどう崩せばいいのだろう。
基本的にアンドラーデはかなり上体をかがめたクラウチングでワイドなスタンス。へっぴり腰で上半身だけ前に出しての手打ち。だから距離を作れハンドスピードと回転力を発揮する。逃げ場を失うようなリングカットでアンドラーデにプレスをかけて潰していくしかない。多少は肉を切らせても圧力かけてアンドラーデを下がらせ心身共に削っていくのだ。

残念なことにスレッキは細身の長身でリーチが短く、アンドラーデにプレスをかけることができなかった。アンドラーデのスピードに自分もスピードで対処して追跡するのが精いっぱい。常に一歩遅れてしまう。レンジをキープするのではなくもっとぶつかっていかねばならなかった。

アーサー・ベテルビエフならアンドラーデなどひねりつぶすだろう。

カネロなら、アンドラーデを攻略できるだろうか?
とてもやりにくい卑怯なスタイルだが、恐らく可能だろう。ボディワークを駆使した卓越したディフェンスと重厚なプレスで逃げて暴れるアンドラーデの乱れ打ちをかいくぐって捕まえる。潰す。面倒くさくてやりにくい相手ではあるが、倒される心配はなく怖い相手ではない。判定になってもカネロは負けない。

と判断してアンドラーデを選ぶかな。
冒険はせず、同胞のムンギアと戦う方がメキシコ人は一番盛り上がるから勝手にやっとけ

が本音だが・・・

アンドラーデのボクシング
こういうスタイルもアリなんだろうが

キライだ。
ズルい。

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