無策の開き直りでようやく蔓延防止も撤廃されそうな日本ですが、世界はそれどころではない様相で、個人的にもとてもボクシングに集中できません。JBCは亀田に搾取されて解体するのかしないのか・・・スルーしてましたが大変な試合もありました。
リー・ウッドは中国の徐燦に勝った新米王者でしたが、アマエリート、アイドルのマイケル・コンランも撃破しました。ウッド自身もアマチュア出身ですが、ある意味トップアマ(コンラン)とプロの叩き上げのような組み合わせ、内容も然りでした。
コンランとしては序盤ダウンも奪いリードしていたのでどこかでストップしておきたかった。アマチュアスタイルの限界か、体力、パワー不足か、受け身で流す場面が多く、気力と体力のウッドに削られていきました。
確実に世界王者になるべく、シャクールやラッセルを回避し、Sバンタムに下げたものの、タフなアイザック・ドッグボゥとの対戦も流し、美味しい王者、ウッドが戴冠するとフェザーに出戻って即世界戦と、本当の試練を避けてきたつけかもしれません。ドッグボゥをクリアしていれば最終回も耐えられただろう。
さて、このリー・ウッドには聞き覚えがあります。
以下引用
日本最速プロ16戦目での3階級制覇を狙うボクシングのWBA世界バンタム級2位・井上尚弥(25=大橋)が17日、横浜市内のジムで英国人パートナーとのスパーリングを開始した。長身の王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)対策として2階級上のフェザー級選手2人を招へい。この日はマクドネルと同じ1メートル78の相手から左ボディーでダウンを奪うなど圧倒し、サイズのハンデを全く感じさせなかった。
4ラウンドのスパーが終わると、大橋ジムの大橋秀行会長は「練習にならないね」と苦笑いした。相手は英国ジュニア王者に5度輝き、プロでも10戦全勝(5KO)の25歳、ラザ・ハムザ。だが、井上尚は2回に左ボディーで膝をつかせると、3回以降は足を使って打ち合いを避けるハムザにプレッシャーをかけて圧倒し、4回にも強烈な左フックでぐらつかせた。「マクドネルと身長が同じぐらいでスタイルも似ているので、いいイメトレになる」と井上尚。3月にも長身でタフな中国人選手とスパーをしたが、アジア人と欧州人では感覚が違う。そこで英国からハムザと、14年にマクドネルの弟ギャビンにTKO負けした以外は20戦全勝(10KO)の29歳リー・ウッドを招へいしたが、実力差は明らかでこのままでは滞在予定の2週間はもたない。大橋会長は「一日に(2人が)2ラウンドずつかな」と肩をすくめた。
ジェイミー・マクドネル対策で招聘していた英国人の一人だった。
井上尚弥には全く歯がたたなかったとある。
そんな男が今フェザー級のトップに君臨しているのだ。
もちろん、努力、進化、成長の果てに今のウッドがいるのだが、この王者はねらい目とされるだろう。
もうひとつ
今年は地味にアップセットが多く、動きがある。
ジェスリル・コラレスVSミゲル・マドゥエノ
コラレスがユナニマスの完勝。
アップセットではないかもしれないが、ここまでコラレスが25勝10KO4敗、マドゥエノが27勝25KO無敗だったので、マドゥエノにとっては通過点のつもりだっただろう。コラレスは素晴らしい身体能力でメンタルを鍛えればかなりの域になるだろう。しかし、内山高志の上をいったこの男も本場ではなかなか勝ちきれないのが世界の現実だ。
ガブリエル・マエストレVSタラス・シェレステュク
クロフォードやスペンスよりもアマでは格上だった同士の熱いサバイバルはドロー。シェレステュクはロマチェンコと同じロンドン五輪の銅メダル。この時期によく試合が出来たな。マエストレはまだ4戦程度だがWBAの厚遇を受け元WBA世界ウェルター級暫定王者にもなっていた。ロンドン、リオ五輪代表でもある。
不安定で先の読めない時代に、こうしたサバイバルが勃発するのが、マニアにとっての唯一の心の支えだ。