レジス・プログレイスVSデビン・ヘイニー/ロベイシ・ラミレスVSラファエル・エスピノサ

週末、マニアにとっては注目の試合

レジス・プログレイスVSデビン・ヘイニー

小差の積み重ねが結果として大差という内容でヘイニーの完勝で2階級制覇。ダウンを奪うも結果は判定。大方の予想通りとなりました。この世代のアメリカのボクサーにはフロイド・メイウェザーの暗号、遺伝子が確実に刻まれており、テクニカルにしてディフェンシブで負けにくい、王者のひとつ上をいくなにかを身に着けているようです。

デビン・ヘイニーは難攻不落の若き新王者ですが、似たタイプも多いので安定王者になれるかどうかはわかりません。

ロマチェンコをも下した若き無敗のライト級4団体統一王者のデビン・ヘイニーがベルトを返上し一階級上の王者に挑む。と書くと凄まじいですがデビン・ヘイニーのスタイルが好きではないので、どんなもんかなぁというくらいの関心度。

ヘイニーは負けにくい、ディフェンシブなスタイルに特化しておりリスクを背負ってファイトしてこない。それでもホルヘ・リナレスには効かされ、ロマチェンコ戦では明確な差がなく自ら仕掛けてファイトしたロマチェンコの勝利に見えたほど。似た特徴の選手では恐らくシャクール・スティーブンソンの方が上だろう。しかし出世スピードや対戦者の質はヘイニーがリードしており、未だ無敗のまだ25歳。

レジス・プログレイスは強いSライト級の王者で、WBSSでも戦術次第で優勝していただろう。常にクネクネ動き、相手のパンチをかわして自分だけ強打をぶち込む孤高のスタイルを持っている。プログレイスのボクシングは若いが年齢が34歳と高齢で最近は相手のパンチをかわしきれない、強打を当てきれないで被弾が増え苦戦が目立つ。そのあたりが新旧交代劇の見どころで恐らくオッズでは若い挑戦者のヘイニーが有利だろう。

しかし倒すファイトを体現しているプログレイスのスタイルの方が好きなのでこっちを応援する。

ロベイシ・ラミレスVSラファエル・エスピノサ

小差判定でエスピノサ、アップセットが起きました。最初のダウンでエスピノサは腰砕け、一度立ってまた崩れるという効きっぷりでしたのであそこで止めるレフリーもいたとおもいますが、粘り強いメキシカンが盛り返していきました。身長185センチというのは驚異的です。やりにくいでしょう。井上尚弥の対戦候補が陥落、あるいは変更、もし対戦したら身長差は20センチです。

ロベイシの才能はこんなものではないとおもうのでまた再浮上のチャンスもあるとおもいますが、他の偉大なトップアマチュアの世界王者に比べてスタイルやフィジカルが中途半端です。偉大なキャリアのわりに被弾が多い。これだと並外れた王者にはなれないだろう。

ルイス・アルベルト・ロペスVS阿部麗也も決まりました。屈強で変則な王者ですが、王座が交代しても驚きません。阿部はあとひとつなにかをレベルアップさせれば勝負になるとおもいます。キコ・マルチネス戦のままだとやや不利かな。

井上尚弥の未来の対戦相手として現在最有力候補とされているロベイシ・ラミレス。五輪2度の金メダル、アマでシャクールに勝っているという実績はすさまじく、前戦でも大橋ジムの清水を圧倒したばかりだ。

しかしプロではサイズもパワーもスケール感があまりないなと感じるが、デカいアブラハム・ノバや清水をボコボコにするあたり、パワーがあるのかないのかよくわからない。同級には対照的なマッチョのルイス・アルベルト・ロペスもいるからいつまで王者でいられるかもわからない。デビューは4回戦でダウンしちゃったので挽回できずに取りこぼしたが、アマチュアの途方もないキャリアと負けないスキルの幅は持っているだろう。

対する挑戦者は無名だが、21勝18KO無敗という記録と身長185cmとこの階級で一番デカい。

ラファエル・エスピノサという選手の実力次第だが、アップセットが起きても驚きではない数字だ。

ロベイシ・ラミレスは井上がフェザー級に来るなら対戦は大歓迎だ。また日本に行きたい。どんな歴史にも必ず終わりがある。と言ってましたが、29歳で井上とさほど身長も年齢も変わらないこの男が歴史を止めるとはおもわない。

しかし他に目ぼしい相手がおらず、アマチュアの経歴的には素晴らしいドラマになるだろう。井上が目指してたどり着けなかったロンドン五輪で金、次のリオでも金を獲った男だから。

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