今最も険しい階級のひとつがライト級ですが、キャリアを重ねず、サバイバルを勝ち抜かず、いきなり横から割って入り、全てを制してしまうかもしれない男がいます。
先日の超絶塩ファイトのシャクール・スティーブンソンはすごい才能ですが、相手のエドウィン・ロス・サントスもすごかったからあんな試合になったのだろう。タンク・デービスの主戦場もここだし、シャクールから逃げたと言われるフランク・マーティンやウィリアム・ゼペダ、レイモンド・ムラタラ、米国で最も期待されているプロスペクトは東京銀のキーショーン・デービスかもしれません。
先日騒がれていたフロイド・スコフィールドもライト級でした。
しかし全てを差し置いてこの男です。
アマチュアボクシング:149戦 140勝 9敗
プロボクシング:2戦 2勝(1KO) 無敗
キューバの至宝、遊びながら金メダルを獲るようなレベルにいた男ですが、プロ2戦目はかなり好戦的に戦いました。カウンターが上手いというよりカウンターで打てそうなタイミングは全部打てるような神がかったスキルとスピード、反応速度です。
リオ五輪のシャクール・スティーブンソンがそのまま東京五輪のキーショーン・デービスみたいな米国勢ですが、このデービスが何度やっても勝てなかった(4回)のがアンディ・クルスです。
プロモーターのエディ・ハーンはアンディ・クルスにチューンナップは一切必要ないと言っているので、ロマチェンコのようにすぐにでも世界戦に出てくる可能性があります。
アマチュアは3ラウンド、フェンシングのように当てて食わないようなファイトでも勝てるし、ガムシャラに打ち合ってもヒット率で優劣がつくので、とにかくトップスピードのフルスロットルタイプが強く、軽打が多く、KOはあまりなく、プロのスタイル、強さとは別もののように感じますが、同じようなルールの元で戦う競技という面ではやはりトップアマチュアはベーシックに強いです。
テンポ、リズムが異様に速いので、ほとんどのプロボクサーがトップアマチュアのスピードについていけません。しかし相手より速く当てるを最優先するので一発一発が破壊的とはいえません。アンディ・クルスのファイトをみても感じます。
年齢も28歳と旬なので、シャクールやタンクのライバルは最短距離を走るアンディ・クルスかもしれません。
この男にアマで勝ってる輩も一応プロ活動しているんですが、ちっとも話題にはなりません。
https://boxrec.com/en/box-pro/851125
https://boxrec.com/en/box-pro/850290
アマの巨人ですが、プロもアマも並行しアマ寄り。強いは強いがスタイルが極めてアマチュア的、当て逃げ職人の神の領域といった感じなのかもしれません。(そんなによく観てないので)