昔はやや空気だったが、魅力的な選手が揃った。
左のスティーブンソンと怪力のコバレフという2雄の階級だがなかなか対戦計画はない。
そして、高い王者の牙城を狙うランカーにも一発のある怖い選手が揃っていますから王者が絶対安全とはいえないところが面白い。
超強力とおもえたアマの雄、イゴール・メコンツェフが引き分けたのも面白い。
WBC
アドニス・スティーブンソン
28勝23KO1敗
パワー:★★★★★
テクニック:★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★
39歳と高齢だから以外と細く長くやりたいのかな。
左一発の倒し屋で面白い選手だが、相手選びが慎重で弱気です。
スタイルは違うが山中と似てるとおもう。
左が突出しすぎ、後はたいした事がない。その左の威嚇が相当きいているが、スティーブンソンを攻略しうるランカーはいっぱいいる。
WBA
セルゲイ・コバレフ
30勝26KO1分
パワー:★★★★★
テクニック:★★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★
左ジャブでもKOするえげつない強打者。しかも大人なテクニシャンである。
パワーが規格外だし上手い、かっこいいボクシングもできるがアマ時代には上のライバルがいた。
GGGと違うのは打たれ脆さを感じるところだが、これだけ硬質なボクシングをされると誰も打ち抜けない。
人を殺すパンチだとおもう。P4Pトップクラスの王者。
WBA
ネイサン・クレバリー
30勝16KO3敗
パワー:★★
テクニック:★★★
スピード:★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★
コバレフに軽く敗れたしベリューやフォンフォラにも負けた。
買えない王者だが、ユルゲン・ブリーマーという地味な王者を下して王者に復活。
スタイルを忘れちゃったが上手いけど打たれ強くはない、狙い目王者か。
IBF
WBO
セルゲイ・コバレフ
私的ランキング
①セルゲイ・コバレフ★29
②アドニス・スティーブンソン★24
③ネイサン・クレバリー★21
注目の選手
エレイダー・アルバレス
20勝10KO
昔は王者最有力のホープとおもったが、ロシア勢にあっという間に抜かされたかな。
トップアマのコロンビア人。もっとKO型かとおもったら以外とおとなしい。
総合力ではスティーブンソンに勝るとおもうが、左の一発に沈む気も・
アルツール・ベテルビエフ
10勝10KO
怪我か、政治関係で一番勢いある時期にブランクを作ってしまった。リアル熊さん。
本質はファイターか、インファイトさせると階級で一番怖い、力強い選手だ。
アマではなぜか、クルーザー王者のウシクが鬼門だったが、コバレフよりは上だった。
体も強そうで、王者候補最有力。熊か鬼軍曹にしかみえない。
オレクサンドル・グウォジク
11勝9KO
ベテルビエフは有名でもこっちは無名か、同じかそれ以上の実績を持つウクライナ人。
ロンドン銅メダル。WSBでも9戦無敗。
長身でオーソドックスな教科書的ボクシング。熊みたいな怖さはない。
しかしコンビネーションがきれいで正確。大味な感じが一切ない。
怖さはないがこっちも注目。
ビャチェスラフ・シャブランスキー
17勝14KO
グウォジクの壁を破れなかったみたいだがこちらもウクライナのトップアマ。
WSBでは2敗している。
192センチの大柄選手なのにコンビネーションが速い。
ここまで、全て総合力ではスティーブンソンより上だとおもう。
あの左の一発さえ攻略できれば。
シーン・モナハン
27勝17KO
アメリカの35歳、よくまとまった選手。アブラハムを上手くしたような正統派。
でもここまでだろう。心は強そうだ。
マーカス・ブラウン
18勝13KO
ロンドン五輪アメリカ代表。長身サウスポーでかっこいいがややバタバタしてるかな。
ベテルビエフがカンピーヨをKOした試合に感銘を受けたが、ブラウンはそのカンピーヨを初回で粉砕。
190センチ近く、スケールがあってかっこいいが、ガードがショルダーロールとスウェー主体なのでそれでどこまでいけるか?
米国黒人の砦ではある。
エリック・スコグロンド
25勝11KO
スウェーデンのトップアマ。グウォジクに似てオーソドックスだがコンビネーションが速い。
スウェーデンも巨人の国だからこれで標準サイズか。
スイッチヒッターで筋はいい。パワーが並みか。
ディミトリー・ビボル
7勝6KO
フェリックス・バレラとの無敗対決を制しもうトップコンテンダー。いや暫定王者か。
国際的にはメコンツェフに敵わず、国内止まりだったが、コバレフと同じ軍人チャンピオンの肩書を持つ。
オーソドックスにしてロシア人らしく強打者だが、やや普通な感じもする。
顔が日本か韓国の俳優みたい。キルギスタン人らしい。スピードと破壊力はあるがコバレフほどではない。
アンドレ・ウォード
30勝15KO
Sミドルの絶対王者がこの階級に進出。コバレフとの試合が決定している。
五輪金で少年の頃から無敗だというが五輪はアテネの話だ。
偉大な記録を持つレジェンドといえる男だが、ずっと不遇でやや無名。
有効打を食わぬディフェンスで、鉄人コバレフの牙城を崩すとしたらこの男しかいない。
コツコツ無冠戦をしてきたが、相手はみなこの階級の無敗ホープだった。さすがだな。
ドミニク・ボゼル
23勝8KO
またロシア圏の選手かとおもったらドイツ人でした。
強豪相手に無敗を堅持しているのでかなりのものだろう。
ガードの固いオーソドックスで強いけどやや平凡だ。ドイツスタイルとでもいうべきか。
イゴール・メコンツェフ
12勝8KO1分
よもやの引き分けでまだランクに入っていないロンドン金メダル。
相手はベテルビエフにKOされている米国人だから足踏みといえる。
ロシア一番のトップアマでマーカス・ブラウンやウシクにも勝っている。
ヘビー級でもやってたくらいだから体格、パワーも問題ないだろう。
大変な強打者という評判だったが蓋を開けてみるとややサウスポーの技巧派で
マット・コロボフっぽさもある。技巧でやっていこうとすると荒々しい選手に屈する可能性もあるのでは?
硬質な拳だが、ややワイドオープンな気もする。
でもアマの実績がすごいしパワーもあるから要チェック。
ほとんど、欧州、ロシア圏の独壇場で、トップアマばかりでした。
その中でアマ経験の少ないスティーブンソンや軍人チャンピオン止まりのコバレフが席巻してるのはある意味珍しいことかもしれません。
誰でも王者になる可能性はあるでしょう。
どんなに王者が強打者といえど、ランカーも一発で倒す強打とアマの実績を持っています。
強打+上手さか屈強さがないと勝ち残れないでしょう。
Sウェルターの次に層が厚い階級かもしれません。
やや、アマ贔屓になってしまいますが、お気に入りは
アルツール・ベテルビエフ
オレクサンドル・グウォジク
イゴール・メコンツェフ
で、これに
ディミトリー・ビボル
アンドレ・ウォード
を加えた人たちが王者候補でしょうか。
このへんになるとどんなに優秀なアマであっても、パワーとタフネスも兼ね備えていないと無理という持論ですが、その中でウォードだけが希望の光ですね。