寺地の対戦者が変更になったので、修正アップ
寺地拳四朗VSアンソニー・オラスクアガ
寺地にとって過去最強の相手だとおもわれる。よもや取りこぼした矢吹よりも上にみえる。しかし過去にスパーリングを経験し、勝手知ったる相手であり、Lフライは減量がきつそうなオラスクアガのコンディション次第だろう。オラスクアガはみたところ、フィジカルもパンチも強い本格派にみえるが、打たせて打ち返すところがある。メキシカンらしくしっかり打ち抜くので軌道がやや大きい。離れてジャブよし接近しても最近は力強い寺地のリズムやテンポの方が速い。
オラスクアガはまだボクシング初期の頃、中谷のボディで悶絶したそうだから寺地のボディも有効だろう。勝つだけで価値ある難敵といえそうだ。
身長は同じくらいか、当日のコンディション、見た感じのサイズ感、力感など、蓋を開けてみないとわからない。
井上拓真VSリボリオ・ソリス
これは負けはもちろん、苦戦もいかんでしょ。
兄の尚弥が去った後、バンタム級は4団体とも空っぽになった。その一番楽な決定戦といえそうな試合。ソリスは亀田や河野、山中とも戦った40歳のロートルで、意外性はあるが奥行きがない。山中からダウンを奪い、リゴンドーにも善戦したが、昔から世界王者の器ではない。井上拓真がいつものように慎重で隙のないファイトを心がけるだろう。KOが極端に少なく、超慎重なファイトをする拓真だが、ソリス40歳はボディが弱点だ。ここは倒してアピールしたいところ。
しかし、拓真のためのボーナスのような世界戦なので、ここを獲って兄のように統一を目指して欲しい。残りの王座は全部俺が獲る、相手は選ばないとノニト・ドネアは吠えている。ドネアやロドリゲスに勝ってこそのバンタム級世界王者だ。
佐々木尽VS小原佳太
ベテランの小原と新鋭の佐々木、豊島は初回から佐々木の土俵でバチバチ打ち合い、致命的なパンチを食ってしまったが、あれを教訓に小原は同じ轍は踏まないだろう。総合力もキャリアも圧倒的に小原が上だが、自身も底がみえ、上をなかなか目指せない以上、ここが正念場ともいえる。小原自身、デビュー戦で逆転KO負け、ラガンベイというスローで大味な選手のパンチでKO負けした過去も。ポカをやらかしてきた経験があり、この手のタイプは鬼門なのだ。お互い様。
キコ・マルチネスVS阿部麗也
世界挑戦者決定戦だそう。キコ・マルチネスは3度の世界王者か?2度目は長谷川穂積をボコって戴冠している。しかしKOファイターなのでポイント勝負にめっきり弱く、在位は長く続かず、引退、撤回を繰り返すかませロートルの地位に落ちていたが、己の強みを磨いて復活の勢いがある。キコさんはとにかく剛腕だ。左フックをぶちかますフィジカル、体幹がすさまじく、上手くさばこうとして食らい効いちゃってしまうと終わり。そういうわかりやすいファイトだ。阿部はスピードと技術で応戦するのだろうが、全力でぶちかましてくるキコさんの馬力、キャリアの凄みに耐えることが出来るだろうか。
那須川天心VS与那覇勇気
私は別に天心のアンチではない。大いに期待している。違う格闘技ではあったが、あのスピードと反射神経、アクロバティックで特別な動きは天才だ。ボクシングで通用しないわけがない。帝拳の本田会長は60年やってるがあんな天才みたことないと言っていた。ということは、山中よりも西岡よりも粟生よりも下田よりもリナレスよりも天才なのだろう。バレロを入れてもか?
相手の与那覇勇気という選手は予習のために少しみたが、普通に強い部類のファイターだ。アマキャリアもあり、基礎がしっかりした上にフィジカル、パンチも強い。しかしスピードや出入りは普通で直線的だ。パワーとボクシングのみの経験値は那須川を上回るかもしれない。
大いに期待している那須川だが、懸念しているのは、例の祭りのメイウェザー戦の効きっぷりだ。
体格、階級が違うのは承知の上、メイウェザーは現役時と大きく異なるヨボヨボの身体で笑いながら、那須川のパンチはほぼブロックだけでやりすごし、プレスを強めて練習のようなパンチをかすめて倒した。メイウェザーの現役時代はあんな雑なスタイルではない。どこがそんなに効いたのかというほど那須川は効いて足元定まらず、泣いて負けた。
井上尚弥のパンチと技術であれば、いくらメイウェザーといえども、リスペクト、畏怖してあんな戦い方は出来ない。否、ボクシングの今を極めているスター選手とは戦うこともしない。それだけ本当の現役のトップレベルの強さをメイウェザーはわかっているのだ。
あれを見ちゃうと
那須川は素晴らしい才能だ。しかしボクシングではどうだろう?パワーや耐久力という点では未知数すぎる、あるいはその部分は期待しない方がいいかもしれない。
井上尚弥とは別のタイプの異能の新人とおもった方がよさそうだ。
佐川遼VS松本圭佑
この試合もあるとおもっていたら10日後の18日だった。
ひそかに松本に期待している。親父と違い万能タイプで欠点らしきものがない。プロでは堤とどちらが上かわからない。ここまで7 戦 7 勝 ( 7 KO )。しかし相手が弱いのばかりで、いきなり佐川かぁという印象だ。もうちょっと骨のあるタイプとやっておくべきだ。万能タイプとはつまり超オーソドックスともいえ、相手とガチンコかみ合ってポカっとダウンしたりもする。
勝ち負け、というか勝ってしまう才能であるとはおもうが、いきなりハードル上げすぎというマッチメイクではある。