憧れは理解から最も遠い感情なり
https://www.youtube.com/watch?v=6-L-FN2L9ns
ボクシング最大のビッグネームでマネーメーカー、カネロ・アルバレス(53勝36KO1敗2分)は恐らく9月に復帰する。問題は対戦相手が誰なのかだ。現在は未定だが、本来彼は5月にWBOスーパーミドル級王者のビリー・ジョー・ソーンダースと戦う予定だった。しかしコロナウィルスの影響で決裂した。
少なくとも、ソーンダースとプロモーターのエディ・ハーンは試合が延期され秋に再スケジュールされることを願っているが、カネロは別の相手と戦う可能性が高い。今のところ2度のミドル級世界挑戦者、セルゲイ・デレビヤンチェンコが有力視されている。英国在住のソーンダースが未だ渡航禁止の状態だからだ。
一方のデレビヤンチェンコはニューヨークのブルックリンに在住している。ミドル級でも小柄な両者に体格差はほとんどない。カネロが希望するスーパーミドル級でも違和感はない。
カネロはDAZNとの巨額契約もあり、コロナウィルスで中断されてもなお、今年中に2試合はやりたいと考えている。アメリカ以外に居住する相手と試合を組むことが難しいならば選択肢はあまりない。
デレビヤンチェンコ以外の候補として、ゲナディ・ゴロフキンとの3戦目が最有力視されていたが、ゴロフキン陣営はIBFの指名挑戦者、カミル・ゼレメタを優先すると決意した。
エリック・ゴメス(GBP会長)
「無観客試合になるかもしれないから、全ての可能性を探っている。」現状、アメリカは観客入りのライブを禁止している。9月までにどうなるかは不透明だ。カネロ自身は無観客試合を厭わない。
ソーンダース同様に、2020年の締めくくりとしてカネロは日本の村田諒太をターゲットにしていたが、彼も渡航制限の問題で2020年中の対戦は難しい。未来に先送りされ、今の対戦候補には入らない。
9月14日、カネロのオプション
デメトリアス・アンドラーデ
ハイメ・ムンギア
ジョン・ライダー
カラム・スミス
カレブ・プラント
クリス・ユーバンクJr
デビッド・レミュー
デビッド・ベナビデス
カネロVSGGGのトリロジーかと言われていた頃、GGGはカネロに負けたのだろうかとボンヤリ考えていて、ふと鮮明に思い出したのはGGGが最も苦戦したのはカネロではなくデレビヤンチェンコだったなぁという事。
高齢のGGGの直近の試合だから比較は出来ないが、あの試合はブーイングを浴び、ひどく傷ついて病院に直行した。何よりGGGに焦り、あるいは恐怖にひきつる瞬間が垣間見えた。
セルゲイ・デレビヤンチェンコは世界挑戦に2度失敗し、高齢で13勝10KO2敗と戦績も冴えないが、決して悲運の男ではない。ダニエル・ジェイコブス戦、GGG戦、どちらもライブで観たが、序盤にダウンを喫してからの逆襲で、勝利には届かないのは仕方ないような内容に映った。後半は明らかに押してはいるが、逆転までは厳しいかなという印象。どうしても序盤にポカをしてしまう。人気がないので引き分けレベルでは勝たせてもらえない。
トラヴィス・シムズ
「それはまるで地下社会のようです。ボクシングの政治を変えるために出来ることはほとんどありません。ボクシングの世界には隠された真実のようなものがあり、これらを暴くと多くの企業や権力者の利益を損ねることになり、社会から追放されてしまいます。」
彼の言葉を信じるなら、デレビヤンチェンコがカネロに勝つことは決してない。
経済効果がまるで違う。
善戦、ファンはどっちを支持するかわからない内容には持ち込めるだろう。
今までずっとデレビヤンチェンコは不運で気の毒な男だとおもってきたが、ジェイコブスやGGGと戦うことで、100万ドルレベルのファイトマネーを得てきただろうし、ベルトはなくとも尊厳は獲得できたので彼もまた成功者かもしれないとおもうようになった。
最後にカネロと戦うことができれば最高だな。
最も対極に位置する立場、人気の二人、陰と陽。