アウェーで試合をする日本人はいつだってアンダードッグである。それをくつがえしたのが、西岡であった。近藤はどうなる?
リピネッツが王者になることがあたり前のような記事ばかりです。
土曜日の夜、リピネッツは説得力あるショーでIBFジュニアウェルター級王者になるだろう。
(IBFは未だにジュニア表記なんですね)しかし彼の王座は長く続かないかもしれない。
カザフスタンのパンチャーはこの階級を統一する力を持っています。王者になっても、ビッグマネーファイトがなければ彼はウェルター級に移るかもしれない。
リピネッツは転級したクロフォードと対戦する事を望んでいました。しかし特別措置で、当時の王者、ジュリアス・インドンゴとの統一戦が組まれました。インドンゴは本来、指名挑戦者であるリピネッツと試合をすべきでした。
リピネッツのマネージャー
「クロフォードがリピネッツを避ける事はわかっていました。ハイリスク、ローリターンだからです。ビジネスだからそれはわかります。クロフォードはリピネッツを倒せたでしょうか?トップランクがそんな危険を冒さないことはわかっていました。」
リピネッツ
「インドンゴがロシアのトロヤノフスキーを破ったのでその仇を討ちたかったので残念ですが大丈夫です。私はここにいます。」
このような経緯で、日本の近藤と王座決定戦をすることになったリピネッツですがもっとビッグマネーのチャンスがあるのであれば、サーマンやスペンスのいるウェルター級に行くしかないでしょう。
リピネッツ
「最終的にはクロフォードのように全てのベルトを統一したいが、今は一歩ずつステップアップするだけです。目の前の近藤に集中したい。」
ネットのブックメーカーでは50-1とも言われる掛け率の近藤戦ですが、IBF3位、32歳の近藤は現在8連勝中であり、KOされた事もなく、負けもSDやMDばかりです。
「近藤は決してノックアウトされておらず、パンチもあるいいボクサーだ。だからこの試合のために少なくともA・B・Cのプランを持って挑まねばならない。」
「私はとにかくKO勝ちがしたい。それが私の強みです。過去の相手の半数は私と戦うまでKO負けがなかった。だから近藤もKOしたいです。」
この試合はトリプルヘッダーのオープニングとして行われます。
①デオンティ・ワイルダーVSバーメイン・スティバーン
②ショーン・ポーターVSアドリアン・グラナドス
③セルゲイ・リピネッツVS近藤明広なので、リピネッツを観た事がないのであれば早めにテレビをチェックして欲しい。とても素晴らしいボクサーによるエキサイティングな試合になります。
リピネッツのマネージャー
「リピネッツをマニーパッキャオのようにしたいのです。彼の才能をみせるために最高の男たちと戦う準備があります。パッキャオはバレラと戦うまで、無名でした。バレラ戦後彼は爆発しました。そういう風にリピネッツもなっていくでしょう。」
土曜日の夜にリピネッツは世界王者になることで目標の一つを達成することができますが、彼が求める賞賛と報酬を追い求めて、ウェルター級に上がる日は近いのかもしれません。
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リピネッツ寄りの記事ばかりで近藤の声がのった記事をみかけませんでした。
日本の報道では
「作戦はあるけど、まずは気持ちで負けないようにしたい」
この程度でした。
このブログでいつも言ってる、格上相手とのアウェーでの戦いでは、積極性で負けるな、「自分のボクシング」という殻を捨てて、倒すか倒されるかの覚悟での玉砕ファイトが必要
というのはこの試合に当てはめるのか難しい。リピネッツは狂暴なKOファイターなので、技術で翻弄されたりごまかされる事はない。黙っていてもガンガン来るので応戦するしかない。どうせKO決着型である。
いかにもケンカに強そうな厳つい狂暴ファイトをするリピネッツに対し、同じテンションで殴り合うのではなく、はぐらかす、気をそらすような厭らしさも必要だ。
近藤をじっくり見た事はないが、彼の特徴はしぶとい事だ。荒川を応援していても、近藤の粘りと抵抗にどっちが優勢かわからなくなってしまうほどでした。
結構細かく動いて、小さなカウンターをコツコツ返してやりにくい、簡単には負けない狡猾さがあります。動きの大きなリピネッツにこの細かなカウンターを期待しています。
しかしやはり、誰もをボコボコ、傷だらけにするリピネッツの狂犬オーラに呑み込まれない事です。地に足つかない序盤でこの獰猛ワールドに引き釣りこまれない事がアップセットの第一条件です。
勝つのは難しく、期待値も低いだろうが、近藤というボクサーに関しては、悔いなきファイトをしてくれるんじゃないかとおもうところがあります。
アウェーだとどこか緊張と謙遜気味になる日本人が多いですが、三垣戦でみせた闘志以上のものをみせて欲しい。
ネットでは50-1とも言われる掛け率
痛快じゃ、やってやれ!