
11月14日、米国フロリダ州マイアミ
正式に決まったとのことです。Sライト級の世界戦線にはほとんど日本人がおらず、本場アメリカが舞台になります。平岡アンディは文句なく日本の最高の切り札だが、頂は高いです。
ゲイリー・アントワン・ラッセル
18勝17KO1敗
ボクシング一家、ラッセル家の次男か3男でアマチュアエリートでもありました。アマ時代にはジャロン・エニスやリチャードソン・ヒッチンズなど現世界王者にも勝って五輪に出場、金メダルの選手に負けましたが、不当判定でしたので実質金メダルです。
高いKO率を誇りますが、ハンドスピードが尋常ではないほど速く、相手とレベチなのでKOを量産してきましたが、一発が強いわけではなくそのスピードや反応速度、カウンターのタイミングにみんなやられているという印象です。
身長178センチとありますが、もっと小さくリーチも短くみえます。
私は昔からこの男はこのスピードと回転力だけで世界王者になる、でもそのレベルではKOは減っていくだろうとおもっていましたが、王座決定戦でアルベルト・プエジョに1-2の惜敗でまさかの敗北、その後にホセ・バレンズエラを判定で下し王者になりました。
プエジョ戦の何がいけなかったのかといえば、いつもの風車のようなスピードと回転力をいなされ、有効打の数で負けてしまったからです。アグレッシブも手数もアントワンでしたが、空回りでヒット率が悪く、プエジョの要所を締めるパンチの方が有効打になっていました。しかし1-2なのでどちらの勝利でもおかしくはなかった接戦でした。
対する平岡アンディは
24勝19KOのパーフェクトレコードでKO率も高い。身長182センチと長いリーチから放たれるジャブやストレート、アッパーなどで誰も寄せ付けることがない、遠距離型のボクサーパンチャーです。
知名度の高い佐々木尽にもKO勝利、強打者のイスマエル・バロッソも全く寄せ付けることなく破りました。
試合はキャリア、実績、対戦者の質、観た感じの能力ではゲイリー・アントワン・ラッセルが上回っているような気がします。スピードが武器の平岡よりも速く、パンチもボリュームがある本格派の王者が有利だとおもいます。
しかし平岡アンディのスタイルはアントワンを攻略したアルベルト・プエジョに似ており、プエジョよりも身長もリーチも長く、パンチも強いようにみえます。勝機としてはアントワンに接近させない、高速連打をいなす、あるいは打たせない、アントワンのパンチが当たらないでイライラさせることだろう。プエジョ戦のアップデートが平岡の勝機となる。
ゲイリー・アントワン・ラッセルは誰もが戦いたがらない、極めて勝ちにくい、やりにくい相手で、五輪時はフロイド・メイウェザーも絶賛していたほどの能力を持った真の世界王者ですが、そういう存在だっただけに皮肉にも知名度のある選手と戦えず、裏街道、試合枯れ、不人気な選手ともいえます。そしてアルベルト・プエジョ戦のような弱点も露呈しました。
とにかく見た目のスピードと回転力がすさまじくてみんなそこでは勝負にならないが、実は精度はそんなに高くない、空回りすると無策
という欠点が露呈してますが、ホセ・バレンズエラくらいの選手なら圧倒してしまう、その実力に、日本、アジアでは全く底をみせていない、大柄でシャープな平岡アンディがどんな戦い方をするのか見ものです。




