伝説になるためにはメキシカンライバルが必要で、避けては通れない。
[st-card id=101055 ] [st-card id=100733 ]WBOスーパーバンタム級王者、エマニュエル・ナバレッテは、現在のボクシング界で最もアクティブな王者であり、9か月で5度の防衛を全てノックアウトで片付けてきた。25歳の若きナバレッテ(31勝27KO1敗)にとってスーパーバンタム級を長く続けることは難しく、フェザー級進出を視野に入れている。
ザンファープロモーションのボス、フェルナンド・ベルトランは残りのスーパーバンタムのキャリアでナバレッテを同じトップランク傘下の井上尚弥と戦わせたいと考えている。
ベルトラン
「ナバレッテはスーパーバンタム級でビッグファイトを望んでいる。彼は今このクラスを一掃している。井上尚弥が「モンスター」だというのならナバレッテと戦うべきです。タイミング次第だけど、ナバレッテとやってもいいというビッグネームがいたらスーパーフェザー級まで、誰とだって戦うつもりだ。統一戦として、WBC王者のレイ・バルガス、IBF,WBA王者のムロジョン・アフマダリエフがいるが、彼らはナバレッテとの対戦に一切興味を示してこない。ナバレッテが避けているわけじゃないんだ。ナバレッテこそ最高のスーパーバンタム級であることはみんなわかっています。彼が望むならスーパーフェザー級まで誰とでも戦わせます。」
27歳の井上尚弥(19勝16KO)は、階級アップを計画している。
もし彼らの対戦が実現したら、ナバレッテは身長、リーチを生かした戦いをするだろう。ベルトラン
「コロナウィルスの影響で、ファンはボクシングに飢えている。彼らの試合はファンの期待に十分こたえる魅力的なものだ。」ナバレッテ
「井上からの関心があるならば、私は喜んで戦う。スーパーバンタム級の他団体王者の誰よりも簡単に組める試合だろう。本音をいえば減量苦なのでフェザー級に上げるつもりだけど、スーパーバンタム級で戦う唯一のモチベーションは井上とのビッグマッチだ。それが無理なら体重を上げるよ。」
ボクシングの歴史を振り返ると、伝説的なファイター、歴史に名を残す特別なファイターには、常にライバルがいて、メキシカンであることが多い。メキシカン、メキシコ系アメリカ人こそがプロボクシングを支えている。デラホーヤこそヒーローで黒人ライバルはヒールなのだ。
マイケル・カルバハルにはウンベルト・ゴンザレスがいた。
マニー・パッキャオには最高のメキシカンライバルが3人もいた。
リカルド・ロペスには誰もいなかった。
これが人気とファイトマネーの差だ。
ホームで試合をすることの多い日本人世界王者にはビッグネームのメキシカンライバルはあまりいなかった。だから西岡VSジョニゴンや長谷川VSモンティエルは格別に燃えたのだ。
ルイス・ネリーは反則まみれの無法者かもしれない。
エマニュエル・ナバレッテは規格外のデカいモンスターかもしれない。
しかし、伝説になるためにはメキシカンライバルが必要で、避けては通れない。