
私がボクシングマニアなせいか、個人の嗜好にあわせて表示が変わるのか知りませんが、ネットニュースをみても、毎日のように井上尚弥の話題が出てくるようになりました。そして、やはり自分とは違う、様々な意見、コメントがあります。
意見は2分されており
①ライバルがいないから、井上にはとっととフェザーやもっと上の強い選手とやれ
②心身のコンディションが整ってからで良い。今適正とおもわれる階級で続けていけばよい
というものです。
私の立場は②です。
①の極論者は、タンクやロマチェンコとの試合が観たいというのでしょうが
それはタンクが今すぐクロフォードやカネロとやれと言っているのと同じです。ロマチェンコがボチボチ苦労しているのは年齢と今でも適正とはいえない、重いクラスで戦っているからだとおもいます。フェザー、Sフェザーだったころとは相手のフィジカルやパワーが違う、若さにも苦労しています。
それでも、井上尚弥が負ける、通用しないとおもっているわけではなく、階級を超えた無謀な戦いは選手の命に係わるからです。井上尚弥VS内山高志が仮に実現したら、井上が勝つだろうなと妄想しますが、それでもやってはいけない体格差だよなぁとおもいます。
だから私は今の井上尚弥に最もふさわしい対戦相手はムロジョン・アフマダリエフだろうとおもっています。井上はLフライから上げてきた選手です。アフマダリエフはデビューからSバンタムです。十分でしょう。
相手がいない、ライバルがいないというのは時の運なのでどうしようもありません。その時代のその階級でいかに突出しているかが、スーパースター、レジェンドの証です。
それでも時期がきたら、井上尚弥はフェザー級に転向するでしょう。中谷潤人の方が大きくてむしろ適正階級だとおもいますが、順番的にも、運命的にも、上げざるをえないでしょう。
その時の王者が誰なのかはわかりませんが、先日の試合を観て、今、もっとも強いのは恐らく
ラファエル・エスピノサだろうな。
王者になるまでは戦績はいいが、相手レベルが低く無名の存在でしたし、ロベイシ・ラミレスに勝って王者になりはしましたが、TKO負けを宣告されてもおかしくないダウンを喫し、ギリギリの逆転劇でしたが、王者になって自信を深めちゃったかな。
セルジオ・チリノという選手も身長175センチでいい選手ですが、フィジカル、パワー差で圧倒してしまいました。
ラファエル・エスピノサの特徴は、ヒョロヒョロの超長身ですが、アグレッシブでスタミナも手数も旺盛なことです。デカいのに下からのアッパーやボディが多く、上から下から情け容赦なく角度のあるパンチを打ち込んできます。
試合当日何キロあるのかわかりませんが、これは相当厄介です。
カネロやクロフォードより10センチ、井上よりも20センチも背が高い。厄介なのに今は実績不足の無名王者、これまた面倒な存在です。
もう私の住むエリアでは本屋にボクシング雑誌は置かれていないのですが、井上尚弥特集みたいな雑誌がありました。
読んでみると
「ネリは難しい相手ではなかった。パワーも感じなかった。2回にはもうほとんど見切れていて実力差があるなと感じていた。それでも初回にダウンがありましたが、もしあれがなければどうおもいます?本当に一方的な試合になってたでしょう。」
みたいな事を言ってました。一応井上もフェザーの選手を軽くチェックしているようで
「身長が175センチくらいあるブランドン・フィゲロアもネリに勝ったみたいだけど、結構苦戦していました。自分のネリの感触から、あの内容をみればフィゲロアだって全然いけるだろう」
ともおもったそうです。
そうおもって当然です。
井上尚弥にとっては最高のコンディションで自分が納得できる最高のパフォーマンスを魅せることが一番でしょうし、アスリートならそれは当然のことです。
かつて、ディパエンという選手との試合はさすがに興味が持てませんでしたが
ドヘニーもアフマダリエフもグッドマンも
立派なキャリアを誇るSバンタムのトップレベルですので、決まった試合を楽しもうとおもいます。