
ビッグマッチがないと存在価値すら薄れてしまう、そんなボクシングの週末です。今週末はマニア限定です。
ジャロン・エニス 34勝30KO 28歳
個人的なP4Pではテレンス・クロフォードを超えている。とても評価しているファイターだが、それは直接対決をしたら、とか潜在能力を比べればのタラレバであり、実績でははるかに及ばない。
井上尚弥を超える能力者がいるとしたら私の中ではそれはウシクでもクロフォードでもなくエニスになる。
完璧なるスイッチヒッターで体格もパンチもあり、誰に対しても余裕で勝てる、往年のロイ・ジョーンズのような別格の強さを誇るが、ヒリヒリするような相手との試合が足りない。
過去最強の相手はエイマンタス・スタニオニスだろうか?実力者だが知名度が低く、両者のファイトを比べれば結果はオッズ通りだった。
ウェルター級の王者となったが、ビッグネームとの対戦はなく、強そうなブライアン・ノーマンが出てきたとおもったらクロフォードがいなくなったSウェルター級に転級。またしても無名の実力者と戦うことになった。
これは自身の選択か、運のなさか・・・
才能が有り余るので、時に雑になり被弾するクセもあるが、盤石の強さであることは示し続けている。
ウィスマ・リマ 14勝10KO1敗 32歳
アンゴラ生まれのポルトガル拠点の選手
アンゴラはこんなところです。
https://hugkum.sho.jp/454002
アフリカは野蛮で貧困というイメージとはちと違います。
この経歴では世界の主流、アメリカのトップ選手と渡り合うには足りないと感じるが、リマ自身のボクシングは機能的で破壊的なキレイなサウスポースタイルだ。粗削りなところはない。
唯一の敗北はトップアマ出身で無敗のアーロン・マッケンナに判定だが、点差ほどの差はなく相手を大いに苦しめた。
背はエニスより低いが元来のSウェルターで筋肉質でパワー耐久力がある。昨年4月以降、無敗の相手にアンダードッグとして3度連続で挑み、すべて勝利を収めている。
しかしテクニックの多彩さでジャロン・エニスに勝つには効かせてKOするしか道はないだろう。
この試合についてプロモーターのエディ・ハーンは
「リマ(14勝1敗10KO)がスター選手でないことは理解しているが、32歳の彼は主要3団体でトップ10にランクインしている実力者でもある。彼の試合を見れば、このマッチアップを評価するはずだ。実際、154ポンドでジャロン・エニスを試すことができる相手が必要だった。8人もの選手が巨額オファーを断ったんだ。誰もエニスと戦いたがらないが、リマはやる。彼は誰とでも戦う。」
と言っている。
Sウェルターに行っても、P4Pトップのクロフォードはもういないが、人気の実力者、バージル・オルティスやセバスチャン・フンドラ、恐怖の拳を印象づけてティム・チューを粉砕したバフラム・ムルタザリエフなどがおり、ここを統一することでジャロン・エニスはレジェンドクラスの評価を獲得していく他ない。
強ければ、圧倒的存在感を示していれば、いずれビッグマッチは訪れる。
ジャロン・エニスはP4Pナンバーワンのレジェンドになれるだろうか?
こればかりは神のみぞ知るだ。