村田の敗北で大金の夢が消えたボブ・アラムですが、勝ったブラントと即契約、アジアの別の期待の星とも契約を交わしました。エロール・スペンスとの因縁がある、インドのヴィカス”インディアンタンク”クリシャンです。
トップランクはインドのボクシング史上最も輝かしい成果を残したアマチュアボクサー、ヴィカス・クリシャンと複数年契約した。ロンドン、リオ五輪代表、アジア大会とコモンウェルスゲームで金メダルを獲得したインドのファイターは1月18日にプロデビューの予定です。
クリシャン
「トップランクは世界一のプロモーション会社です。私はプロの世界王者になります。インドにはまだ一人もいません。王者になってインドでは映画スターよりも有名になるでしょう。」ボブ・アラム
「ヴィカスは素晴らしい若者です。インドのマービン・ハグラーです。」デビッド・マクウォーター(マネージャー)
「プロになる前からヴィカスはすでにインドでは最高のファイターです。彼の業績とカリスマ性は際立っています。デビューが待ちきれません。」
26歳のクリシャンはハリヤーナー州出身で、10歳でボクシングを始めた。インドのアマチュアとして10年以上キャリアを積んで2010年ユース選手権金メダルを獲得した。2012年のロンドン五輪では、現IBFウェルター級王者のエロール・スペンスを13-11で下したが、クリシャンに反則があったことが認められて(故意にマウスピースを落とした)5時間後に結果が覆った。13-15
2016年のリオ五輪では米国代表のチャールズ・コーンウェル、トルコのオンデール・シパルを下してベスト8まで残ったが、銀メダリストとなるベクテミル・メリクジエフに敗れた。今年はじめのコモンウェルスゴールドとアジア大会では銅メダルを獲得し、歴史上初のアジア大会3度のメダリストとなった。プロとしては、ニュージャージー州のニューアークでインドナショナルチームと共にトレーニングする予定です。
ここまではいいけど、クリシャンの最後のアマ歴は4連敗になっとるが大丈夫か?
今年のアジア大会でも、五輪金メダリストを下してインド勢が勝つなど、インドのボクシングの躍進はすさまじい。アジア大会は中央アジアを含むので世界的にも超激戦区なのだ。五輪に劣るものではないというほどに。近い将来、中国を抜いて世界一の人口になると言われているインドボクシングのパイオニアがこのクリシャンなのだろう。スーパーミドル級あたりに平井堅のようなビジェンダ・シンという選手もいるけど・・・
でも、物議をかもしたこの試合、どうみてもはっきりとスペンス優勢です。これでクリシャンの勝ちと出るジャッジが狂っています。感想はスペンス強しだけです。クリシャンはインドの希望という意味ではストーリーがありますが、この試合を見る限り、スペンスとはパワー差が顕著で、苦労するだろう。
判定覆りで勝ったスペンスのその次の試合
相手はアンドレイ・ザムコボイ(ロシア)
16-11でスペンスを下すも、おなじみセリク・サピエフに負けて銅メダルでした。
当時、アマでは当たり前のようにスペンスより上の成績を収める選手がおり、カザフスタンのセリク・サピエフやウクライナのタラス・シェレステュクなんかもそうですが
[st-card id=4962 ]やはり年齢が大きいのかなと感じます。
彼らは五輪がピークであり、今は30代、スペンスやクリシャンは今が旬といえる年齢です。プロでピークを迎えるように合わせているのかもしれません。そう考えると、プロでの地位の逆転や、アイザック・ドックボーの強さがわかります。(ドックボーはまだまだ若いんだけどね)
最後までアマでボクサー人生を全うするのか、プロへの通過点なのか。
20代後半、30前後がボクサーとしてのピークなのだろう。統計的にはね。