日本の祭りの翌週に行われる世界戦。注目度はかなり高い。ロンドン五輪代表、米国のトップホープをしても、王者の地元、英シェフィールドに出向いて戦う。これが挑戦者の本来あるべき姿。英国だと試合時間が日本では微妙なんですけどね。
ケル・ブルック
36勝25KO1敗
1敗はミドルでGGGに敗れたものなので本来の階級では無敗といっていい。GGGとの試合も洗練された技巧で上手く戦ってはいたが、パワー差が顕著で怪我によるアクシデントで早めに棄権した。いきなりの復帰戦で相手は最上級ホープとなった。
どんなスポーツをやらせてもセンスがよさそうな機敏で無駄のない動き。力みなくスムーズに手が出、当たる瞬間だけ硬質であるかのように本当に無駄がない。かなり強い王者だとおもうが、怪物的なスケール感は感じない。素早いが距離も意外と近い。ウェルター級が本当に似合う適正ピッタリな優等生王者という印象だ。
https://youtu.be/e-Dj3-3C_3M
エロール・スペンスJr
21勝18KO
改めて映像を見ると年長のブルックの方がスピードは上に見える。スペンスは背もリーチもあるが正直に前に出て打ち合う。打ち合うといっても自分だけ当てて食わないし一発一発ムチが撓るようにかなりしっかり打ち抜いており、威力がすごい。苦戦がなく圧勝ばかりなので査定しづらいが、相手の倒れっぷり、効きっぷりをみると相当な強打者だ。圧倒的なのだ。アルジェリ戦のように相手レベルが上がっても圧倒的。
https://youtu.be/RJy4uPsAPgo
ブルックも最近KO勝ちばかりだが、スペンスの方がずっとパワフルにみえる。足、反応、身体さばき等でブルックがスペンスの先を行くような形を作ればブルックが試合を支配できそうだが、単調なようでいて圧倒的な強打を的確にねじ込んでくるスペンス独特のリズム、打ち合いになれば恐らくスペンスの圧倒的なKO勝利だと感じる。
この試合は予想しにくく難しい。
スペンスやエリクソン・ルービンにも感じる事で、トップアマ譲りの技巧はそこそこに、スピードも工夫もそれほど秀でたものを感じないにも関わらず正直にグイグイ攻めて圧倒してしまう。相対したものしかわからない威圧感や細かな上手さ、圧倒的なパワー?
本来ならキビキビして万能なブルックを推したいが、怪物性、自信とタフネス、規格外のスケール感を考慮して、衝撃的なKO勝利でスペンスJrがベルトを奪取しそうな気がする・・・かな。
判定までいけば地元のブルックが有利でしょう・・・
この試合の勝者がウェルター級ナンバーワンだとおもいます。
本当に素晴らしい組み合わせで楽しみです。