田口はファン・フランシスコ・エストラーダや、アレクシス・アルゲリョのように、回を増すごとにテンポがあがるボリューミーなファイターと書かれています。
[st-card id=24604 ]ヒッキー・ブトラーは、不運な状況から、偶然にも最高のチャンスを手に入れた。
昨年9月、ブトラーは王者、ミラン・メリンドにスプリットで敗れました。ラストラウンドでのダウンによる2ポイント差が命運を分けた試合でした。両瞼の流血に悩まされたメリンドが傷口に凝固剤を塗ったこと、疑惑のダウンと接戦だった事で即再戦が命じられましたが、メリンドは王座の統一をかけて田口と戦い、田口が勝利したため、ブトラーは3つのベルトをかけて田口と戦うことになった。(WBA IBF RING誌のベルト)
ブトラー
「正直にいえば、メリンドとの再戦を望んでいましたが、王座に挑戦できるのであれば相手は誰でもかまいません。3つのベルトがかかる、より価値の高い試合、相手、それが田口です。」ブトラーは元WBAミニマム級王者です。
試合に備えて訪問した日本では、今までみたこともないような小さなホテル、小さなテレビで流れる番組は全く理解できませんが、親切なおもてなしを受けています。歩いてすぐにワタナベジムがあります。ブトラーは田口との試合が、南アフリカのボクサーとして、最高評価を得るためのものだと考えていますが、最も困難な試合であることも理解しています。
田口は、井上尚弥に敗れて以来全勝です。
田口は、ファン・フランシスコ・エストラーダや、アレクシス・アルゲリョのように、回を増すごとにテンポがあがるボリューミーなファイターですが、長身を生かしたジャブも使えます。
ブトラー
「私も田口と似たようなスタイルだとおもいます。バックステップしてアウトボクシングもできるけど、アグレッシブに打ち合うのが好きです。田口はスマートでスキルもスピードもある、才能豊かなファイターです。今までの自分の限界を超えたファイトをしなければなりません。田口は過去最強の相手だろう。難しい試合ですが、準備はできています。」3インチの身長差、地元の優位性を田口は持っています。金曜に30歳になるブトラーは田口より1歳若いです。
ミラン・メリンドのトレーナー
「ともにパワーがあるファイターではないが、ブトラーが勝つんじゃないか?田口はプレスが強いが、才能はブトラーが上だ。」ブトラー
「勝てば、偉大なボクサーとして南アフリカで認められます。田口との厳しい戦いが、自分の中の最高のものを引き出すと信じています。南アフリカの誇りと言われる男になれれば私は満足です。」
田口は負けない、負けにくいと書いたが、言い返せば勝ち味も遅い、圧倒的ではないところがあります。相手にガチャガチャやられ、劣勢を中盤からなんとか盛り返すも引き分け止まりという試合もありました。メリンドのトレーナーが、才能はブトラーが上と言ってるくらいの難敵です。ゴチャゴチャ誤魔化し、幻惑が巧いボクサーです。ボクシング自体はブトラーの方が巧くみえるし手数も多い。
ライトフライ級は世界的にみれば注目度は低く、井上尚弥の参戦が予定されるWBSSのような夢プランもないだろう。しかし井上と戦って以来負けなしで2冠(RING誌を入れると3冠)王者となった雑草田口は従来の日本人世界王者であれば、最高峰の高みまで上り詰めた選手ともいえるし、尊敬される内山を超える実績といっても過言ではないのだ。メリンド戦でさらに強くなったであろう田口には、井上尚弥と同様に、相手が誰でも突破してもらわねばならない。
予想は田口の後半KO
懸念は序盤からブトラーのスピードと変則にかく乱されての判定負け
です。
田口のテンポが上がるのはわかっているので、前半をどのように戦うかが鍵だ。井上は序盤から飛ばす、マクドネルを痛めつけると公言している。そういう決意でいいんじゃないかな。