ヘビー級のなれの果て/デオンティ・ワイルダーVSタイソン・フューリー

試合が決まり、今年一番ニュースが多かったのがカネロVSGGGかこの試合の話題だろう。そのほとんどを読んでいないけど。両者を、特にタイソン・フューリーの試合を熱心に観たことはほとんどないのだが、この試合はアップセットでなくフューリーが勝つ、ワイルダーに初黒星がつくのではないか。

デオンティ・ワイルダーは自分が世界一優れたファイターだと信じている男、タイソン・フューリーと戦うんだ。リッキー・ハットンはいいます。

ロサンゼルスのスティープルセンターでWBCヘビー級王者と戦う時の最高の武器はフューリーの持つその自信だ。

フューリーの自身の無敗記録を守り、ワイルダーにプロ初の敗北をつけ、日曜の朝にはWBC王者としての時を過ごすという自信は揺るぎない。

フューリーは2015年11月にウラジミール・クリチコを下してからリングから遠ざかり、復帰して、世界レベルと程遠い相手に2試合しかしていないにも関わらず、信念は堅い。

試合ではフレディ・ローチと共にセコンドにつく予定のハットンは言う

ハットン
「そんな事を可能にするのはフューリーくらいだろう。フューリーには多くの特徴がある。スキル、サイズ、やりにくさ、しかしワイルダーが抱える最も大きな問題はフューリーの信念です。フューリーはクリチコとの試合でドイツに行ったがまるで苦にしなかった。ロスに行っても同じだ。復帰後2試合しかしてなくても全く苦にならない。フューリーは自分が歴史上最高峰のファイターだと本気で信じている。そんな男がワイルダーの相手なのです。」

ハットンはフューリーの復帰戦、6月に行われた無名のセイファー・セフェリ戦からセコンドを務めている。しかし元2階級王者のハットンは「ジプシーキング」のチームに加わっているような不思議な感覚を抱いている。ハットンとフューリーと元ヘビー級王者フランク・ブルーノのトリオによる「ジプシーキング」だ。

彼らは英国ボクシング界のビッグネームであると共に、精神を病んで世論を賑わせたことで有名だ。

ハットン
「フューリー、ブルーノ、この私は同じ問題を抱えていたんだ。心の病、これは何を手に入れても、どんなに愛されていても、いつ誰にでも起こることだ。これはただボクサーとしてだけでなく心を病んだ者を代表して、我々が果たす役目でもあって、フューリーとブルーノのためにもなるといいのだけど。」

ハットンはフューリーが酒や薬物に溺れていた暗黒の時から復活した時にジムで「ジプシーキング」を流してトレーニングしていたという。

ハットン自身が現役時代はやんちゃで有名だったので、彼のジムの雰囲気がフューリーをトップに返り咲かせる手助けができると信じている。

ハットン
「トレーニングにはユーモアのセンスが必要なんだ。フューリーはどこよりも俺のジムが居心地がいいと感じているとおもうよ。」

https://www.youtube.com/watch?v=YP9xeNKELK4

https://www.youtube.com/watch?v=5KElfboeVds

適当に訳したのでハットンが何を言いたいのかよくわかりませんでした。病んだ男は強いという事か。

デオンティ・ワイルダー
40勝39KO無敗

記録だけみたらマイク・タイソンやフロイド・メイウェザーよりインパクトのあるもで、今、米国ヘビー級の期待を一身に背負っているのが彼だ。ワイルダーとジョシュアの頂上決戦こそが世界中のボクシングファンが一番待望しているものかもしれない。でもそのボクシングは大味だ。

そこに割り込んできた巨大な曲者がタイソン・フューリー

タイソン・フューリー
27勝19KO

はじめに書いた通り、フューリーの試合にエキサイトできないので、じっくり見たことはない。当時無敵のクリチコに勝利というアップセットを起こしたものの、実はコカイン中毒でタイトルはく奪、引退状態でした。それでも本人が望めば復帰できるのは話題、金になるが故だろう。この男の言動に振り回されてはいけない。何も信じてはいけない。

しかし、何度か復帰後の試合をチラ見した限りでは

試合にならない
違うスポーツのよう

身長206センチ、リーチ216センチは恐らく現役で一番のサイズだろう。
ワイルダーもそれに負けない数値ではあるが、体重がまるで違う。

フューリーのボクシングの特徴は体格差で相手に何もさせない、良さを殺してしまうところ。巨体のわりにジャブと防御の反応が鋭く、意外と器用で柔らかに戦える。攻撃的ではなく、ジャブと軽打で相手をおちょくるような小ズルいファイトをする。接近すれば巨体を生かしたホールディングで小休止。相手は試合にならない、ボクシングにならないと諦めてしまう。

そうなると意外やキレイなパンチで強引に倒しきることもたまにはあるが、棄権かレフリーストップでほとんど決着がついてしまう。やりにくさは全ボクサー屈指であろう。

対するワイルダーはとにかく右ストレートの一点突破である。全てを破壊するこの右が当たっても当たらなくても怖くて相手は委縮する。これを必ず当てて今までずっと勝ってきた。打たれて効いて、ピンチの時も耐えに耐えて逆転の右ストレート。

これがフューリーにも届くのなら派手なノックアウトの圧勝も大いにありえるが、今回ばかりはリズムもタイミングも狂わされ、当てさせてもらえないのではないか。

数値は似ていても、体重差がかなりあるので、ラウンドが長引けばワイルダーの消耗も大きいだろう。打たれ強い方ではないので、後半ヘロヘロになったところにいいのを食ってKO負けもありえる。

とにかくやりにくさとクレバー(ずる賢い)なフューリーなのでこんな展開を予想しているが、やはりスカッとするのは

ワイルダーのKO勝利であり、
ワイルダーVSジョシュアの頂上決戦なのは当然だ。

しかしヘビー級の頂点はこの2人ではなく実は変態巨人のフューリーであり、ヘビー級のなれの果てはこういう肥満巨人の退屈なボクシングなのだという真実があるような気がする。

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