
善は急げ
先んずれば人を制すのか
4月25日、ラスベガスのサタデーナイトのメインイベントは井上尚弥VSジョン・リエル・カシメロのバンタム級王座統一戦の予定だったが、コロナウィルスによる渡航規制のため延期になった。
プロモーターのボブ・アラムは、渡航制限がまだ当分の間続き、井上がアメリカに来れない状況を考慮し、アメリカが日本より先にボクシングが解禁されたら、既にアメリカに滞在しているカシメロに別の男をあてがうつもりだ。
ボブ・アラム
「カシメロの対戦候補はジョシュア・グリーです。彼は元々ジェイソン・モロニーと試合する予定だったので、カシメロと戦うこともできる。いい試合になるとおもうよ。」カシメロは試合中止まで、マイアミからラスベガスに移動し、現在ラスベガスに滞在している。グリーはシカゴに滞在しトレーニングを継続している。ジョシュア・グリーVSジェイソン・モロニーは、井上VSカシメロとのダブルヘッダーで、ESPNでTV中継される予定だった。
現在25歳のグリーは、井上尚弥と伝説的な試合がしたいと表明したばかりだ。グリーはカシメロのWBOで1位、井上のIBFでは2位にランクされている。
ボブ・アラム
「日本の本田明彦氏と井上サイドと先週木曜日に話をしました。井上をアメリカに連れてくることを考えているが、渡航禁止の状況では不可能です。ならばアメリカに滞在している同士で試合を組むのが筋ではないかと考えています。」
問題はカシメロだろう。井上とグリーでは、勝って得るものが違う。
ボブ・アラムは井上尚弥、ジェイソン・モロニーに続く、契約選手(グリー)の価値を高めておきたい。
井上尚弥VSジョン・リエル・カシメロは、井上尚弥の第二章、WBSS優勝後の初戦としてはとても興味深い組み合わせであると同時に、3階級制覇で底の知れないカシメロとはいえ、井上の対戦相手としては無名で物足りない声もあった。
世界のカジュアルなファンがみたいのは、カシメロやウバーリではなくルイス・ネリーやエマニュエル・ナバレッテとの戦いだ。それが井上尚弥を今以上の評価に押し上げるライバルだ。バンタム級で一人挙げろといえば、ギジェルモ・リゴンドーだろう。
ジョン・リエル・カシメロ
ジョシュア・グリー
ジェイソン・モロニー
ノルディン・ウバーリ
みな、格下と侮ってはいけないが、彼らは世界のトップリストではない。人気、知名度が足りない。やはり、本場アメリカで世界のイノウエをアピールしていくためには、アメリカやメキシコ系のライバルが必要なのだ。
コロナウィルスによるスケジュールの狂いもあって、歴史、伝説の道に否応なく最短距離で向かわざるを得ない状況か。
善は急げ
先んずれば人を制すのか
ジョシュア・グリーはスリックな黒人らしいアジリティ全開の見栄えのいいファイトをするが、アントニオ・ニエベスやニコライ・ポタポフとどっこい、てこずるようなファイトをしてきた。グリーとカシメロがやったらたぶんカシメロがグリーを破壊するぞアラムさん。そしたらカシメロと契約ですか?