
クロフォードVSポーターに乗り遅れたので、今話題のこの男について触れておく。ずっと日の当たらない、誰も知らないボクサーのまま終わりそうなところ、34歳にしてビッグチャンス、ビッグマネーを掴みかけている。
イルンガ・マカブ(34歳)
コンゴ民主共和国
28勝25KO2敗(2KO)
身長183センチ
リーチ188センチ
デビュー戦、わずか29秒で無名選手にKO負けも英語がわからず負けてしまったとある。参考にならないだろう。そこから全勝で世界戦を掴むも何度も延期となり、(何度も延期されたのがグリゴリー・ドロストというロシアの知られざる怪物王者で、怪我のため王者のまま40勝28KO1敗というキャリアで引退した)やっと掴んだ空位のWBCの王座をトニー・ベリューと争うも、初回にダウンを奪うも逆転KOで失神。
それ以外は負けなしで2020年1月に当時無敗のミハル・チェスラックと王座を争い、戴冠、1度の防衛に成功している。
主にヨーロッパやロシアで戦ってきたので、スタイルも強さもよくわからないままだが、ここ数戦は全部サバイバル、敵地、相手の方が期待値の高いプロスペクトという条件の中で空気を読まず勝ち抜いてきた。
ドミトリー・クドリャショフ
アレクセイ・ピピン
ミハル・チェスラック
どの試合もマカブはアンダードッグだったのではないか。
みんな、アメリカのメインストリームでは無名だが、筋肉ムキムキの恐怖の強打者ばかり。しかし下馬評を覆してマカブが勝ち続けてきた。マカブはWBSSのクルーザーにも推薦、抜擢されなかったほど無名、裏街道だった。
改めてみるとクルーザー級とはおもえない、滑らかさとクレバーさ、タイミングをもった素晴らしいサウスポーといえる。KO率も非常に高いし倒し方も美しい。しかしクルーザー級にしては小さく、下がる、ガード一辺倒になる、攻防分離なところもある。恐怖の強打者をノックアウトしているが、ベリュー戦の失神KO負けをみると打たれ強くはなさそうだ。この階級のパンチをまともに食えばみな終わりだけど。
コンゴのベテランファイターが空気を読まず、アウェーでアップセットばかり起こしてきて掴んだ大きなチャンスといえる。
映像をみると、クルーザーとはいえ、カネロよりは
10センチは大きく
身体も太く
KO率も高い
サウスポー
なので、階級の違うファイターに感じてしまうが、同じ条件(体重)で対戦するとなれば、カネロにロープにくぎ付けにされ、ガード一辺倒になり、ボコボコにされてしまうだろう。カネロに対し下がる、強くアタックできないと全く通用しないと今はおもっているので、マカブが選ばれたならどのような戦いをするのかだけが見どころだ。ガンガン行くなら期待できる。
たまたま、WBCのクルーザー級にカネロに都合のいい、無名のアフリカ王者がいるから抜擢されただけのようにおもう。実現するかはまだわからない。経済効果や知名度で、マカブがカネロに勝つことはありえないだろうが、せめて全力で立ち向かって欲しい。素晴らしいアンダードッグだ。
マカブ個人のファイトスタイルやここまでの道のりは魅力的だ。
もうこんな写真もあるから、色々と内定しているのかもしれない。