37勝21KO1敗4分
週末にラウル・ガルシアと9度目の防衛戦をする2階級制覇のWBOLフライ級王者。
ミニマムも負けなしで4度防衛、王座も統一した。
日本人と組みやすいはずのフィリピン人だが一度も対戦歴がないのはニエテスが本格的に強いから。
パッキャオに次ぐメキシカンキラーというにふさわしい実績だ。
Lフライも敵なし状態、日本人に目もくれずフライ級のスーパー王者、フランシスコ・エストラーダへの挑戦を表明しているがなかなか実現に至らない。
やはりリスキーなわりにファイトマネーがあがらない不人気選手だからか。
実績を考慮すればどの日本人世界王者よりも上に評価すべきだろう。
今年34歳になったニエテスのキャリアスタートは変わっており、元々ボクサーではなくALAジムのアシスタントだったそうだ。
そこから屈指の王者になった変わり種。
センスある有望なボクサーを見ながら自身に吸収していった努力型だろうか。
唯一の敗戦はキャリア初期にアンキー・アンコタに敵地でスプリットだから実質無敗といっていい。
そんなニエテスのボクシング、やっぱ田口、八重樫より全然上だなと関心せずにはいられない。
体格は小さく、ややリーチが長いくらいだがボディワーク、とりわけダッキング、ウィービングが上手く上下の打ち分けがとても達者。
フィリピンらしく柔軟に打ち抜くのでやや大振りだがフォローが効いてパワーがある。
捨てパンチがなく全部強く振るのでパワフルだが、実はかなりの技巧派なのだ。フック、アッパー、ストレート、全て上手い。
ただ、小柄で好戦的なタイプなのでやりにくさはない。
スキルとパワーが共存した好戦的な選手なのでKOも多く総合力、平均点がとても高い。
かみ合うスタイルなので相手により苦戦、善戦を許しても総合的にはポイントがとれる負けにくいボクシングだ。
週末に予定されるラウル・ガルシアもキャリア豊富で強そうだ。
38勝23KO3敗1分
3敗してるが2つはスプリットなので(ペドロ・ゲバラ、モイセス・フェンテス唯一のユナニマスは無敗の頃のニコシナシ・ジョイ)40戦してほとんど負けてないようなキャリア。
ニエテスにとっては侮れない相手になるだろう。
しかし前述のように強さと上手さが共存したニエテスが陥落するとはおもえず、ここもクリアして3階級目を目指して欲しい。
いくらニエテスといえど、知名度、実績、試合内容でさすがにフライの頂点は険しいかもしれないが、先日のアローヨ戦のロマゴンだったら?
パワーと体力に負けなければエストラーダをも破る可能性は大いにあるとおもう。
最強レベルでないフライ級王者なら今すぐ打ち破れるだろう。
懸念は階級上の体力、スタミナ、年齢からくる衰えだけだ。
映像を見直して、現時点ではロマゴンを破るアジアの筆頭株は井上ではなくこのニエテスだとおもった。
楽勝ばかりではなかったはずだが、やっぱり強い、総合力が実に高いなぁと関心してしまった。