
なんとか観戦する事ができました。グダグダ感はなくいい試合でした。
日本の方が著作権とかに厳しめなので、動画は別口でご確認くださいませ。
田中VSパランポン
アコスタという強敵を退けた田中でしたが、パランポンは意外な強打者でした。戦績がTVのものとBOXRECで違うのですが7敗している選手にはみえません。アコスタ戦も今回も、キビキビしたボクシングで序盤から圧倒したかった田中ですが、相手の強打に面食らい、修正を余儀なくされています。
見栄えで田中がポイントは挽回していきましたが、怖いのは断然パランポンの一発の方で、倒すとしたらこっちの方だなというヒヤヒヤする展開でした。顔面も田中だけ崩壊しパランポンはさわやかなまま。
田中は俊敏でパンチに強弱があり、メリハリあるボクシングが出来ますが、右ストレートと左ボディ以外は弱で、倒すような威力はないようです。パワー的には今はLフライかフライまでが限界かもしれません。
最後は直前のダウンが強烈だったので、レフリーが止めましたが、ちょっと早すぎでパランポンはまだまだ生きていました。けれど攻めながら局面打開しああいうダウンを奪う田中はやはり華があります。
田中は反省しきりで試合後は病院直行のようですが、自分がダメだったというより相手が強かった。キャリアが浅いので上手くいかない、想定外の事もあるという意味でいい経験を積んだとおもいます。頭痛がするそうですが何事もなければいいですね。
年末に噂される田口戦、技術もスピードもパワーもアマエリートの田中が上だとおもいますが、今時アマキャリアなしで王者をはる田口は長身細身だが本質はボディファイターでスタミナや根性、圧力が強いのでどんな結果になるかはわかりません。田中のスピードと技術だけで勝てるほど甘い相手ではないでしょう。
パランポン、映像と全然違いました。
ムエタイの下地が相当なのか、試合慣れして屈強でした。
タイもフィリピンも本物が本気出すと強いですね。
岩佐VS小國
策士、小國の戦術に注目しましたが、以外や愚直なファイトでした。鬼門である右回りも敢えて逆をついた発想なのかもしれませんが、岩佐の左が直撃する位置どりで、裏目にみえました。
岩佐はパワーがないから序盤に飛ばす作戦だったようですが、あれだけ左を直撃されては定石通りの左まわりの方がよかったとおもいます。
岩佐に関しては最高の出来だったとおもいます。2回までに3度のダウンを奪う優勢でありながら、小國の反撃を許す展開に中だるみしたのがやや不安材料です。6回は明らかに倒す意思を込めて力を込めて決めに来たと感じましたが、3回で決めるつもりでよかったとおもいます。
今後、世界トップの舞台でああいう中たるみがあるとハスキンス戦のような一撃を食う懸念があります。日本人世界王者としては珍しく一流に伍するほどの技術を持った本格派なので、序盤から試合を支配し、井上のように「情け容赦なく」決めて欲しいとおもいます。12回、長引くとどこかで絶対ピンチを招くボクシングであるような胸騒ぎがあります。
でもやはり、この組み合わせは、日本タイトルマッチだな。
いずれにしても、勝ち抜けるとはいいきれませんが、世界一流にひけをとらない、卓越したスキルの岩佐がようやく王者になりました。長谷川や山中にひけをとらない才能です。本格派として活躍して欲しいとおもいます。
長い時間がかかりましたが、大局的にみれば、山中との激闘を経て、入れ替わるように王者になった経緯は、日本ボクシング的には順当すぎる結果です。
あの日の両者はどちらも世界王者になったとさ。
和氣が勝って世界再挑戦をアピールしたそうですが、再起戦はロートルの瀬藤と階級下のパノムンレックです。応援する気になれません。