無敗の若き王者が試練の時を迎える。
王者であるならどこでも誰の挑戦でも受けなくてはならない。それが王者の宿命なのです。
ネイサン・クレヴァリーはビッグネームとの対戦はないが、まっとうなキャリアを積んで無敗のまま王者となった実力派。
何度か防衛を重ね、今回試練の相手を迎えました。
プロ26勝12KO無敗
アマ34勝2敗
セルゲイ・コヴァレフはロシアの元トップアマ
プロ22勝20KO1分
アマ215戦193勝
だそうです。
キャリアをみると
ロシア国内アマチャンプ
世界軍人チャンプ(なんだそりゃ?)
なんかを何度もとっています。
セルゲイ・コヴァレフはホープの一人でしたがそのパワーが半端なく、ロシア圏でよくいる怪力、怪物ボクサーのひとりとして恐れられる存在でした。
カザフスタンのGGG、ロシアのピログ・・・
いかつくテクニックありハードパンチ・・・
やはりアマチュアの最近の趨勢通り、ボクシングの勢力図はロシア圏に変わったを印象づけられます。
そして試合は予想どおり、コヴァレフの圧勝となりました。
テクニックも王者と互角以上で攻防よどみなく、GGGよりはピログに似た万能型に写りますが、やはりなんといってもパンチが強い。
これがちょっといままでのボクサーと次元が違う気がします。
あまり人気のない階級ですが、この男の実力は高く、衝撃KOの確率も高く、見て損のない試合ばかりとなるでしょう。
ドーソンを破って相手のいない裏P4P、アンドレ・ウォードや巨匠、バーナード・ホプキンスにも勝つロマン、しかもKOで・・・があります。
それにしてもハードパンチャーです。
そういう岩石のような強い選手にギレルモ・ジョーンズのような不思議な身体能力の選手が勝ったりするから(デニス・レベデフ戦)プロボクシングは面白いのですが、コヴァレフの弱点はどこにあるだろうか。
そういう見方も楽しいです。
そしてまた、仮にも王者なら、事前評価のやばい相手から逃げるなと言いたいです。日本人のことですが。
そういう意味で負けたクレヴァリーは王者らしかった。