今の田中の方が狂暴でパワフルでタフ、そんな気がする。
判定では井岡だろう。
ムザラネ、ダラキアン、マルチネスとの力関係がわからなかった田中、果たして突破できるだろうか・・
田中
「みんなと戦いたい。みんな30代ですよね。現役のうちに戦っておきたい。だから昨年末の試合後に体重を増やしました。井岡はかなりの準備をしていると思うが、最後の一秒まで倒すつもりです。当日はどんなパフォーマンスができるか楽しみだし、その目で見てほしい。」
井岡
「世界的なパンデミックの影響で、多くの人が今日だけでなく将来のことを心配している中、日本でこのチャンスを得られたことに感謝しています。大晦日の試合を見ている全ての人にポジティブな気持ちを与えるチャンスを得ました。田中は若くてエネルギッシュでハングリーなファイターで、僕の王座を狙っています。でも、彼のことは特別に意識はしていません。」
井岡と田中は木曜日の夜、東京でWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチを行う。
SNS上で刺激的なファイターとしての評判と魅力的な人格を持つ3階級世界王者と4階級世界王者の戦いは、今年最後に最も期待されている試合の一つと考えられている。言うまでもなく、田中は、このスポーツの歴史上、最速の4階級世界チャンピオンになる可能性がある。
今年の最高の試合の一つといえるが、広い意味では無視されている。一つには、今年の最終日に開催されること、この大陸のほとんどの人が眠っている時間帯に開催されること。試合は日本で行われており、放送や試合の海賊版を入手することは歴史的に困難であること。
イギリスではBoxNationとPremier Sportsでライブ放送される予定だが、北米には英語放送局が存在しない。ESPNノックアウトはスペイン語のテレビ放送を提供する。
また、この地域では、軽量級のファイターに対する長年の偏見があり、HBOがスーパーフライ級に参入した後、ここ5、6年で多少は解消されたが、多くのカジュアルなファンの心の中にはまだ軽量級への無関心は存在している。
出版社や団体はすでに2020年の年末のアワードの候補を発表しており、井岡-田中の結果が論理的に影響を与える可能性のある多くのカテゴリーを取り上げている。この二人がファイト・オブ・ザ・イヤーを獲得する可能性があると考えることは想像に難くない。
特に田中が関わるどのような試合でも、年末の投票者は常に注目すべきである。彼らのどちらかがノックアウト・オブ・ザ・イヤーのレベルのショットを放つことができると考えるのは不合理ではない。そして、どちらかが勝ったとしても、テオフィモ・ロペスのワシル・ロマチェンコに対する勝利や、タイソン・フューリーのデオンティ・ワイルダーに対する勝利には及ばないにしても、今年最高の勝利の1つ、少なくとも投票用紙に載るに値することは間違いないだろう。
日本の年末の試合の不幸な影響は、田中や井岡のような優秀な選手が、その年の終わりから遠ざかっていくことになることだ。ボクシングはグラミー賞のようには機能していない。そのため、田中が井岡との12ラウンドで最もセンセーショナルなワンパンチノックアウトで止めたとしても、このスポーツの声として、また歴史の記録者としての役割を果たしている団体から正式な評価を受けることはないだろう。
しかし、市場全体が日本のトップファイターを受け入れてくれるという前例ができつつある。現在、アメリカでトップランクに昇格した井上尚弥は、アメリカのテレビで多くの認知を得ており、ESPNに強くプッシュされている。当然のことながら、彼は世界最高のファイターの一人として世界的に評価されており、リングマガジンのパウンド・フォー・パウンドランキングでは2位に位置している。さらに、Lフライ級王者の京口紘人は先週、マッチルームスポーツと契約を結び、このスポーツの隠れた逸材の一人として米国での露出を保証した。
特に25歳の田中にとっては、12月31日に井岡を倒せば、海外でも同じように注目され、祝福されるチャンスがある。彼は16試合で4階級のベルトを獲得し、現在の記録保持者であるオスカー・デ・ラ・ホヤよりも8試合早く、4階級でベルトを獲得した史上5人目の男になる。
パウンド・フォー・パウンドを考慮する必要性、ファン・フランシスコ・エストラーダやローマン・ゴンザレスのような名前との対決を期待されるだろう。時間と体重が邪魔になるかもしれないが、少なくとも将来的には田中vs井上の対戦を夢見ることもできるだろう。
最近の記者会見やインタビューでは、田中は井岡、エストラーダ、ゴンザレスらファイターの時代からの聖火を継ぐ「世代交代」をしたいと言い続けており、次のターゲットは後者の2人だと具体的に述べている。
田中
「みんなと戦いたい。みんな30代ですよね。現役のうちに戦っておきたい。だから昨年末の試合後に体重を増やしました。井岡はかなりの準備をしていると思うが、最後の一秒まで倒すつもりです。当日はどんなパフォーマンスができるか楽しみだし、その目で見てほしい。」井岡
「世界的なパンデミックの影響で、多くの人が今日だけでなく将来のことを心配している中、日本でこのチャンスを得られたことに感謝しています。大晦日の試合を見ている全ての人にポジティブな気持ちを与えるチャンスを得ました。田中は若くてエネルギッシュでハングリーなファイターで、僕の王座を狙っています。でも、彼のことは特別に意識はしていません。」
いつものように井上や村田や外国人が参戦できない年末の極上の試合。恐らく、日本人対決としては史上最高の組み合わせだろう。
現役の3階級王者(返上)と4階級王者の対戦だ。
若く、適正階級で減量の不安が軽減し、最後の試合のパフォーマンスがよかった田中を推してきたが、最近はよくわからなくなってきた。田中が圧勝した相手はウラン・トロハツであり、井岡が下したのはジェイビエール・シントロンだ。レベルが違う。
さらに井岡はここ数戦、アローヨ、ニエテス、パリクテという強豪と戦ってきた。
対する田中は木村、田口、ジョナサン・ゴンサレス。どれもやや強引な試合でパッとしなかった。被弾もやむなしと平気で打たせる。
田中には、スピードやテクニック、センスで圧倒できなければ、開き直りの殴り合いでなんとかするような雑さがあるが、井岡にはそれはない。緻密で丁寧に相手をこじ開けていく、自身の確たる戦い方がある。
試合前の田中の威勢がよく、ビルドアップしてコンディションも良さそうだが、今までの田中で跳ね返されるとしたら井岡だろう。井岡は強がりか本気か、田中との格の違いをアピールし、ビッグマッチへの通過点、義務だから仕方なくやる試合と発言している。
田中の勢いや自信が通じなくなった時に、井岡の緻密さが発揮され、井岡劇場になっていくムードがある。
せめて田中がフライ級時代に統一王者になっていれば、もう少し説得力があった。田中の強さを図るような誰とも戦ってこなかった。田中の自信と勢いが完封された時は、より緻密で隙のないベテランの井岡が勝利を手繰り寄せるだろう。
それでも、世代交代、非情な時の流れは田中に傾くと最終予想しておく。
今の田中の方が狂暴でパワフルでタフ、そんな気がする。
判定では井岡だろう。
ムザラネ、ダラキアン、マルチネスとの力関係がわからなかった田中、果たして突破できるだろうか・・・