その男、凶暴につき/ジョン・ジェミノ

戦績だけでは計り知れない、狂暴な男、屈強なファイターがいる。この男を攻略した先に世界は広がっているのだが、跳ね返される者が多い。世界を目指すなら挑んでみて欲しい。日本人はいまのところ0勝1敗だ。あまり日本には呼ばれないガチなヤツの事だ。

“ The Disaster”(災害)がカルロス・オルネラス(22勝12KO2敗)を襲った。

ジョン・ジェミノは彼がなぜホープにとって危険な相手であるかを再び明らかにした。メキシコのティファナで先週土曜日、地元のカルロス・オルネラスを7ラウンド左フックでノックアウトした。

その試合はオルネラスにとってはリスキーでありつつ容易にコントロールできるものであるようにおもわれた。オルネラスは昨年9月にプロ初の敗北を経験し、12月に復帰戦を飾り再建を図っている矢先だった。

ジェミノ(19勝9KO11敗1分)はラウンドを重ねる毎に自信を深め、最後の左フックで決める前に既にオルネラスの顔面を破壊していた。

ジェミノ
「作戦は相手にエサを撒くことでした。3ラウンドにはオルネラスの鼻は壊れていました。私は接近しディフェンスをルーズにして彼が打ってくるように仕向けました。そして7回にオルネラスは私が撒いた餌に食らいついたのです。レフリーはゆっくりカウントしてオルネラスを助けようとしていたけど、続行したなら彼はもっと傷ついていたでしょう。」

24歳のジェミノより2歳若いオルネラスは体重超過をしたが、ジェミノはペナルティを要求しない代わりに彼の記録を奪い去った。

ジェミノ
「マネージャーはもっと大きな試合を約束してくれました。それが私をやる気にさせました。」

ジェミノが際立って印象的なのは大物キラーだからだ。ジェミノはかつてJR Magbooとトカ・カーン・クレーリーに初黒星をもたらした。しかし現Sバンタム級王者のエマニュエル・ナバレッテやトップコンテンダーのトゥグッソト・ニャンバヤルには及ばなかった。

ジェミノは昨年12月に日本の中澤奨を2回KOして2連勝としている。

またやったか、という印象です。
ジョン・ジェミノ、初めて知ったのはトカ・カーン・クレーリーを初回KOした試合。これで、米国プロスペクト、リベリアの孤児、トカ・カーンはトップランクを解雇され、世界戦の遠回りを余儀なくされました。印象はまさにフィリピンのガチな方、パンチが強い。荒いが技術も根性もある選手。

その後、エマニュエル・ナバレッテやトゥグッソト・ニャンバヤルには及びませんでしたが、強さは伝わる内容でした。おもえば、ジェミノに勝ったナバレッテというのはこの試合からもホンモノであることが証明されていたのだろう。しつこいほどに殴っておりニャンバヤルより圧勝でした。

本場には戦績が悪くても危険なフィリピン人がいるもんだと心にとめていた折、日本で彼の名前をみかけました。

中澤奨VSジョン・ジェミノ

中澤というのは全日本アマ王者で辰吉2世と期待されてプロ入りしたものの、挫折を経験し大阪から帝拳ジムへ、さらなる環境を求めて大橋ジムに移籍したプロスペクトでしたが、大橋ジムの興行で観た中澤は、世界はおろか日本王者も厳しいような直線的でスローな選手にみえました。そんな彼にとってジェミノは危険すぎるとおもっていたら案の定でした。

世界には、こういう戦績悪くとも世界レベルのパワーとリスクを備えた番人、猛者がいます。上を目指す以上、避けるよりは来たるべきタイミングでこういう選手と拳を交えるのはいい事だとおもいます。しかしその実力を、タイミングを誤ってはいけません。せめて5分5分くらいの説得力がないとやられてしまいます。

ジェミノを軽く乗り越えた先に世界トップレベルは広がっています。

日本人Sバンタム級、フェザー級の壁、門番にジェミノはいかがでしょうか?
同門がやられた今、清水のテストマッチにいかがでしょうか?
パワーとタフネス、キャリアは世界レベルです。

えさを撒いて、ディフェンスを甘くして、相手が食らいつくのを待っていた

粋な事を言ってくれるもんです。

ジェミノ、あっぱれ!

https://www.youtube.com/watch?v=rDWEs9oI8Eg

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