日本人王者の陥落以来活発な動きをみせるSフェザー級戦線、今度は中国でWBA正規王者のフォーチュナが初黒星。
王座は無名のソーサに移動しました。
両者縁のない中国で、前戦で名を上げたとはいえ無名のアメリカ人ソーサと試合をするくらいなら内山と戦う障害もなかったであろうフォーチュナ。
やはり交渉以前にワタナベジムが警戒し敵前逃亡していたとしかおもえない状況でした。
不気味に強いので、記録のかかる13度目かそれ以降にしたかったのだろう、本音は。
能力的にはフォーチュナ優位であろうが、相性的には妙味があるとおもえた対戦。
フォーチュナはどこかザブ・ジュダー的であり、才能、センスはあるがタフな肉弾戦になると脆そうなところがあった。
事実、5ラウンドにはソーサからダウンを奪い、ポイントはリードしていたようだが終盤にタフなソーサに捕まったらしい。
決着シーンしかなく、よくわからないが、最後は11ラウンド。10ラウンドもピンチで減点?混みで10-7のラウンドだったようだ。
最後は何が当たってのKOかわかりにくいが、このシーンだけでなく、もうフォーチュナが効きまくっていたのだろう、やや早めに見えるストップだが後日別の動画で確認したい。
ジェイソン・ソーサは19勝14KO1敗4分
21歳でボクシングをはじめ、アマキャリアは1勝2敗という雑草選手。最近連勝中で前戦Sフェザーに上げたニコラス・ウォータースと引き分けて今回のチャンスを掴んだ。
雑草選手らしくスキルもスピードも特筆すべきものはないが、165センチの小柄でガッチリした体形からパワフルなフックを放ち、ブロッキングは硬く、なんといっても打たれ強くハングリーなのが特徴だ。
ジョー小泉氏が中国に出向き、勝者と内山の対戦を直訴したそうだ。
やはり英語のできるジョーさんに丸投げなんだなナベジムは。おおみそか、日本というのがいかにもなクオリティだ。
昔、内山がまだ王者になる前に現場作業員のような恰好をした相手(たしか山崎だったか?)が、闘志むき出しで、内山の強打をどんなに食らっても倒れなかった試合があるが、ソーサという選手も頑丈でそこが内山とは大きく異なるところだ。
技術的には問題なく、日本人と絡みそうな小柄な選手といえそうだが。
そして、苦戦はしたがソーサに勝利に等しい試合を演じたウォータースもこの階級で一定の強さがあり、ブロック主体のディフェンスが巧みで耐久力も体力もあることが間接的に証明された。
フォーチュナが負けた事実を受けてなお、ジェスリール・コラレスというのは劣化版フォーチュナだとおもうので、肉体の強いタフな選手との相性は似たようなものだとおもう。
俊敏、柔軟な黒人アスリート系ボクサーを相手にする時は、スピードや動きに慣れるまでは我慢、プレッシャーやボディやダーティーさ、ラフさを出して後半逆転、スタミナ勝負というのが才能で劣るアジア系選手にとり唯一の突破口だろう。
内山の再起や相手含め、誰になるのかわかりませんが、フォーチュナやコラレスよりはやりやすい、怖さのない新王者が誕生しました。
けれど甘くみると軽くやられてしまうだろう。それくらいの雑草魂と肉体的タフネスを備えた28歳ジェイソン・ソーサ、かませ犬から狂犬に変貌した今が旬といえる新王者といえよう。
本当は日本人がソーサみたいなボクシングをしなきゃいけない。頑丈かつパワーがあるというのはそれだけで大きな努力と才能の賜物だとおもいますが、天才でなくとも強い気持ち、意思があればこういう選手にはなれるのだ。メイウェザーにあこがれるよりずっとましだ。
ネオマール・セルメニョVSチャオ・シャオジュン
中国だからこっちがお目当て試合だったのだろう。
シャオジュンを勝たせたい試合だったろうが36歳のベテランセルメニョがKOで勝ってしまった。
セルメニョは試合枯れも多く大事な試合でよく負けるので評価も低くすっかり過去の人状態だが
アンセルモ・モレノとは2試合ともスプリットだし、今も元気なミハレスには2勝、暫定王者のエスカンドンの初黒星もこの男だ。
実は山中くらいには強く職人的テクニシャンであり、日本人が簡単に超えられる選手ではなさそうだ。
だからこそ、このセルメニョを完封したアレクサンドル・バクティンが惜しまれる。
バクティンとリコンドーこそがSバンタム真の2強だろう。
リコンドー、フローレスがいてさらにセルメニョという暫定王者は必要ないとおもう。
まだやってて強かったのだけ評価。中国人が弱かったのかな。