
ボクシングがアメリカ中心のせいか、文化、探しやすさ、読みやすさのせいか、アメリカの記事に比べその他地域のニュースは拾いにくいから、旧共産圏の選手はミステリアスで寡黙な印象を受けてしまうが、現在のボクシング界の主役、P4Pはこの男だ。
現在31歳、あと2年、33歳で引退を視野に入れている。残された時間はそう長くはない。そして彼は恐らくこれ以上の階級アップはしない。自分の階級内で可能な試合は全て受け入れる構えだ。
周囲のマネーゲーム、思惑次第だろう。
WBA WBOライト級王者の3階級王者ワシル・ロマチェンコがファンとの新しいコミュニケーションの場に現れた。インスタグラムライブ上で、ゲルボンタ・デービスとの試合や未来のファイト、引退計画などについて質疑応答に応えた。
ロマチェンコは4月12日に指名挑戦者のアンソニー・クロラと戦う。オリンピック2大会金メダリストのロマチェンコ自身は、IBF王者のリチャード・コミーと対戦できずがっかりしていた。
ロマチェンコ
「クロラよりコミーの方がよかった。コミーはIBFの王者だし私の目標は4団体全てのベルトを統一することだから。」4月の試合では自分のベストを披露するとロマチェンコは約束した。ここ2戦、ホルヘ・リナレスとホセ・ペドラサ戦では肩の怪我の影響でベストとはいえない状態だったからだ。
ロマチェンコ
「最近の2試合で私の評価は少し落ちたようだ。でも聞いてくれ、3階級目だしペドラサ戦では肩の怪我の影響で右フックを使えなかったんだ。」ロマチェンコの目標は議論無き絶対的な王者になること。ベルトの統一を語る一方で引退についての考えも示した。
ロマチェンコ
「私のゴールは階級の統一、そして引退だ。次に何をしようか?ボクシングは自分にとってはビジネスではなくスポーツなんだ。王者に挑むのが楽しいんだ。誰に勝てば絶対的な王者と認められるだろう?33歳で引退を考えている。5歳でボクシングを始めて以来ボクシングが人生の全てだった。でも全てには終わりがあるんだ。」しかしロマチェンコは何人かの戦うべきボクサーを宣言した。ゲルボンタ・デービス、デービスと戦うためならスーパーフェザー級に落としてもいいと言う。
ロマチェンコ
「ゲルボンタとの試合は興味深いよね。みんなが望むファイトがしたい。彼とやるならスーパーフェザーに行ってもいい。プロモーターが上手く試合を実現してくれることを願うよ。」さらに、最近話題のテオフィモ・ロペスについて聞かれるとロマチェンコは、UFCのコナー・マグレガーに例えた。
ロマチェンコ
「テオフィモ・ロペスは若く、野心的なファイターだ。いい試合をしているね。アメリカ人は彼が好きなんだろう。彼は言動も含めてUFCのコナー・マグレガーのコピーみたいだ。でも、オクタゴンでマグレガーに起きたことをロペスは心に留めておくべきだ。トップファイターと戦った時、マグレガーは敗れたよ。」
ゲルボンタ・デービスもテオフィモ・ロペスも、ロマチェンコを口にはしても、同時に時期、タイミングも口にする。今じゃない、その時が来たらと・・・。それは同時にロマチェンコの死角、衰えを待っているともいえる。
いくら今、ロマチェンコより派手に、パワフルに勝ち続けていてもアマでは雲の上の存在だったのだ。やっても敵わぬどころか対戦のステージにすらいけない差があった。
然るべき時が来たら、ロマチェンコと戦う時が来るだろう。
しかしそこにはこの偉人に対する畏怖と尊厳がなければならない。
ただ勝てばいいという挑発的で傲慢な態度だけではいけない。
パンチを食わないのがマトリックスの信条。
ロマチェンコがレッスンを施すと願う自分がいますけど・・・
彼は晩節を汚すまではボクシングを長く続けるつもりはないようだ。
究極マトリックスのボクシングには美学、哲学があるのだ。
You are the prison of your mind
Free Your Mind.
https://www.youtube.com/watch?v=EE2ohIYBg3w