Sバンタム最後のライバル/井上尚弥VSムロジョン・アフマダリエフ

色々あって次戦は9月にTJドヘニーに決まりという流れでしたが、WBAが指名挑戦権を持つムロジョン・アフマダリエフと「9月25日までに試合を行うことを命じた」そうです。

こういう各団体の対戦指令というのは想定していなかったのでしょうか。
アフマダリエフ陣営に問題がなければ、この線を信じていいのかな。

グッドマン、ドヘニーばかりが話題でアフマダリエフの記事や言葉を紹介するメディアがなかったのは不可解だ。

ムロジョン・アフマダリエフこそ、Sバンタム級で井上尚弥が戦うべき最後の相手とおもわれる。

https://boxrec.com/en/proboxer/828415

12勝 (9KO) 1敗 29歳
身長 166cm
リーチ 173cm

アマチュアでは井上尚弥よりも世界的に活躍し、キャリア豊富といえる。

無敗の2冠統一王者として、スティーブ・フルトンと同等の地位におり、フルトン戦後のターゲットで決まりだったが、よもや怪我からの再起戦でマーロン・タパレスに判定負けし、タパレスにその権利をすべてもっていかれてしまったが、そこから再起し、強豪のケビン・ゴンザレスをノックアウトして再びの挑戦権を得ている。

タパレスとの試合は、怪我明けの復帰戦で、タパレスが進化して上手く、強くなっており、いつもは序盤からパワーで威圧するアフマダリエフが慎重で、中盤まで手が出ず僅差のポイントが全部タパレスに流れたのが敗因だ。後半は挽回すべくタパレスをやや押していた。しかしそうなると隙も生まれタパレスも迎え撃ちやすくなる。エンジンをかけるのが遅すぎたのが敗因といえる結果で、再戦すればやっぱりアフマダリエフかなという内容でした。

しかし小柄でパワフルなサウスポーという点で2人の実力は伯仲しており、その後タパレスは井上戦に向けてさらに成長したから今タパレスより強いかどうかはわからない。

サウスポーのパワーパンチャーで基本に忠実でトリッキーなところはない。アマの偉大な実績からスキルは高いが、遠距離で技術戦をするタイプではなく、プレッシャーをかけて重いパンチとフィジカルで相手を削るKO型のスラッガーだ。

井上尚弥の脅威となるには、パワーがないと話にならないとおもうので、その意味ではアフマダリエフは十分だ。

しかしスピード、テンポ、爆発力など、すべての要素で井上尚弥に匹敵するものはなく、タパレス戦と同じくらいの差があるとおもわれる。ルイス・ネリーよりは総合力が高いので、あんなに簡単にパンチを当てることは出来ないだろう。

五輪の銅メダリストから鳴り物入りでプロになり無敗で最速で王者になった、ウズベキスタン初の2冠王者としてのプライドや自信は相当なもので、タパレスよりもずっと評価が高かった、無敗のまま4団体を統一しフェザー級に進出、歴史に名を刻む王者になろうとしていたほどの存在なので、実力は誰もが認めるところ、Sバンタムで残った者の中では最強

という共通認識は本人にも世界中のボクシングファンの中にもあるだろう。

そういう意味では最適の相手だ。
はじめから井上尚弥VSムロジョン・アフマダリエフでよかったのだ。

個人的にもムロジョン・アフマダリエフこそ過去最強の相手だとおもう。フルトンにはパワーがなく、ムロジョンにはある。フルトンは階級下の選手と井上をやや舐めていたが、もはや井上の強さは誰もが確信的なものとなり、ムロジョンに油断は一切ない。むしろ勝てないとおもわれている。こっちの方が相性的には脅威といえる。

問題は、いつ、どこで、陣営の都合と条件だ。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
What’s your Reaction?
最高
最高
34
いいね
いいね
47
ハハハ
ハハハ
7
うーん
うーん
10
がっかり
がっかり
2
最低
最低
3
コメント一覧
  1. 当時の難敵フルトン(は積極的だった)との二団体王者対決を回避し選んだタパレスに敗れ陥落の経緯を見ると、策士策に溺れるタイプかもしれない。井上を挑発したかと思えばネリ戦前後は沈黙期間だったりと意外と細心なようだ。
    井上の最も興味深い対戦相手であることに異論はないが、取り巻きも含めて面倒そうだし後回しでもいいんじゃないの。

    3
    0
  2. ネリみたく本能的で何やってくるかわからない、というのが無いからな。
    MJだったら、左の後打ち返すよりも、返しの右を警戒するのが先、って感じでしょうか。

    1
    0
  3. 対戦指令というものの第一報が、突然の公式発表ではないだろうし、しかもPFPの井上であるからそんなのはあり得ず、事前に伝え聞いていたからこそ、タイトル返上も口にしていたということでしょうな。
    今のタイミングってことは、待機料が欲しいMJ陣営と承認料が欲しいWBAの画策、又はオイルマネーの試合が計画されていてその莫大な承認料を狙うWBAの画策のどちらかでしょう。
    前者だったら井上陣営は無視、後者だったら悩みどころ。
    しかし、スーパー王者の指名期限18ヶ月を無視してこんなこと言ってくるWBAはやはりとんでも無いクソであることが又又証明されましたね。

    6
    3
  4. 私もあまりにアフマダリエフの名前を出さないことが不思議でした。来年までスーパーバンタムにいることは決まっているから、来年のメインディッシュにとっておいてるのかな、なんて推測したり。

    0
    0
  5. 攻防一帯でネリーと違いディフェンスや
    ポジショニングもうまいよ。足もある。
    技術はある。

    4
    1
  6. あと一人は誰か、とすれば当然MJに違いないけど、井上を脅かす武器が無く、2RKOでしょうか。

    2
    0
  7. 大橋会長の発言を見る限り、会場を抑えるどころか既にドヘニーと契約を結んでしまっているんだろうね

    しかし、相手の格より試合予定を優先するようだが、これではボロクソ言われていたグッドマンと同じではないか

    9
    3
  8. もう東京ドームではないとおもうけど一体どこを押さえているのだ?まだだろう。

    0
    0
  9. 大橋は9月試合会場はおさえてるから自身の興行に
    アフマがきてくれるかどうかです。

    1
    0
  10. ケビン・ゴンザレスに勝った時は威勢のいいことを言っていたが、井上VSネリの後は沈黙しているアフマダリエフ。やりたくないんじゃないかな?

    11
    2
  11. タイムリーな情報ありがとうございます。
    ドヘニー嫌いじゃないけど、9月は断然MJ戦が見たいね!

    12
    1
  12. フルトンVSアフマダリエフだとフルトン有利かなとおもう。ダニロマ戦のパフォーマンスをみても。
    しかし相性やスタイルの違いで井上にとってはフルトンより手ごわいとおもう。

    9
    6
  13. アフマダリエフはどちらかと言えば変則的なボクシングでしょ.
    ボクシング見てますか.

    1
    24
    • そうかな、普通のサウスポーにみえる。やや大振りで腕力系で、連打タイプ。スピードがないからロベイシとかマイケル・コンランにはアマで負けている。

      14
      0
      • タパレスやネリとはまた違うタイプのサウスポーだけど、変則ではない。
        ガンガン前出て攻めてくるファイタータイプ、日本だと村田さんが近い。スピードは普通と評価する人もいるけど、ポジション取りのテンポはとても早いと思う。
        パワーが評価されがちだけど、左腕骨折してもロニーリオスをコントロール出来る程度には技術はある。
        20歳そこらで五輪メダリストになった怪物なのに、タパレスに負けた事で過小評価されてる所はある。変則気味のカウンターパンチャーに化けたタパレスとは相性良くなかったと思う

        8
        2
        • 同感です。MJは残りのスーパーバンタム級で唯一戦う価値がある選手だと思います。グッドマンなど時間のムダでしかない。あと一試合はエンタメ要素でカシメロお願いします。

          6
          3
コメントを残す

※相手に対し失礼だとおもわれるコメントは削除される場合がございます。

おすすめの記事