計量で井上を怒らせるような真似をし、過酷な減量によるやつれをみせたマクドネルは速攻倒されると予感していました。マクドネルのスローなシャドーをみてさらに確信しました。
マクドネルVS井上はわずか初回で終わった。公式タイムは1分52秒。
井上は32歳のマクドネルを倒したが、その前に左フックを効かせていた。最初のダウン後マクドネルがロープに下がったのは失敗だ。井上のような殺人的パンチャーに対抗するにはサイズの優位性は何も役に立たなかった。
ロープ際で何とか対抗しようとしましたが、井上に比べマクドネルは遅すぎました。2度目のダウンからマクドネルが立ち上がる時既にレフリーは試合を止めていました。もし続行されていたらもっと残酷な結果になったことでしょう。
井上のパンチ力は壊滅的でした。ミニゴロフキンのようでした。
井上
「うれしいです。他団体の世界王者と戦うためにWBSSに参戦します。」マクドネルは何もできなかった。体格も体重も役に立たなかった。井上がフェザー級のオスカー・バルデスやスコット・クイッグらに比べても破壊的である確信は持てませんがバンタム級においては野獣のようですらあります。
井上はこの勝利で他のバンタム級王者に強烈なメッセージを送ったことになる。WBSSで他団体の王者に交じって井上が参戦します。4つのベルトのうち3つを井上が統一する可能性が高い。残るひとつは空位のWBCのベルトです。
マクドネルの未来は暗雲がたちこめました。WBSSに出場して大金を稼いで引退する夢プランは崩壊しました。彼は計量後に一晩で26ポンドも戻したといいます。信じられないほどの体重です。ライトウェルター級の選手のようでした。現役を続けるならば階級を上げるべきでしょうが、Sバンタム級でもきついのではないか。
大柄で比較的スローなレイ・バルガス相手なら好勝負が期待できますが、小さなアイザック・ドグボエだと井上戦と同じ悪夢になるでしょう。
井上は自分の強さが知りたい。ピンチになったらどんな引き出し、自分が出てくるのか確かめたいというような事を言っていました。まだ、苦戦したことがなく、苦戦を、ライバルを求めているようでもあります。それが唯一井上の弱点なのだろう。強すぎるが故に限界を、自分を把握できない。
WBSSが恰好の機会を与えてくれますが、ここすら簡単にクリアすることになるのかもしれません。
この勝利で、井上はNEXTパッキャオ、世界の至宝と認められたでしょう。WBSSのライバルたちはより一層井上を研究し、徹底対策してくるだろう。こんな試合を見せつけられて、勝機はあるのだろうか。エディ・ハーンはライアン・バーネットにどんなアドバイスをするのだろう。4人の王者以外に参加したいと手を挙げる選手も尻込みしてしまいそうだ。
父親や大橋会長の役目は井上にもっとハイレベルなパートナーや環境を用意することだ。
自分がどこまで強いのか、どの階級が壁なのかわからないというのは良いことなのだろうか?
五輪メダリストや階級上の王者級の練習パートナーが必要だ。
西岡に続く世界の道標を、井上が辿ってくれました。さらに険しく厳しい頂もこの男なら成し遂げてしまいそうです。P4P一位になるのも夢ではないのかもしれません。