偉大なファイターのキャリア終盤、様々な思惑と次への準備がある。世界的な資産家をバックに持つDAZNは大盤振る舞いだがボクシングファン、ボクサーにとっては夢のある時代になったとおもう。日本人もこの波に遅れることなきよう是非羽ばたいて欲しいものだ。
[st-card id=60229 ]不機嫌な心境にあるとおもわれたゲナディ・ゴロフキン(以下GGG)がリングに戻ってくる。月曜日にDAZNと契約したことが公式に発表された。
GGG
「DAZNが最高のプラットフォームとプランを提供してくれた。他のオファーもあったけどDAZNは俺自身のプロモーションで戦うことに同意してくれた。」ビジネスとボクシングはコインの表裏だ。
我々が最後にGGGをみたのは昨年9月のカネロとの激戦だった。GGGは判定負けをしたが彼の勝利を推す声も多くそのブランド価値は決して落ちてはいない。GGGVSカネロは米国だけで110万のペイパービューを記録した。
GGGは少なくとも1年2試合、計3年間で6試合の契約を結んだ。カネロ、ジェイコブス、ハイメ・ムンギアなどと同じプラットフォームで戦うことが決定した。
GGG
「この契約で6試合できることを願っている。」
GGGは来月37歳になる。元ESPNで現DAZNの会長であるジョン・スキッパー
「GGGはとても重要な要素でした。議論の余地はない。大変な交渉でした。」実際の数字は明らかにされてないが、GGGは1試合あたり1000万ドル以上のギャラが保証されている。
GGGが今から9年前にアメリカにやってきて以来、それは素晴らしい旅路だった。カザフスタンからアメリカを本拠地とする最初のボクサーであり、当初は英語もたどたどしかった。しかしトレーナーのアベル・サンチェスはGGGを多くのメディアに紹介した。
サンチェス
「GGGがどれほどすごいか伝えきれない。かつて教えたどんなファイターよりもハードパンチャーだ。ヘビー級を含めてもね。」彼は過去にテリー・ノリス、ルーペ・アキノ、ミゲル・アンヘル・ゴンザレスなども指導したことで知られるが、その中でもGGGは「過去最高のファイター」だと断言した。
GGGをはじめて観た時の衝撃は忘れられない。ボクシングジャーナリストとして35年間、100年以上家族の仕事としてこのスポーツに関わってきた一人として、スーパーファイターを目撃したと断言する。その日のカザフスタンのミドル級はまるで野球のバットでサンドバッグを殴っているかのようだった。
2012年、GGGは米国でグジェゴジ・プロクサをノックアウトしてデビューした。2010年から2016年まで、GGGは17度の防衛を含む23連続KO勝利を続け、カネロとの対戦はボクシングファンの夢となった。
今、栄光のファイターとしてGGGは最終段階に入った。彼がプロモーターに転身することは明らかだ。
GGG
「GGGプロモーションで共に頑張っているファイター達を紹介していきたい。そのための最高のパートナーがDAZNだった。」GGGは復帰するとともに、別の戦場にも入ったのだ。
GGGがDAZNと契約というニュースは既に紹介したが、改めて書いたのはやはり将来に備えた動きがあるからだ。
GGGプロモーション
これは自然な流れであり、レジェンドクラスの王者達はみなこの道を進んでいる。米国にはたくさんの偉大な選手とプロモーションがあるが、フィリピンのパッキャオ、プエルトリコのミゲル・コットなど新たな国でこのような活動が盛んになるのはいいことだ。特にまだ未開、未踏の地といえる旧共産圏、中央アジアの象徴としてGGGプロモーションの今後には目が離せない。
日本だって世界王者がジムを経営したり、同じじゃないか?
いや、プロモーターとして自国の選手を束ね、世界に売り込む、大手プラットフォームと手を組む、そこまでの活動をしている者はいない。皆、帝拳の〇〇さん頼みだったり海外の門戸、世界的な契約には疎い。民放と組むのがせいぜいだ。
いつか日本もこうした状況が変わることを願う。
オラのジムの選手を・・・ではなく日本ボクシング全体の底上げと活性化、世界進出。これだけ巨額の世界が広がっているのだから。村田なんてGGGみたいな動きをすればいいのにな・・・賢いしカリスマだし・・・
なお、ゴロフキンの復帰戦には、欧州ミドル級王者、ポーランドのカミル・ゼレメタが有力候補にあがっている。
カミル・ゼレメタ
19勝4KO
http://boxrec.com/en/boxer/629775
もうこうなった以上、私が一押しのジャモール・チャーロはアル・ヘイモンと袂を分かつべきだ。いくら吠えてもミドルのエリート(と言われる選手)は皆DAZNなのだ。ウェルターならPBCでもいいかもしれないけど本気でやりたいならDAZNに行くしかない。PBCでいくら吠えてももう無駄だ。